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#24 「18.44m」(4/6)

 数日経って、私はまた作業の終わった現場に行く羽目になった。こう何度も同じことが続くとはおかしいではないか。会社に一言物申さなければ収まりがつかない。近くの電話ボックスを探す。しかし通り沿いには見当たらなかったので、札幌駅に向かって来た道を引き返した。駅の構内なら公衆電話くらいあるだろう。以前ならたくさんあった公衆電話も、携帯電話の普及で見つけるのに一苦労だ。貴子も安全のためにとしきりに携帯電話を勧めるが、すぐになくしてしまうに決まっているのでずっと拒んでいた。
 受話器越しの担当者は謝りもせず「今日は外ノ池さんに頼んでないですよ。勘違いされてるんじゃないですか」と取り付く島もなかった。冗談ではない。なぜ私が勘違いをしなければならないのだ。人を馬鹿にするのも大概にしてもらいたい。私はその場で職を辞する旨を伝え、叩きつけるように受話器を戻した。
 不愉快な思いを燻らせたまま、私は街中をぶらついた。いつもと違う角を曲がり、歩いたことのない橋を渡った。そんなことを何度か繰り返していると、自分がどこにいるのか解らなくなった。辺りを見回しても見慣れた景色はない。電話ボックスが見当たらないので貴子に連絡も出来ない。しかし不思議と不安な気持ちはなかった。むしろ新たな地に踏み込んでいく冒険心にも似た昂ぶりを感じていた。
 やがて全国展開しているスポーツ用品店の前に出た。巨大な駐車場には多くの車が整然と並んでいた。これから店に入る人、大きな荷物を抱えて戻る人。私はその流れをぼんやりと眺めていた。
「入ってみます?」
 いつの間にいたのか、私の隣で静江が言った。彼女は普段通りの涼やかな和服姿だった。
「入ってみたいんでしょ?」
「いや、たまたまここまで来ただけだ」
「それじゃ私が入りますから付き合ってください。ほら」
 背中を軽く押される格好で中に入った。私はこの類の場所に足を踏み入れるのは初めてだ。広い店内には所狭しと商品が陳列されていて、中にはどんな競技の道具なのか見当がつかないものまであった。
「ここには何競技分あるんでしょうね」
 静江がのんびりと言った。答えに窮した私は咳払いでごまかした。
いくつかをやり過ごした後、私たちは野球道具が置いてある一角に来た。棚には用途に合わせた多種多様な色や形のグローブが並んでいた。
「ほら、これなんかどうです?」
 静江はその中から一つを選んで手渡した。そっと左手にはめる。新品のグローブはまだ革が硬く、私の衰えた握力では扱いが難しかった。
「やっぱりボールもあったほうがいいですよね」
 次は新品の硬球を持って来た。そして両掌で包みながら、「まあ、野球の球ってこんなに固いんですね」と言った。
「こら静江、はしたないこと言うもんじゃない」
「あら、そうですか?」
 口元を抑えて笑ったその拍子に、静江はボールを落としてしまった。そのボールは何度か床を跳ねた後、棚の奥の手を伸ばしても届かないところまで転がっていった。近くにいた店員に頼んで拾ってもらう。
「すみません。ありがとうございます」
 そう言って静江が手を出すも、店員はそれを無視するように私にボールを渡してその場を離れた。
「あら、感じの悪い」
「お前がはしゃぐからだ」
「そんなことありませんよ。それ貸してください」
「今度は落とすんじゃないぞ」
「解ってますよ」
 ボールを弄ぶ静江の姿は、手毬遊びに興じる少女のように可憐だった。思わずグローブに顔を近づける。革の匂いが鼻腔をくすぐった。乾燥した牧草のようなその匂いを存分に吸い込んだ。
「ねえ、教えてくださいな」
「なんだ」
「これ、どう持って投げるんですか?」
 見ると静江はボールを五本の指で鷲掴みしていた。それではまるで砲丸投げだ。私は静江の手を取り、親指と人差し指と中指で包み込むような握り方を教えた。
「まあ、指三本で」
「投げるときは、指の引っかかりが良くなるように手首を利かせて……」

