独りぼっちになるという事 マカピーの日々 #1310
マカピーです。
隣夫さんが亡くなっていました。
実は三年ほど前に口腔ガンを患いその治療手術後は食べ物を食べる機能が低下して徐々に痩せていたのでした。
奥さんが「うちのおとうさん食べられないから、どうぞお宅で食べてちょうだい」と沢山の野菜を頂いたのです。
以前は日産のエックストレイルを乗り回していて奥さんを連れて買い物に行っていたのです。
ところが後期高齢者で家族のススメがあったのでしょうか、免許証を返納してして車も廃車してしまいました。
後でマカピーがR2を群馬の兄から借りたと聞いて、隣夫奥さんが「マカピーさんが必要だって知っていたら、うちの車を使ってもらったのに残念ね」
その分野に詳しい野田秀樹医師も言っていますが、高齢になっても免許証を返納する必要はない。むしろ認知機能低下防止にもなるといってます。
日本は同調圧力がありますから、厳しいですね。
他の国でそんなこと強要したら「権利侵害」と訴えられるでしょうけどね。
マカピーも隣夫さんを見ていてハッキリわかりました。
やっぱり隣夫さんの気持ちの張合いが違うんですよ。
カッコよく4WD車を乗り回すのと、ママチャリを転がすんじゃあ!
下水道の工事が終わると、隣夫さんは家の壁と屋根の再塗装をしました。
隣夫奥さんは「まだいいでしょう!」と反対したのですが「いや、きれいな家にしておきたいから」とこだわっての数百万かけての再塗装でした。
自分の余生を予測していたんでしょうね。
マカピー達が隣夫さん宅の前の中古物件を購入したずいぶん前の事です。
購入後も帰国は短い期間だったので、15年間ほどマカピー妻の弟家族が住んでいたのです。
マカピー達が本格的にそこに住むようになったのは数年前で、外壁も屋根も傷みがひどく、ハクビシンの被害にも遭って大規模改装して現在に至るのでした。
そのあたりから隣夫さん宅をはじめとして、ご近所との付き合いが始まったのです。
隣夫さんご夫妻も大きな家でゆったりと暮らしていたのですが、聞けば三人の子供たちは独立してそれぞれの家族が家を持って住んでいるのでいるとの事でした。
大人5人が暮らす二階家を造ったのですが、次々に子供たちが独立してしまうと、殆ど二階には洗濯干しに上がる程度の二人暮らしだったそうです。
下水道接続工事では隣夫さん宅も、それまでの浄化槽を廃棄しなくてはなりませんでした(実際には地中にあるまま、底に穴を開け土砂を投入するのでした)
マカピーの家の三倍ほど大きな合併槽でした。
隣夫さんは家族が5人の時に作った家だからこんな大きな浄化槽にしたんだけど、本格的に稼働したのはほんの数年だけだったよ!と苦笑いしていました。
隣夫さんの訃報はマカピーがマレイシア滞在中にマカピー妻が教えてくれました。最終的な死因は肺気腫と聞きましたがその前に入退院を繰り返して相当体力が低下していた様子です。
マカピーが帰国した翌日にお線香をあげさせてもらいに隣夫さん宅へ伺いました。
祭壇には懐かしい隣夫さんの遺影が笑っていました。
隣夫さんのご冥福を祈った後で、御仏壇の前で隣夫奥さんとしばらくお話をしました。
大きなお家でお一人は寂しいでしょう。お子さん家族が戻って来るって言うのは無いんですか?
東京に出てマンションに住んでいる息子は無理だね。
でも隣町にいる娘家族の息子が「おばあちゃん、そっちへ行って一緒に住むよ」って言ってくれたんで喜んでいたら、どうも気休めの言葉だったらしいのよ。
一時は本気にしちゃって、損したわ!
駅まで5分足らずのいい場所だと思うんですけどね。
きっと一旦その土地に住みついてしまうと、子供の学校関係や近所との付き合など出来ていて難しいのよね。
それだけ親に頼らずに経済的に自立しているって事ですから、いい事でもありますよね!
まあ、そういう事ね(笑)
マカピーの家はご存知の通り、ボロボロになったけど床や柱がしっかりしていたので改修工事したんですけど結構費用が掛かりました。
殆どの場合はリノベーションよりは更地にして新築家屋を作る人が多いみたいですね。
まだ使えるのに、もったいないわよね。うちは最初が小さな家だったんでどうにも狭すぎるってドーンて大きな家にしちゃったんだけど、こうして一人になってみると広すぎて困るわ!
それに寂しいものよ、一人ってのは。
何か手伝ってほしい事があれば遠慮なく伝えてくださいとお家を出ました。
久々に近所を散歩すると、マカピーがいないこの半年で沢山の新築家屋が出来ていました。
住む人あっての家とは、伸縮自在ではないので最初のデザインが大切なんでしょうね。
ある諺ではこういうそうです。
「人生で三軒目に建てた家が本当のその人の家だ」
サヨウナラ、隣夫さん
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。いつの世も星霜は移り人は去る
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