[LION ライオン〜25年目のただいま〜] "LION"(2017)

国境を越えた家族愛は、もう人類愛なのだ。家族を持つこと、ひとを愛することについて考える。
迷子になったのは、自分や家族のことも住んでいる町のことも説明できないほど小さな5歳の男の子、だけど大きくなったその青年が自分のルーツを探す中で、今度は人生の迷子になって……。
ラストでタイトルの意味を知り、またやさしい気持ちに包まれる。

私は何より、インド人孤児を家族に迎えた夫婦の、特に母の愛に感銘を受けた。
海外セレブリティにも多い国際養子縁組、日本では一般的ではないから、どんな心境なのだろうと思っていた。単純に、素朴な疑問を持っていた。セレブに関しては、ボランティア精神というか、社会貢献的な意味合いが多いのだと思うけれど。
この実在するオーストラリア人夫婦の考え方はとっても素敵で、その信条は、想像しえないものでした。
子どもの過去も全て受け入れて、全力の愛を注ぐ。親になるために必要なのは、DNAじゃなく子どもへの愛なんだなぁ。
残念ながら実の子でも愛せない人はいるし、血が繋がってなくたって愛に溢れた家族もいる。多分、この映画は母が見たらより胸に来るものがあると思う。

ストーリーは全部わかってるのに、観て良かったっていう作品だった。細かい疑問点はいくつかあったけど、母の愛にやられた。あんな考え方ができる人がいるんだと、そうなりたいと思った。

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