 そのとき、ある記憶が蘇った。
 それは長いこと忘れていた記憶。
 そんなものがあったことすら忘れていた記憶。

******

 球をほうるときはな、思い切り上体を倒して、腕が一番遠くまで伸びる瞬間に手首をこうやって利かせるんや。こうやで。するとボールにええ具合に回転がかかる。速さじゃなしに、手にどれだけしっくりくるかを気にせえ。日や場所によって湿気も違えば手の状態も違う。最後の最後まで指にちゃんと球が引っ掛かってるか意識することやな。どんなときでも同じ引っ掛かりでほうれる状態にしておく。それがプロってもんなんやで。

 新人の頃、居残り練習をしていた私に、ある先輩選手がそんなことを言ってきた。徳山公一。周りから徳さんと呼ばれていたベテラン投手だ。その日、中百舌鳥球場の粗末なブルペンには鮮やかな夕焼けが差し込み、混じるように汗の匂いがふんわりと漂っていた。徳さんにはそれまで特に世話になったこともなく、こちらから話しかけることもほとんどなかったので、どうしてそんなことを私に言うのか不思議だった。単に先輩の雑談のようなものだと解釈した。
「引っ掛かり?」
「そうや。ぱーっとな。球が見違えるで」
「徳さんはそれ、出来るんですか?」
「んなわけないやろ。そんなん出来たら、今頃は最多勝とMⅤPの常連やないか」
 そう言って豪快に笑う徳さんは、選手としてはベテランだが、実績的に決して優れているわけではなかった。そのほとんどが二軍暮らし。稀に一軍に昇格しても、投げるときはいつも敗戦処理の役回りで、しかも数試合ですぐに二軍に戻って来るということを繰り返していた。そんな徳さんを周りは影で蔑み、軽く扱っていた。しかし本人は持って生まれた性格なのか、いつも大げさなほど元気に振る舞っていた。
「ほら、とっとと投げてみいや」
 私は投球練習を再開した。先輩の手前、無視するわけにもいかないので、普段よりは少しだけ指先を意識して投げると、白球は地面をうねるような軌道を描いてキャッチャーミットに収まった。それは明らかに勢いが違っていた。捕球音がいつもより大きく響く。
「ほう。まぐれにしては上出来やないか」
 グローブをはめたままで徳さんが拍手をした。私は自分の球筋が俄に信じられなかった。呆然としていた。
「ほな先に帰るわ。まあ、そんなふうにいつも放れるようになったら完璧や。すぐには無理やろうけどな。まあ精進せえ」
 徳さんはそう言うと、一足先にブルペンを出た。私はあの感覚をもう一度確かめたくて、日が暮れるまで投げ続けた。しかしいくら投げても同じ軌道にはならなかった。徳さんにも教えてもらおうにも、それ以降、本人はとぼけて何も教えてはくれなかった。
 その日から私はあのボールを投げることばかり考えるようになった。一日の終わりにはその日の湿度と天気に加えて、指の引っ掛かり具合をノートに記録した。夜は記憶の中にある軌道を思い浮かべてから就寝した。周りはどうせ徳さんのいうことだからとにべもなかったが、何故か私にはそうは思えなかった。直感的にプロで生き残る秘訣がそこにあるかもしれないと思った。そしてその年の日本シリーズでジャイアンツが三連覇を達成した頃、思い描いていた軌道にほんの少しだけ近づけるようになった。右手の人差指と中指の先にある何個目かの大きな豆が潰れかけていた。

