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懐かしい声がよみがえる日 マカピーな日々#0420

マカピーです。

マカピーの家は路地裏にあります。

そこを窮屈そうに配送トラックが来ます。クロネコも佐川も日本郵便も・・・、そして時々そのトラックが方向転換する際はバックギアにはいると「ピー、ピー」という警告音と共に自動音声がスピーカーから流れます

「バックします。バックします。ご注意ください!」

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そうだあれだよ!とユウちゃんと大笑いした話を思い出したのです。

ユウちゃん義父母の姪ですからマカピー妻の仲の良い従姉です。

ユウちゃんはとても、会津の訛りのある優し声の持ち主で年上でしたがマカピーにはいつも丁寧に接してくれる方です。

「マカピーさんたちの子供は本当にメゴイ(かわいい)なあ

とか、温かみのある会津弁がとても自然に彼女から聞こえました。

マカピーの上州弁(北毛地区)と隣の県なのですがかなり違います。それでもマカピーは会津のお国訛りの暖かさは雰囲気がとても好きなんです。

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ある日の事、わが家でユウちゃんとその姉のカズちゃんも加わり、彼女らが若いころ東京に出てきてからのいろいろな失敗談を出し合って笑っていた時の事です。

ユウ:「ほら、トラックがバックするときに録音が流れるじゃない。あの『バックします』って言うのが可笑しくて可笑しくて、最初は聞くたびに大笑いしたのよ!さすがに今ではニヤリとするくらいになったけどね、やっぱりあれはダメよ!」

マ:「え?何がダメなの?なんでバックするのが可笑しいの?」

カズ:「・・・そうか、マカピーさんは会津じゃないからね。『バック』って遠くでは『バッコ』って聞こえるでしょう? あっちじゃあウンコのことを『バッコ』っていうのよ。そんだからこの子は録音テープが回るたびに『ねーちゃん、このトラック、バッコするんだって!!』って大笑いしていたんだよ。バッカみたい」

マ:「そういうカズちゃんだって、ユウちゃんと同じこと思ったんでしょう?」

カズ:「そりゃそうよ!最初聞いた時はドキッとしたよ。まさか、おめえさん『バッコ』すんのかー?って、キャハハハ・・・・。ああコエー(苦し)」

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「いや待てよ」

この話を聞いて、マカピーは思い出したことがありました。

それはマカピーが新婚の頃、義父母方の会津の親戚に挨拶に行った時のことでした。マカピー妻のばあちゃん(祖母)は当時95歳くらいで、戦前に下駄を履いて焼失する前の金閣寺を見に行ったことがある人で、この後100歳で大往生した方です。

ばあちゃん家でワイワイと酒盛りをしていたところ、高齢のばあちゃんが『鉄道唱歌』という長ーいのをうたい始めて、マカピーはばあちゃんの前で正座して聞いていると、周囲は「マカピー、いいんだ真剣なって聞かなくても。ばあちゃんの『汽笛一斉新橋を…』をずーっと聞いてたら日がくれちまうからなあ」なんてひどいことを言ってました。

ところが、ばあちゃんはそれにもめげず今度は十八番の『白虎隊』を歌い始めるのですが、マカピー以外に聞く人もいないから、皆ちょっと冷たいなあっていうくらい大騒ぎをしていました。


ところが、ばあちゃんの『白虎隊』の歌詞が最後の「・・・今宵なごりの白虎隊」にさしかかると、全員が大声で「・・・今宵なごりのバッコ隊』と歌詞を変えて唱和するのでした。

しかも4番全部「バッコ隊」と合いの手を入れていたので、決して無視している訳じゃなかったんです。

そうか、「バッコ」ってあの時に聞いていたんだ!

普段は郷土の誇り『白虎隊』と言ってるけど、お酒を飲んだらいい大人が「バッコ隊」にして笑いものにしちゃう面白みが感じられたのでした。

そして、さすがに会津人の宴会です。更に酒が回ると、自然と愛唱が始まるのが『会津磐梯山』で締めます。

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先日もカズちゃんが訪ねてきて、当時の話をすると

カズ:「いんやだ!まーだ、そんな事覚えてんの?」

マ:「そりゃ、マカピーには強烈な思い出ですもの」

カズ:「まったくなー、3人兄弟の末っ子のユウが一番最初に死んじまうんだもんな・・・」

マ:「ねえ、またみんなして会津へ行きましょう。東山温泉で泊まってユウちゃんやばあちゃんの墓参りしようね」

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今日は生協の『Coop Deliのトラック』からの聞こえてきた「バックします」が「バッコします」に聞こえたのでした。

そしたら、ユウちゃんの声が聞こえたんです。

ユウ:「ね、マカピーさん。ちゃんと『バッコ』って聞こえるでしょう。おっかしくない?ハハハハハ!」

ユウちゃん、もう一度会いたいなあ

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。「会津の良さは酒の良さ」






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