[ハクソーリッジ] "Hacksaw Ridge"(2017)

試写で観た。
第二次世界大戦の沖縄、ハクソーリッジ=ノコギリ崖と呼ばれた前田高地での白兵戦が舞台。アンドリュー・ガーフィールド演じる主人公デズモンドは敬虔なクリスチャンで「汝殺すなかれ」を忠実に守り、"一切の武器を持たずに"衛生兵として戦地へ赴く。ただひたすらに、一人でも多くの命を救うためにーー
これが事実に基づいた映画だというのだから、すごい。

メル・ギブソン監督作品ということで「ブレイブ・ハート」と比較したくなるけれど、戦闘シーンはよりリアルな気がします。戦争を二度と繰り返さないためにありのままを伝えようという意図だろうけど、かなり精神に来ますね。
いろんなものが飛び散るし、虫もネズミも出てくるし、真っ向から人の死に様を描いているので駄目な人は駄目だと思う。後半はひたすらに戦地のシーンなので、もうやめて!!!ってなる人もいるかもしれない。
とにかく残酷な現実。CGよりスタントでの作り込みにこだわったからだとか。
沖縄戦なので日本兵との戦いなのだけど、日本悪!という感じには描いていなかった印象。戦争は、どちらが悪いものではなく、互いに殺し合うものなのだ。

そしてアンドリューがとにかくキュートなのである…。妻とのなれそめも可愛すぎる(事実とはちょっと違うらしいが)。後半とのギャップがすごい。
もそもそしゃべる彼の印象が、この役ではとても合ってる。モヤシとかヒョロ吉とか(みたいなこと)言われるけど、脱いだら胸筋めちゃあるやん。どうなっとんのや。

だいぶ茶化して書きましたが、そうでもしなきゃ重くて。とにかくデズモンド・ドスというすごいひとが存在していたんだという話。多少の脚色はしているそうですが、救った人数は本当の数字だそうですよ。

人が殺し合う戦場で、僕は人を助ける。その意思のみで、丸腰で爆撃の中を、銃弾の嵐の中を駆け巡るその姿は、畏敬の念に近いものを抱く。
Load, help me get one more...one more...
彼の声が心に残る。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?