 同年の暮に徳さんは現役を引退した。誰からも注目されない、ひっそりとした引き際だった。私はそのことを聞いてすぐに球場に向かったが、徳さんのロッカーは荷物が既に引き払われており、代わりに新人選手の名前が貼られていた。徳さんの名残を感じるものは何一つなかった。
 改めて私は自分がいる世界の厳しさを感じた。きちんと挨拶できなかったことが悔やまれた。いつか徳さんを訪ねよう。そう思いつつも日々に忙殺されてそれも叶わず、ただ時間だけが過ぎた。
 
 それから二年が経ち、プロ入り三年目のその年に、私は前半で7勝とオールスター戦に出場の可能性も充分あり得る成績を挙げた。自分でもその気になっていたのだが、結局は選に漏れた。期待した分、落胆も大きかった。
 オールスター戦の開催時期に公式戦は行われない。未出場の選手はその間は休みということになる。ある者はそこでしっかり調整して後半戦に備えるし、またある者は完全休養に充てる。私はその時期の一日を利用して徳さんを訪ねた。引退後も大阪市内にいることを球団から聞いた。
 蝉がけたたましく鳴く蒸し暑い日だった。突然の訪問にも関わらず、徳さんは喜んで迎え入れてくれた。
「おお、よぉ来たなあ」
 相変わらず豪快に笑う徳さんの前歯の一部が欠けていた。
近くにいながら、あいさつもせずにいたことを詫びると、「ええねん、そんなの」と大げさに手を振って話を遮った。
「何かとあってなあ、嫁はんもらう暇もなかったわ」
 引退後の徳さんがどんな生活をしているかは、改めて聞くまでもなかった。饐えた匂いのする六畳一間の古びたアパートでの生活は苦しいに違いなく、聞けば今は日雇いの仕事で何とか食いつないでいるとのことだった。
「それでも老いぼれ一人が食うには困らんのや」
 徳さんは手土産に持参したブランデーを「こんなん、もったいないで」と開けようとせず、薄汚れた二つの湯呑に安酒を注ぎ、一つを私に渡した。
「ほれ、気分的には高級酒や」
 一瞬の躊躇の後、舐めるように一口飲んだ。喉の奥が焼けるような味がした。それにしても暑い。この辺は古い建物が密集しているせいで、空気の流れが芳しくないのだろう。
 引退してからも、徳さんはホークスの動向にはずっと注目しているようで、試合結果はもちろん、あの采配はあり得ないだの、あいつのあのプレーは良かっただの、細かい内容までよく知っており、その記憶力に舌を巻いた。そして出し抜けに「なんやお前、オールスターに落選しよって」と口撃の矛先をこちらに向けた。私は苦笑いで応じた。
「まあ、まだ若いんやし、これからなんぼでもチャンスはあるやろ」
 それから徳さんは湯呑の中身を飲み干すと、「なんだかんだ言うて、チャンスのある奴が羨ましいで」とつぶやくように言った。
 私たちは湿気た落花生と安酒で過ごした。話題は野球から始まって、現在の仕事、政治や景気、女、競馬などあちこちに飛んだ。特に会話が弾むというわけではなく、私は相槌を打つ程度で、どちらかといえば徳さんが一方的に喋っていた。
 かれこれ三時間ほど経った頃だろうか。したたかに酔った徳さんが「おい」と今までになく大きな声を出した。上体が前のめり気味になり、ろれつもどこか怪しくなっている。
「いいかお前、投げ続けろよ」
「……」
「誰からもいらんって言われても投げ続けろ。お前ようなったで。真っ直ぐがホンマようなった。プロは競争や。ほんで足の引っ張り合いや。俺はそれに負けた。そしたらこのざまや。後は老いぼれて死ぬだけや」
「徳さん」
「でもな、でもお前はそうなったらあかん。右手ぐるんぐるんさせて、投げて投げて、これでもかってくらい投げんかい。お前にはそれしかないんや。ゆっくりでもええから止まったらあかん。右足出して、その次に左足出して、また右足出して。そしたら結構遠くまで行ける。絶対に止まるんやない。歩き続けろ。ええな」
「……はい」
「お前も今年はもっと勝てるやろ。来年こそオールスターやな。未来の南海ホークス、あんじょう頼むで」
 それから妙な角度に身体を曲げたまま徳さんは寝てしまった。途端に部屋の中が静かになった。いつの間にか、あのけたたましい蝉の鳴き声も消えていた。外はすっかり夜の帳が降りていたが、暑さが引く様子はなかった。私は落花生を一つつまみ、皮を剥いて食べた。先ほどよりも何故か塩辛かった。手持ち無沙汰に見回すと、部屋の隅に真新しいダンベルが二つ置かれ、その横にイヤホンをつないだままの古い型のラジオが転がっていた。何の気なしに手に取り、イヤホンを耳に当て、電源を入れた。途端に大歓声が溢れ出す。

