祝「まちゃれん」1周年!
感謝しかない!
最初の「まちゃれん」を開催したのは昨年の11月9日。今日でちょうど1年経ちました。
1年間で20回も開催できたのは、継続的に参加してくれた雑談力の高い将棋仲間、対局相手になってくれたり感想戦でアドバイスをしてくれたお客様、そして、騒がしい私たちを温かい目で見守ってくれたCOBINさんのおかげです。本当にありがとうございました!
「まちゃれん」を始めた理由
私が「まちゃれん」を始めたのは、「今回の将棋ブーム『は』、ブームで終わってほしくない!」と思ったからでした。
『は』とは何か? 私にとって今回の将棋ブームは2度目です。1度目は「羽生七冠誕生」の約25年前。このブームが来る前から私は将棋を指していましたが、その頃は「趣味は将棋」と言いにくい日々を過ごしていました。
なぜ、「趣味は将棋」と言いにくかったか? 当時の私はこういう経験をよくしていたからです。
相手:「趣味は何ですか?」
私 :「将棋です。」
相手:「あ~…(3秒沈黙)、頭良いんですね…」
私 :「そんなことないですよ…」
次の話題へ
将棋に関心を持っている人が少なかったため、会話が続かなかったのです…
ところが、羽生さんが七冠王になってマスコミに取り上げられるようになると、こんな感じになりました。
相手:「趣味は何ですか?」
私 :「将棋です。」
相手:「将棋ですか! 羽生さんすごいですね!」
私 :「そうなんですよ! 羽生さんがすごいのは…」
将棋の話題が続く
当時の私は、「これで『趣味は将棋』と言える!」と喜んでいましたが、将棋ブームは去ってしまい、羽生七冠達成前に戻ってしまいました…
そして今、再び将棋ブームが来ました! 今はこんな感じです。
相手:「趣味は何ですか?」
私 :「将棋です。」
相手:「将棋ですか! 藤井君すごいですね!」
私 :「そうなんですよ。 藤井君は~。で、羽生さんは~。」
相手:「羽生さん? 誰ですか?」
私 :「なっ…?!」
前回のブームが去ったことを経験した私は、「今回の将棋ブーム『は』、ブームで終わって欲しくない!」と思うようになりました。そのためには何が必要か? 私は、「今回のブームで将棋に興味を持ってくれた大人のみなさんに将棋を楽しんでもらえる場所が必要だ!」と思いました。
大人の級位者さんに将棋を楽しんでもらうためには
大人の級位者さんに将棋を楽しんでもらうためには何が必要か? 私は前回の将棋ブームの頃を思い出してみました。
羽生七冠誕生の頃、将棋に興味を持った大人のみなさんの中には、以下のような経験をした人も多かったと思います。
本を読んで将棋のルールを覚える
→ 近くの将棋道場に行く
→ 道場の棋力の高い常連さんと駒落ちで対局する
→ ボコボコに負かされる
→ 対局後に教えてもらっても理解できず、道場を後にする
このような経験した人が将棋を続けようと思うでしょうか? 大人になると、なかなか趣味に時間を割くことができませんよね。その貴重な時間を将棋にあてたにもかかわらず、上のような経験を一度でもしたら、将棋を趣味にしようとは思わないですよね。
将棋に興味を持ってくれた大人のみなさんに、将棋を趣味にしてもらうために必要なものは何か? 私は、「大人の趣味に大事なものは『会話』だ!」と思いました。
「まちゃれん」で最も大事にしたことは「会話」
私が「まちゃれん」で最も大事にしたのは「会話」でした。前回のブームの頃は、道場で初対面の人と、対局前にほとんど話すこともなく将棋を指し、終局後も会話がない、ということが珍しくなかったと思います。一緒に対局した人と、ほとんど会話をしないで解散する。このようなままでは、将棋は大人の趣味として広がらないのではないかと思いました。
そこで私は、「『まちゃれん』では、参加者のみなさんに会話を楽しんでもらおう!」と思ったのです。将棋で「会話」とは何か? 私は、「感想戦で会話を楽しめるようにすればよいのではないか!」と思いました。
「まちゃれん」のルール
大人の級位者さんに感想戦で会話を楽しんでもらうために、「まちゃれん」のルールを以下のようにしました。
・自分の指した将棋を並べなおせない人
・雑談力に自信がある人
・手合いは平手/持ち時間あり
・棋譜の記録担当を設ける
「自分の指した将棋を並べなおせない人」とは
参加者の棋力をどうするか? 初めは「〇級程度の人」としようと思ったのですが、「自称〇級」ほど当てにならないものはありません! 「級位者さんだけに参加して欲しい!」と思い、この条件にしました。
「雑談力に自信がある人」とは
会話を楽しむためには、雑談力が必要不可欠です(棋力よりも大事です 笑)。感想戦で指した将棋を振り返るのはもちろん、それ以外の話題でも楽しんでほしいと思っています。「将棋を始めたきっかけは?」とか、「推し棋士は?」とか訊いて、意外な答えが返ってくると会話がはずみますよ!
「手合いは平手/持ち時間あり」とは
「将棋を趣味にしてはいけないのではないか?」という話を聞いたことがあります。大人にとっての趣味は、日ごろのストレスを和らげるもの。しかし、将棋は負けるとストレスが溜まりますよね。将棋には運の要素がないため、負けたのはすべて自分の責任(自分が弱いから)になってしまうからだと思います。この悔しさを和らげるために、このルールにしました。「この人には平手では勝てないよ」とか、「時間がなくてわからなかった」とか言えれば、悔しさを和らげられると思ったからです(言い訳は大事です!)。
「棋譜の記録担当を設ける」とは
「自分の指した将棋を並べなおせない人」が「感想戦を楽しむ」ためには、棋譜を残すことが必要です。そこで、棋譜取りを参加メンバーにお願いすることにしました。「将棋を指しに来たメンバーに棋譜取りをお願いしてよいのだろうか?」と思ったのですが、「棋譜取ります!」とみなさんに言ってもらってホッとしました。しかも、感想戦を対局者と棋譜取り係3人でした方が盛り上がっているようで、棋譜取り係の人も楽しそうでした。
「雑談メインの指す将の輪」を広げたい!
「今回の将棋ブーム『は』、ブームで終わってほしくない!」と思って「まちゃれん」を始めました。そのためには、「今回のブームで将棋に興味を持ってくれた大人のみなさんに将棋を楽しんでもらえる場所が必要だ!」と思い、棋力よりも雑談を重視する「まちゃれん」を始めました。勝負や棋力アップにこだわり過ぎなければ、将棋は今以上に多くの大人が楽しめる趣味になると思っています。「まちゃれん」を始めてから1年、「雑談メインの指す将の輪」は10人ちょっとになりました。この輪が大きくなってほしいなぁ。 おわり。
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