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リニューアルへの期待 書評誌『本のひろば』2024年4月号「編集室から」

一般財団法人キリスト教文書センターが月刊で発行する書評誌『本のひろば』2024年4月号の、編集後記にあたる「編集室から」に書いた原稿より。

 本誌『本のひろば』がリニューアルして3カ月。そろそろ新しい表紙にも慣れていただけた頃だろうか。愛読者の方はすでにお気づきのことと思われるが、『本のひろば』のウェブサイトも2年前にリニューアルし、さかのぼって過去の書評も全文読めるという夢のようなサービスを提供している。裏表紙のQRコードからも簡単に開くことができるので、ぜひご活用いただきたい。「リニューアルを謳いつつ、中身はほとんど変わっていないじゃないか!」とのお叱りを受けないよう、編集・企画にも新しい発想が求められるだろう。

 カトリック教会では、『あけぼの』(聖パウロ女子修道会)に続き『カトリック生活』(ドン・ボスコ社)も3月号で70年以上におよぶ歴史に幕を下ろした。どうにか避ける道はなかったのかと忸怩たる思いである。同じカトリック誌『福音宣教』(オリエンス宗教研究所)3月号で南野森氏(憲法学者)が言及しているとおり、「なくなったときにはもう遅い。なくなって困るものは、読者が支えなければならない」。「惜しいことをした」と悔やんでも後の祭り。キリスト教関係の施設、団体、媒体が次々と活動を終えていく状況に対し、ただ「時代の流れ」「出版不況」だけを理由に何の打開策も打ち出せないのだとすれば、やはり読者だけでなく責任ある関係者の怠慢との指摘も免れまい。

 リニューアルといえば、『信徒の友』が4月から刷新されるという。すでに年間の特集テーマも開陳されているが、内容的にもより充実した誌面となるよう大いに期待したい。


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