『さあ試合は6回の裏、パ・リーグの攻撃が続いております。現在は5対5の同点。ツーアウトランナー一塁でバッターは近鉄の土井。ピッチャー阪神の村山はここを凌ぐことができるでしょうか。
 打った!これは大きい。これは大きいぞ。レフトバック、レフトバック。入りました!ツーランホームランです。村山から貴重な一発を放ちました近鉄の土井。悠々とダイヤモンドを回っております。ああっと村山が悔しそうな表情だ。お聞きくださいこの割れんばかりの大歓声。7対5。これでパ・リーグ2点のリードとなりました』

 徳さんの言葉が心に染みた。
 ホークスを頼むなど、私ごときがそんな器でないことくらい承知している。しかしそれでも徳さんが敢えてあのように言ったのは、ひとえに南海ホークスという球団を、そして野球を愛しているからだろう。
 徳さんの想いを受け止めようと思った。あのときのうねるような真っ直ぐを武器に、もっとプロの世界で活躍したい。どこまで出来るかは解らないが、まだ見たことのない高みに挑みたい。徳さんの無念を少しでも晴らしてあげられるように。
「よっしゃ行くで。今日の俺の調子なら完封や。間違いない」
 小汚いアパートの一室で、酔いつぶれた徳さんの寝言を聞いて思わず涙がこぼれた。プロの選手として大成することはなかった徳さんだったが、それでもいつかオールスターに出場することを夢見ていたのだ。人知れず引退した後も、この部屋でひっそりとラジオを聴き、ダンベルでトレーニングをして。報われないと解っているのに。でもどうしても諦められなくて。もう一度マウンドに立ちたくて。
 気がつくと私は嗚咽していた。止めどない涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになった。そんな自分をとことん格好悪いと思った。しかしこの格好悪さをずっと忘れずにいようと思った。

