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なんでわたしががん患者?

それは、どしゃぶりの雨の中、傘もささずに立ち尽くすようなものだった。強い風が顔に吹き付け、目も開けられない。雨粒は顔をしたたり、濡れた髪は顔をたたきつける。それなのに、なすすべもなく立ちすくむ。

ごめんなさい。
カップラーメンが主食のAさん
ほぼひきこもりで一歩も外に出ないBさん
いつも、愚痴をこぼして「あー、仕事辞めたい。上司死ね」というCさん「そんなんじゃ、病気になっちゃうよ」
そう思っていた。

一方わたしは、
野菜と魚を好み、味は薄め、栄養を考えて三食きちんと食べている。
長年ジムに通い、ダンスもヨガも上達した。以前はマラソンのレースに毎年出ていたが、コロナで大会が無くなって残念不参加、でもウォーキングはしてるよ。適度な運動は欠かしません。
ポジティブシンキングで、「なんとかなるよ~」「気にしな~い」「明日できることは明日やろ」と笑顔で同僚に声かけしてきた。

AさんでもBさんでもCさんでもなく、わたしががんの告知をされた。
「なんで、わたしががん患者?」
このフレーズが脳内を駆け巡り、
「なんで?」の理由がわからなくて、
どしゃぶりの雨の中で立ちすくんだ。


足りない知識で分析してみた。
①わたしのかかっている人間ドッグの写真の精度が素晴らしく、毎年続けて受診していたため、前年度との比較が容易にできたためではないか。
婦人科健康診断のオプションとして、課金してまでも、マンモグラフィとエコーは毎年受けていたのである。

②マンモやCTの画像を読むことがうまい優秀な医師がいる。

だから、AさんBさんCさんもしっかり検診を受けたなら、
誰もが少しはがん患者なのかもしれない。
だってそうじゃない。
わたしの生活は、健康第一だったのだもの。
もっと不健康な生活している人はいっぱいいる。
なんで? なんで? なんでわたしががん患者?
堂々巡り。


人に会うたび、「だけどこの人はがんではないんだよなあ」
そう思ってしまう。いわゆる卑屈になっていたのでした。



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