令和5年度第2回定例会が終了しました/議案などダイジェスト

こんにちは、神薗まちこです。
本日、選挙後はじめての議会「令和5年度第2回定例会」が終了しました。

今回の議会では、

議案8件、報告6件、請願2件、陳情3件、議会から意見書1件、決議1件

の採決や提出が行われました。


以下、本定例会で私が注目しているベスト3の案件です。

1:議案第32号 令和5年度渋谷区一般会計補正予算(第4号)


4月から改正道路交通法の施行により、全ての自転車利用者に対してヘルメット着用が努力義務となりました。自転車事故で死亡した人の約7割が、頭部に致命傷を負っています。また、ヘルメットの着用状況による致死率では、着用していない場合の致死率は、着用している場合と比較すると約2.3倍も高くなっています。シブヤを笑顔にする会でも本会議の質問で提案してきましたが、今回1つのヘルメットに対して2,000円(4,000個分)の補助を出すということで準備しています。また区ニュースなどで告知あると思いますが、7月中旬くらいを目途に準備が進んでいるということです。

審査の中で、以下のようなご意見(抜粋)がありました。
・安全な自転車利用を促進する効果が期待できる。
・LINE以外での申請方法や、助成する期間や件数の拡充、対象店舗も十分に検討し、交通安全対策として広がっていく施策となるよう努められたい。

物価高騰を受けて、介護施設や障がい者施設への補助事業も合わせて補正予算が組まれました。

以下、審査の中で意見(抜粋)
・光熱費や食材費、燃料費の物価上昇が続き、介護や障がい者に関わる福祉施設の運営事業者の経営が圧迫されるている中、福祉サービスの安定的な提供を支える補助事業である。
・全ての福祉施設が速やかに補助を受けて、サービスの質が担保されるよう、丁寧に対応されたい。

令和5年度の渋谷区一般会計予算の総額は、今回1億116万4千円が補正予算として増額され、トータルで1,159億2,334万4千円となりました。

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議案第32号 令和5年度渋谷区一般会計補正予算(第4号)(総務委員会)
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2:職員の勤務に関する条例改正


総務委員会と文教委員会で、2議案が可決されました。元々渋谷区では、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」(通称:パートナーシップ条例)に則り、職員とパートナーシップ関係にある相手方を踏まえた対応を取っていました。条例の中身の変更ではなく、条例施行規則で対応していました。条例施行規則は区長の権限で修正できますが、条例は議会を通じての変更しかできません。
渋谷区などの先進的な動きを受けて、東京都が2022年11月に東京都パートナーシップ宣誓制度をスタートしました。そちらを受けて、東京都23区においても職員の勤務に関する条例改正の動きがあり、合わせて実施したものになります。

渋谷区内においては、パートナーシップを証明する際に「公正証書」を作る必要があります。費用(助成制度あり)と手間はかかりますが、これがあることによって、法律的に担保される関係を作ることができます。婚姻制度にかなり近い状態を作ります。

一方で、東京都のパートナーシップ宣誓制度に関しては、都民サービスなどを受ける際は考慮されたり、この動きを受けた民間のサービスなどがあった場合は対応されますが、婚姻制度のような法律上の効果は発揮しません。

今回の職員の条例改正においても、渋谷区では公正証書の作成を求めているのですが、区外に住む職員が90%近い渋谷区においては公正証書作成は負担が重すぎるであろうという議論がありました。ある程度、柔軟な運用ができるように対応するよう、両委員会で意見が述べられました。

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議案第28号 職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例等の一部を改正する条例(総務委員会)
(職員とパートナーシップの関係にある相手方を制度の対象に加えるため、条例の一部を改正しようとするもの)

議案第31号 幼稚園教員職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例及び幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例(文教委員会)

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3:給食費無償化に関する件


給食費無償化が23区内でも広まっており、渋谷区においても議論が進んでいます。本会議での質問でも複数会派からあり、区長の答弁でも「本来は国で行うべきものだが、他区の状況も鑑みながら検討している。来年・再来年を目途に考えている。」と具体的な発信がありました。また、議会の会派の代表が集う幹事長会でも自民党から、「国策として給食費無償化を迅速に実施する」ことを、特別区議会議長会を通じて国へ要望するよう提案が出され、全会派一致で賛成され、提出することが決まりました。

さらに、所属する文教委員会で給食費無償化を渋谷区に求める請願が出ましたが、こちらに関しては、国への要望を議会としても一致で出していることや区も検討という答弁もあったので、性急に区へ無償化の対応を求めるということではなく、国への要望の状況等も踏まえ、時間をかけて審議したいという意見が複数あり、継続審査と決定しました

