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「真面目」の弊害

どうも皆様、こんにちは。machiです。
本日はエッセイというか、私が常々思っていることを書き連ねようと思っております。
なお、私は現役高校生のクソガキですので、大人な皆様からしたら「何いってんだこいつ…」となるかもしれません。あしからず。


1. 「真面目」とは

ググったところ、「真面目」とは、「本気であること、誠実なこと」を指すらしいです。
が、ここでいう「真面目」はこれとは少し異なるものになります。

一つエピソードを話させて下さい。

私は高校で、放送部に所属しております。
皆様は「放送部」と聞くと、どんなものを想像しますか?
恐らく大半の方は、お昼に「本日の給食は〜」みたいなことを言っている、大した活動をしていない部活を想像するでしょう。
(まぁうちの高校、給食ないですが)
ですが、我が校の放送部は少し皆様の想像とは違います。

うちの放送部は、日々の昼放送はもちろんのこと、各地で取材を行いYouTubeで投稿したり、Nコン…NHK杯全校高校放送コンテストへの出場や、その他多くのコンテスト・甲子園への出場、学校・地域行事の運営に至るまで、かなり幅広く、本格的な活動をしております。

そんなうちの放送部ですが、実は結構苦しいです。
いえ、色んなことやりすぎて経済的に苦しいとかではなく。活動が、苦しい。
取材・撮影・収録・編集・投稿
この全てを部員が行う必要があります。
日々つらい仕事を乗り越えている大人の皆様は、何を部活程度で…甘いわ!!
と思われるかもしれません。
はい、その通りです。
ですが、言い訳をさせていただくなら、私達は高校生です。めちゃ素人です。
勉学も共に進めるとなると、精神・身体的に活動限界があります。
ほんとにつらいんですよ。結構。

それでですね。そんなハードな部活に、実に仕事のできる男の子がいます。
彼の名前を「田中くん」とします。
適当です。
彼は凄いんですよ。本当に。
うちの高校は一応、進学校といわれる部類の高校で、偏差値は決して低くありません。
ですが、彼の定期考査の学年順位は必ず一桁です。
それだけでも凄い。
でも、さらに彼は仕事もできるんです。

うちの放送部は仕事を分割して進めるため、「アナウンス部門」と「編集部門」に分かれております。
彼はそのうち編集部門に所属しているんですが、彼の技術は素晴らしい。
まず、編集技術については非の打ち所がなく、ほとんどやり直しもなく完璧な編集をし、完パケ…すぐにでも投稿できる完全完成版を作り出します。
撮影も凄い。カメラワークも画角も素晴らしく、
「何を映したいのか?」がすぐに分かる。
収録については彼の右に出るものはいません。
しかもこれら全てを誰よりも早く成し遂げます。
もう説明も要りませんね。
彼はとんでもなく仕事のできる男なんです。

…そして「真面目」です。

さて、皆様も分かってきたでしょう。
そう、彼…田中くんこそが、私の中の「真面目」なんです。
ただ単に誠実であるだけでなく、秀才。
最高に仕事のできる奴。
それがここでいう「真面目」です。
さぁ、これをもとに、ようやく本題。
「真面目の弊害」について話していきましょう。

2. 秀才が故に傷を負う

さて、私の所属する放送部で一番仕事のできる「田中くん」。
彼は今現在。すなわち6月20日。
非常に傷ついております。
殴り合いが発生したわけではありません。
精神的に参っているのです。
何故か?簡単です。
「Nコンが近いから」

編集部門である彼は、NコンにてTドキュ。すなわちテレビドキュメントの作成を担当しています。
そして、少しでも映像関係に携わったことのある方なら分かると思いますが、
あれ、苦しい。

ちなみに私はTドラ、テレビドラマを担当しております。が、クオリティが低いため、そこまで苦しくないです。
一方田中くんはというと…
彼は「真面目」です。
クオリティの高いものを作りたいと思ってしまう。
そして、それができてしまう。

…これ、分かる人と分からない人がいるとは思いますが、非常に辛いんです。

ドキュメントという性質上、取材が非常に多い。
あちこち飛び回り、情報をかき集める。
田中くん、言ってました。
「取材行ったらさ、何で怒ったのか分かんないんだけど、すげぇ怒鳴られたわ」
って。
可哀想にも程がある。
彼は責任感が異様に強い。強すぎる。
どれだけ辛いと思っても、最近入ってきた後輩の負担を考えると丸投げできないんです。
彼はそういうたちなんです。

そして、取材が終わっても顧問に怒られます。
彼は部活内で「編集部門総合プロデューサー」という肩書を持ちます。
彼の有能さ故に手に入れることのできたものですが、その責任は重いです。
編集部門の部員が問題を起こした際に真っ先に詰められるのは彼です。
秀才が故に仕事を任され、そして傷つく。

彼は別に、特別精神が強い訳ではありません。
むしろ弱いくらいです。
不幸中の幸いとも言えるのは、彼はが「辛い」と口に出して言えることです。
まぁそんなこと言わなくても、わかりますが。

3. なぜ有能な人間ほど早く朽ちるのか?

