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森のネットワーク マカピーな日々#0221

マカピーです。

図書館で借りてきた本に気になる文章を見つけました。

世界の巨樹・古木 歴史と伝説

ジュリアン・ハイト著 湯浅浩史(日本語版監修:進化生物学研究所所長)



実はボルネオのサラワク州の熱帯林を研究されていた京大の井上教授の著書にも書いてあった事です。


(大変残念なことに、井上さんは研究していたボルネオで飛行機事故で亡くなられています)

そこには植物の進化の過程で菌根菌から栄養分を吸収できるシステムの確立がとても画期的だとしていました。

そして今回のこの本では、序章(p9)の「単独の木と共生関係」で以下のように述べられています。

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最近の研究によって、木は、菌根菌を介して周辺の木と養分を交換していることが分かった。菌を構成する菌糸、すなわち、地上の子実体(キノコ)を支える目に見えない枝分かれした糸状の構造が、周辺の木の根を相互に結び付けている。

菌糸によって構成されたいわば高速幹線道路のようなネットワークはしばしば広大な範囲に広がっている。

菌糸は木の耐性を強め、その界隈の他の木から養分を得て、また別の木にその養分を分配するという相互に有益な関係を結んでいる。


本書で紹介する木は、たいてい単独の木で、その圧倒的大きさや、並外れた樹齢、あるいは歴史的、宗教的な美術品のように扱われて現在まで生き延びてきた。

自然の環境にいれば、その多くは若木や、その森林の中の取り立てて目立たない木に養分を与えあるいは受け取りながら「母なる木」となっていただろう。

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マカピーは見えない地中のネットワークを大事にする森の存在は大切だからこそ、森をつくる意義はまさしくそこにあるのだなあと実感します。

冒頭の写真はボルネオ島やスマトラ島で世界一大きな花として有名なラフレシアですが、非常に繊細な生物です。

マカピーもマレイシアの森の中でその生息地に行って見ましたが、いくつも小さなキャベツのような物が地表に転がっていました。それらは開花できなかったラフレシアのつぼみで、既に枯死していました。

ラフレシアは寄生植物といわれていて地下で寄生している植物の根から栄養分を得て大きくなるのですが、不用意に人間が付近を踏み荒らすとその地下茎が切れてしまい枯れてしまうのだそうです。

この場所では中華系の住民が「漢方薬」の原料としてラフレシアを採取しているという事でした。たしかにあの巨大になる神秘性にあやかりたい気持ちも分からないでもありませんが、結局ラフレシアの自生地が消えてしまいかねないのでした。

フカフカしている林床の地下では、私たちが想像できないような複雑な生き物の営みがあるのです。

自然保護がなぜ必要なのか、そして多くの人に生態を教えてくれる植物園がなぜ必要なのか、微妙なバランスでできている自然林が教えてくれることは多いのです。


マカピーには中東のヨルダンで森つくりをしている友達がいます。「砂漠を緑にしたい」という彼とは5年ほど前ベトナムで出会いました。そして彼は単身ヨルダンに行き4年以上も森つくりをつづけています。彼はそれまで森林どころか農業もやったことのなかった人なんです。

能智元晴さんてすごいおもしろい人です。

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マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。引き続きマカピー的史観を投稿つづけますのでお読みいただければ嬉しいです。



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