新井見枝香さんの舞踏の信じられない滑らかさ

(この記事は書きかけです。感じたままの正直な感想ですが、素人ゆえの大袈裟な記述かもしれません。)

新井さんというダンサーの動きに驚愕した。(なぜか彼女は、ライターでもあり、書店員でもある。どうなっているのだ?)
私は彼女のことをツイッターで知り、その著書が面白いし、私の好きな小倉の街の食べ物屋をとても愛好してくれたので、親しみを感じて、彼女の本にサインをもらうだけのつもりでA級小倉劇場を訪れたのだった。
彼女の書いたことから得た情報による、会うまでの推測
無類の食いしん坊→太ってるはず
やや年いってる→くたびれた女性だろう
書店員、ライターを兼務している→踊り子はついでの腰掛けだろう、大した踊りではなかろう
まあしかし、小倉の街をこんなに好きでいてくれる人が、私の大切な大切なA級小倉劇場で踊っていると言う。金はないけど自分もきつい作業が終わったばかり。少しは自分に褒美を上げたい。会いたい人には一期一会だ。何しろ旦過市場を四往復もして、大學堂まで行ってくれるという。ありがたいことではないか。お礼は言わねば。冷やかし半分にA級小倉に詣でてみた。
しかし結論から言うと、私のこの愚かな予想は完全にことごとく木っ端微塵にぶち壊された。完全に真逆だった。私は大バカチンタンだった。

全て書いていると切りがないが、新井美枝香さんの見事な動きに特化して以下記したい。
それは、あまりにも滑らか。信じられないほどに、機械が電動で自然に動いているように、潤沢に油をさしたようにスムーズ。一点の引っ掛かりもなく、見事なまでに円滑にシズシズと動く様は、まるでクレーンなどの重機がゆったりと重量物を持ち上げる様。決してそれは派手なものではない。なんとなく見ていれば、あまりに円滑な動きに、ごく自然に当然のことが起こっているかのように見える。しかし実際に自分で動いてみてほしい。膝立ちブリッジで頭を地面につけて、また上がってくる、ただそれだけの動きの中で、一瞬でも引っかからずに、ヨイショってな感じに止まらないで、下がって上がれるか、自分でやってみればわかる。それは並の修練では達成できない。それをいとも簡単にいつものこととしてやっている新井さんは、書店員だと言う。
どんなに普通の子が頑張っても、見ていれば一箇所や二箇所はカクっと動きが引っかかる箇所は出てくるのが普通の人間ってもんだ。
ところが新井さんの動きは、どうしたことか、どこを見ていても全くと言っていいほど引っかからない。一体何を食ったら、一体普段どんな修練をしたら、こんな凄まじいまでに静静とした動きができるのだろう。
ポラの時に聞いてみたが、本人はあまりわからないらしい。小さい頃からそういう動きは得意だったとか、書店で重い本を運ぶから、それがトレーニングになっているのでしょうか、とか、よくわからないご様子だった。一体どういう書店なのだ?わけがわからない。
もちろん年齢は抗えるものではないから、若い子の肌艶にはもちろん勝てない。新井さんには済まないが、これはあたり前のこと。とはいえ新井さんは美しく、そしてスレンダーな、鍛え上げられた筋肉と、なめらかな曲線美に恵まれており、十割の同年齢女性が必ず嫉妬するだろう。

しかし、他の子には本当に済まないのだが、新井さんが一番手で後に若い子が続くので、動きや体がどんなに綺麗でも、どうしても新井さんの完璧なクレーンのように滑らかな動きと比べてしまい、ああ、ここで一瞬引っかかって止まった、新井さんなら止まらない、とか、比較して見てしまったのは本当に済まないし、ここにわざわざ書いたら意地悪でしかないかもしれない。しかし、やはり若い踊り子さんには、凄い先輩の動きを見て勉強してほしいとつくづく思う。見事な模範に巡り会えることはとても幸運なことだ。
新井さんの動きと表情は、そしてとてもチャーミングだ。動きの一つ一つが、自由自在、完全に自分のものになっているためだろう。チャーミングな可愛らしさを、地のものと言うよりも完璧に自分の表現として現しきっている。おそらく新井さんの地の可愛らしさもあるのかもしれないが、彼女がこう動きたいと思った動きを、完璧に思った通りにトレースできていて、それは一点の曇りもなく、一箇所の引っ掛かりもなく滑らかだ。美しい。見ていて心地よい。難しい動きだけではなく、ごく些細な動きにも、完璧に気が行き届ききっている。何者だ彼女は一体。驚愕である。

わたしはそんなに沢山の踊り子さんを見てきたわけではない。新井さんを100点とすれば90点位の子も今日もいたが、ここまで滑らかな動きは、これはタダモノではないと感じた。私は素人客が感じたままを書いているので、舞踏の専門家の意見は違うと思う。ただ、是非若い踊り子さんには、凄い先輩の動きを見て吸収して欲しいとつくづく思う。とにかく私が見た中では、群を抜いて滑らかな動き、踊りを新井さんは見せてくれた。ありがとう。本当にとんでもないものを見ることができた。ありがとうA級小倉劇場。全力で応援しまっせ❗️

実は、新井さんとは食べ物について素敵な意見交換をして、その楽しい記憶を暖めるつもりだったのだが、もうそんなどころではなくなってしまった。これは私にとっても大変な事件だ。新井さんとの二度の語らいのチャンス、私は食べ物話も本の話も忘れて、サインだけはもらったが、後は彼女の動きを礼賛しまくったのみだった。彼女は私に美味しいものの事を話したかったのだろう。仕方なく新井さんは、みんなに向かって、旦過市場で魚を食べたと宣言しておられた。すまん新井さん。大學堂の話もするつもりだったが、あなたの動きがすごすぎたんだよ。
(この記述は、完璧に個人の感想であり、また私はただのド素人でしかなく、舞踏については何一つ知らない。素人のうわ言として読まれたし。また、若い舞踏家さん達は、新井さんに嫉妬するのではなく、是非見て学び取って、日々修練し、ストリップをさらにさらに磨き上げ、誇り高き伝統芸能に高めてほしい。私は全力でストリップを応援したい。)

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