皆様の周りにもいるんじゃないですかね、田中くんみたいな人。
どうして彼らみたいな人ほど傷つくのでしょう?
私の意見としては、そのグループの長が悪いのもそうですが、周りの人間も悪いと思うんです。
要は私です。

彼らが傷つくのは、優秀だからです。
彼らが優秀なのは、他より秀でているからです。
他より秀でているのは、他が劣っているからです。
他が劣っているのは、他が怠惰だからです。

他…つまり私、ひいては私達。
私達は、彼らのことを心配しながら、どこかで、
「彼が、彼女がいるから大丈夫だろう」
そう思っています。
断定です。
少なくとも私はそう思っています。
つまり、タイトルにある「真面目の弊害」とは、

そう、私達です。

優秀な方、すみません。勝手に仲間に入れて。
でも、そうだと思うんです。
優秀な人間に「大丈夫?大丈夫?」と声をかけながら、誰一人として、彼らの側に立とうとしない。

私はこれこそが、「愚衆の弱さ」だと思います。
愚衆は、そのまま愚衆であろうとするんです。
だって、そっちのほうが楽ですから。
どうしても埋められない差というものはあります。
「頑張れば何でもできる!!」なんて嘘です。
みんな知ってます。
でも、努力で埋められる差もあります。
そこを埋めようとしない。
側には立てないとしても、背中を押そうとすらしない。
愚衆は弱い。私は弱い。
常々そう思います。

4. 天才と秀才

「天才」
そう言うと、必ずと言って良いほど、
「いやいや、天才だって努力してんだよ」
という説教おじさんが現れます。
いや、その通りなんです。
間違ってるとは言いません。
でも、実際に「天才」はいます。
今から私の言う「天才」は皆様の思うそれとは異なるかもしれません。
ですが、少しだけ聞いていただけないでしょうか。

まず、本質的に「天才」と「秀才」は変わりません。
彼らはどちらも仕事ができます。
彼らはどちらも優秀で有能です。

ですが、「天才」は、必要以上の努力をしません。
なぜなら、必要以上の努力は、自分を傷つける原因になるからです。

一方、「秀才」は、非常に「真面目」です。
必要以上と分かっても努力をしてしまいます。
軽く流せば良いものをやり込んでしまう。
あ、でも勘違いしてほしくないのは、「秀才」の方々は決して「無駄な努力」はしません。
何故ならそれは無駄だからです。
簡単ですね。

彼ら「秀才」。すなわち田中くんみたいな方達は、多くの場合、人のために必要以上の努力をします。
何故なら彼らは「真面目」だから。
田中くんが言ってました。

「俺は別に自分のことを凄く仕事できるやつだとは思わない。ナルシストじゃないし。でも、他の人よりはできると思う。だから、他の人に仕事を渡したくない。これ、わがままなんだけど、俺が失望したくないんだよ。その人に。失望するのは怖いし、自分も嫌になる。だから、仕事はだいたい俺が引き受けようと思ってる」

もう分かってきたと思います。
彼のいう「他の人」は「愚衆」なんです。

これは「信頼」と「責任」が彼の中で交錯した結果生まれた答えだと思います。

…私には「天才」の友達もいました。

彼もやはり、できる男でした。
バスケ部に所属していましたが、そこでもそこそこの成績を残し、勉学では常にトップ層に位置していました。
でも彼は、わざとあまり頑張りませんでした。
授業中は寝てましたし、部活でも基本友達と駄弁っていました。
そのせいで…いえ、その「おかげ」で、彼は見事に教師陣からの信頼を無くしていました。
しかし、やはり上手い。
適度に頑張っている姿を見せ、教師からの信頼と好感をそこそこのところでキープし、積極的に教師との会話をすることで、なにかやらかしてもそんなに怒られない立場を形成しました。
これが「天才」です。

よく「頭の良い人はサイコパスだ」なんて言われますね。
これ、あながち間違いでもないかもしれません。
基本的に利己的で、相手の心理を巧みに掌握し、のらりくらりと生きる才能を持ち、誰にも恨まれることなく「いい奴」を演じきる。

そういう点で、「天才」と「秀才」は違うと思います。

5. 愚衆にできること

愚衆、ひいては私、私達。

田中くん、彼は「秀才」でした。
そんな彼を助けるために、私ができること。

もう逃亡オンリーです。

えぇ、もう速攻で退部届バァァン!です。

そんな訳で、Nコンが終わったら私達放送部2年生、総員9名は、全員部活を辞めます。

しかし、社会に出ればそうはいかないでしょう。
これは高校生だからできる強行突破です。
世の中にはたくさんの「秀才」がいます。
彼らの「真面目さの弊害」である私達にできること。
もっと探せるはずです。

それではまたお会いしましょう。さよなら〜

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