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【批評】10月の亀島一徳「若き写真家亀島一徳、鉄男から光を学ぶ」

10月26日、筆者の初めての著書「内緒にしといて」が発売された。この本が沢山の方の力で完成した本であることは言うまでもないが、この「沢山の方」の中にはもちろん、亀島一徳も含まれている。収録されているコラムに登場しているのはもちろん、現在の私の考え方に大きなヒントを与えてくれたという意味でも多大な貢献をしてくれた。しかし、亀島はもっと物理的な貢献もしている。写真である。亀島一徳という男は、俳優として活動しているが、写真家としての才能があること、皆さんお気づきだろうか?この男にはまだまだ世間に秘めた力があるのだ。今回は、写真家としての亀島一徳を、皆さんに紹介しようと思う。

「内緒にしといて」は表紙を始め中ページにも撮り下ろしの写真が掲載されている。そのほとんどは、プロのカメラマン・スタイリスト・ヘアメイクの皆さんにお願いした作品であるのだが、そうでない写真ページも紛れ込んでいるのだ。筆者には「本の中に生っぽい写真の要素も入れたい」という希望があった。それを実現するためには、かなり親しい間柄の人間に写真を撮ってもらう必要がある。が、筆者にはカメラマンの知り合いがほとんどいないのだ。となると…いっそ、プロのカメラマンであるかどうかは考えずに、最も親しい間柄の人間に撮ってもらうのが良いだろうという結論に達した。つまり、亀島一徳である。

皆さんがご存知かはわからないが、亀島は既にカメラマン経験がある。筆者がyomyomという電子書籍にて連載している「友達なんて100人もいらない」というエッセイの表紙を、毎号撮り下ろしてくれているのだ。これが、良いのである。だからきっと、今回も素晴らしい写真を撮ってくれるだろうと思い、早速依頼をした。亀島の返答は「いいの?!」なんて謙虚な男なのだろう。いいに決まっていると答えると「嬉しい…短ちゃんの写真撮りたいおじさんだから…」とはにかんでいて、この時の亀島は女子高生のようだった。

写真のイメージは、とにかく「飾り毛のないこと」そして「白黒で撮ること」それを告げると亀島は早速トレーニングを始めた。普段撮る写真はカラーのため、白黒の世界の勉強の必要があると考えたらしく「鉄男」を見始めたのである。

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飾り毛がない…生っぽい…生活感のある写真…イメージはきちんと伝えたはずだったが、亀島は鉄男を見ている。

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筆者は、普段こんなに怖いのだろうか。だとしたらショックである。怖すぎる。「どうだった?」と亀島に聞くと「すごい参考になった。やっぱ白黒とカラーは全然違うなぁ」と顎をさすっていて、一体どんな恐ろしい写真を撮る気なんだろうと冷や汗をかいた。

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