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津軽地方の伝統技法 ~こぎん刺しの魅力とは~
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■こぎん刺しの起源
綿は寒い津軽地方で栽培できず、津軽地方の農民は麻で自家製の衣服を作って着ていた。江戸時代には絹も綿も着ることを規制されていた。
農村の女性たちは、自家用の麻織物(あさおりもの)で藍を染め、保温と補強を高めるために織り目を麻や綿糸(きんし)で塞ぐ針仕事をした。ここに現れた幾何学模様が、こぎん刺しと呼ばれている。
■見ても刺しても心地よい、モドコから広がるこぎん刺し
もとになる模様のことを、津軽弁で「モドコ」という。無地よりも模様のある衣服を着たい、という願望から、こぎんが生まれるきっかけとなった。作り手同士でデザインを競いながら、刺し手の技術やモドコが向上していったことで、地方によってそれぞれの刺し方が異なる。(西こぎん・東こぎん・三縞こぎん)
明治に入り、木綿糸(もめんいと)が自由に手に入るようになると、女性たちはこぎん刺しを楽しむようになり、美しい幾何学模様が次々と生み出された。豆や蝶、猫の目や牛など、自然や生活にちなんだ名前が付けられ親しまれている。
■過去から現在、そして未来へ
昭和に入り、民芸運動の主唱者である柳宗悦(やなぎむねよし)がこぎんを「日本で見られる地方的工芸のまたとない例」と賛美したこともあり、全国的に広まった。
現在は刺し技法の再興が図られ、青森を代表する伝統技法として、全国的に知られるようになり、現代の生活にもなじむモダンなインテリアのデザインとしても普及している。今後も津軽の伝統文化が、正しく次世代へと受け継がれていくことを願っている。
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