令和5年第1回定例会においても、給食費無償化に関しては議論がなされていました。その際にも請願が出ておりましたが、その時にまとめた文章が下記ブログにありますので、よかったらご覧ください。

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請願:区立小中学校の給食費の無償化を求める請願
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請願でもう一つ、所属する交通・公有地問題特別委員会で「国有地(国家公務員宿舎千駄ヶ谷住宅跡地)の利活用促進を求める請願」が出され、代々木2-3丁目の廃墟となっている国有地に関して、国に対して早く解体するよう、区からも強く働きかけることを求める請願が出されました。
私も近隣に住んでいるので、まさに不法侵入や不審火など危険を感じる場所です。この地は、平成27年9月に閉鎖されて以降、地域の方々の願いである子育て世帯や高齢者が活用できる施設にという意向も受け、渋谷区議会でも働きかけ、区としても複合施設設置へ向けて取得に動いていましたが、令和2年2月に見積もり合わせが不調に終わり、令和2年9月に国から当該地を留保財産として、定期借地権による貸付けを行う方針が出ました。でも、現在に至っても既存建物の解体工事の着手や利用方針も検討がなされていない状況です。国には、まずは近隣が安心して過ごせるように解体に早く着手してほしいということで、議会も全員一致で請願を採択しています。

それ以外にも、インボイス制度の延期も含め慎重に検討する意見書を同会派の橋本議員が中心になってまとめ、こちらも幹事長会で全会派一致で提出することが決まりました。北朝鮮の弾道ミサイルが排他的経済水域(EEZ)内に落下したことを受け、講義する決議も出しています。

議会終了後、これからの期間は新しく入った議員の方々もいますので、渋谷区の各委員会が担当する区内の施設や区外にある施設の視察ラッシュが続きます。その合間に、勉強会や様々なプロジェクトなども進めていきたいと思います。


●その他●
ーいずれも可決されました。議案に対する意見等もまとめています。

議案第27号 渋谷区手数料条例の一部を改正する条例(総務委員会)
(建築基準法の改正に伴う許可及び認定に係る手数料の新設及び改定等を行うため、条例の一部を改正するもの)
ー建築基準法の改正により、建築物のエネルギー消費性能向上を促進するため、低炭素社会の実現に資する設備や機器の設置に関する容積率や高さ制限の緩和特例措置を設け、手続も迅速・簡略化され、手数料も妥当な金額に設定するものであり、賛成。
ー低炭素型都市の実現に向けた妥当な改正であり、特例制度の周知を丁寧に行なって、迅速かつ適切に執行されたい。

議案第29号 渋谷区特別区税条例の一部を改正する条例(区民環境)
(森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律の制定等に伴い、条例の一部を改正しようとするもの)
ー反対の立場から、森林環境税については、個人住民税の均等割と併せて徴収するものではなく、温室ガスを大量に排出する企業にこそ負担を求めるべき。
ー賛成の立場から、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律の制定及び、地方税法の一部の改正に伴い、既定の整備を行うための条例改正であり、妥当。改正内容が多岐にわたるので、区民への丁寧な周知を行うことを要望。

議案第30号 渋谷区地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例(区民環境)

議案第33号 上原防災職員住宅(仮称)建設工事請負契約(総務委員会)
(住協建設株式会社東京本店と契約金額3億778万円で、契約の日から令和6年12月25日までの工事請負契約を締結)
ー自然災害が頻発する昨今においては、夜間・休日の発災時に迅速な情報収集と初期対応を担う区内在住の職員を確保することは、喫緊の課題。
ー建設工事については、鉄道近接による騒音・振動対策を十分に考慮しつつ、予定通りの竣工を目指し、近隣住民に対しては、丁寧な説明に努めて理解を得ること。

議案第34号 二の平渋谷荘総合改修工事請負契約(総務委員会)
(東急建設株式会社 東日本建築支店と契約金額27億9,950万円で、契約の日から令和7年3月14日までの工事請負契約を締結)
ー区民に人気で稼働率が高く、予約困難な保養施設を全面的に改修し、客室数を5割近く増やし、サウナ・家族風呂・ワークラウンジなど設け、バリアフリー環境の改善も図る計画。
ー高齢者や障がい者も不自由なく楽しめるように配慮されたバリアフリー環境を実現できるように整備されたい。


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