*****

「どうかしたんですか?」
 静江の声で我に返った。思いがけず徳さんの記憶が蘇り、私は動揺していたようだ。大げさに咳払いを二度した後で、「いや、大丈夫だ。何もない」と言った。
「そうですか。ねえ、だったらこれ。これでどうですか?」
 静江は三本の指で白球を握っていた。白く細い指から伝わる力加減といい、包み込むように持つ懐の深さといい、その姿は申し分なく美しかった。それを告げると静江は嬉しそうに微笑んだ。
 私たちはグローブとボール、それとスポーツタオルを買った。
 外は夕方から夜へ移行し始めていた。店の前の通りは街灯が照らしてはいるがどことなく薄暗く、私たちはどちらからともなく手をつないで歩いた。何人かとすれ違う。最初は年甲斐もなくと気恥かしさもあったが、不思議とすぐに慣れた。
 空の色が橙から群青、漆黒へと変化し、それに伴って空気が少しずつ引き締まっていく中、私たちはただ歩いた。
「……なあ」私の声はどこか上ずっていたかもしれない。
 静江が「はい」と穏やかに答えた。どんなときでも静江はそうやって穏やかに返事をする。昔からそうだった。
「どうかしました?」
「……」
「いいんですよ、言いたいことを言ってくれて」
「あのとき、俺は先輩選手に止めろと言えなかった。悪いことだと解っていたのに、普段から世話になった先輩だというそんな理由で、俺は何も言わなかった」
 胸が張り裂けそうだった。長いことせき止めていたものが決壊し、その濁流の中で私は言葉を紡いだ。
「その後の試合では、予定通りにその先輩は大事な場面で打たれて、試合に負けた。試合後、先輩はみんなの前で申し訳なさそうにしていたが、裏で笑っていることも俺は知っていた。でも黙っていた。野球選手として一番やってはいけないことをしてしまった。……俺も同罪だ。八百長に加担した張本人だ」
 だから……、だから溝内は何も悪くない。あの人はただ新聞記者という自分の仕事を全うしただけだ。悪を悪と述べただけだ。悪いのは私だ。その場に居ただけだの、巻き込まれただけだの、あの報道がなければだのと自分は悪くないと思い込もうとしていただけだ。私に溝内を責める資格などこれっぽっちもない。
 最初から解っていたのだ。何もかも解っていたのだ。
 不格好な楕円形の月が、やや黄色味を帯びた柔らかな光を放ちながら夜空に浮かんでいた。しばらく私たちは何も言わずに歩いた。静江はじっと前を向いていた。
「結婚して初めてかもしれませんね。こうしてのんびり歩くのは」
「そうだったか」
「はい。あの頃はそんな余裕なんてありませんでしたもの」
「そうだったな」
「でも、結婚前にピクニックに行きました。早起きしてお弁当作って、
リュックサックを背負って。何て山でしたかね。有名な登山コースだったと思うんですけど」
「どこだっけな」
「その日はすごくいい天気で。最初はすいすい進めたんですけど、頂上近くになるとかなり急になって。あなたは私の手を引いて前を歩いてくれました。おかげで頂上に着くことが出来ました。そこで食べたお弁当、美味しかった。本当に覚えてませんか?」
 記憶の糸をたどるも何も思い出せなかった。私たち夫婦の間に、そんな思い出があるとは意外だった。
「それじゃ、途中で私がへこたれそうになって、そのときあなたが言ってくれたことは?」
「……いかんなあ」
「まあ、本当に忘れちゃったんですね」
 静江が呆れたようにため息をつく。
「一気に行こうとするな。まずは右足。次は左足。ゆっくりでいいから止まらずに歩いてごらんって。止まらなければ前に進むからって」

 徳さんが亡くなったのは訪ねた翌年のことだ。
 私は球団からの連絡で概要を知った。
 アパートの管理人が死後半年ほど経過した徳さんの遺体を発見した。所持金はなく、室内には食物も残されていなかったらしい。警察は事件性なしとの判断を下し、遺体は遠縁の方に引き取られたとのことだった。
誰にも看取られずに徳さんは逝った。元プロ野球選手の孤独死。この事実は報道されることなく、世間一般の目に留まらなかった。
更にその翌年、プロ野球界を追放された私は投げることを止めた。歩くのを止めた。受け止めたはずの徳さんの想いを棄てた。
 私は徳さんを裏切ったのだ。
 以来ずっと投げずにいる。私は、ずっと止まったままでいる。

「そんなこと言ってたか」
「はい。はっきりと言いました」
「右足の次は左足」
「止まらなければ前に進むからって」
「そうか、言ったか」
 私と静江の間に、小さな沈黙が流れる。
「……静江」
「はい」
「もう一度だけ、投げてみようと思う」
「……」
「投げても、いいか?」
「もちろんです。そうしなさいな」
「そうか。……そうか」
 ようやく素直な気持ちを静江の前で言葉にすることが出来た。それだけで晴れやかな気分だった。私たちは手を繋いで歩き続けた。どこへ向かうでもなく、そのまままっすぐ歩きながらたくさん話した。(続く)

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