久保史緒里1st写真集『交差点』は、なぜ右開きなのか

初めて読んだ時、最後の桜の写真で久保さんが右に向かって行進しているのが違和感でしかなかったんです。
写真集の〆となる写真。表情からしても、花咲く[a]明るい未来へ、夢へ歩き進めていることを表していると思うのですが、左へ向かって読み進めて来た自分としては、左に向かって歩いてくれた方が自然な気がして。

でも、今読み返してて気づきました。右こそが未来なのだと。
この写真集は、彼女のルーツとなる東北を巡る旅。彼女の道のりを振り返る旅[b]。左に読み進めて来たのは(右開きだったのは)、過去に向かっていたからなのです。
確かに一般的にも、時間を絵に表す場合は、左が過去・右が未来ですもんね。

すなわち、過去を巡って来たところで、最後の1枚で未来に向かって折り返す。当初感じた違和感は、そんな意味を持っていたのでしょう。
そう思うと、最後の写真の2つ前、左側を遠く見つめる久保さん。これは現在から過去を振り返って思いを馳せているようです。これが、最後の写真に繋がっていく。
あるいは、最初の写真も、タイトルが書かれた写真も、左へ向かっている。これもまた、過去方向を表していて、最後の未来方向の写真と対称になる構造をしているようです。

久保さんがたくさんこだわって、開く方向にもこだわって作成したという写真集[c]。
自分は全然そのこだわりを理解できる気がしなかったけど、凄く知りたかったから、こと細かく言葉で説明して欲しいと思っていました。でもこれで、もしかしたらその1つくらいは理解できたのかもと嬉しくなりました。そうだといいな。
(誰か考察得意な人、解説してくれ……自分は言葉になってないものを理解するのが苦手なんです……)

※ 自分は久保さんの発言を全部追えているわけではないので、どこかで説明があって全然違っていたらすみません。あとその時は教えてください。

脚注

a. 「これまでずっと『今年は種をまいた1年でした』しか言えなかったんです。『芽が出ました』すら言えなかった。6年間種をまき続けて。だけどやっと、まだまだ満開とは言えないけど、ようやくちょっとずつ花が咲き始めてきたかもしれません。1人でも多くの方に見つけてもらえるくらい、1つでも、少しでも大きな花を咲かせられる春にしたいです」(日刊スポーツ 2023年4月4日)

b. 「交差点という場所は、どの道に進むのか選択する場所であり、人と人とが出逢う場所でもあります。人生の分岐点となる交差点に何度も出逢い、選択をし、今、乃木坂46という愛ある場所に辿り着きました。東北で生まれ育ってきた私がどんな景色に出逢い、どんな道のりを歩んできたのか。是非見ていただきたいです」乃木坂46 公式HP ニュース『久保史緒里1st写真集の表紙を解禁!タイトルは「交差点」に決定!』

c. 「自分自身写真集がすごく好きだっていうことがあったので、もし自分が写真集を出せる日が来たら、こういうふうにしたいなっていう思いがすごく細かくありました(笑)、例えば、紙の質感だったりサイズだったり、あとは開く方向だったり、そういう本当に細かい部分も全部編集部の皆さんと話し合いながら決められたことが、すごくありがたいなと思っているので、本当にこだわりの詰まった1冊で、さらに1年かけて撮影ということで、自分にとってすごく大切な宝物の1冊になったなという思いです」(BUBKA WEB『乃木坂46久保史緒里、メモリアルな1st写真集の出来は100点満点中「交差点」』)

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