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座禅する? マカピーな日々#0426

マカピーです。

『プレジデント』誌のバックナンバーで石原慎太郎さんが「生」について語っている文章に惹かれました。

彼は数年前に脳梗塞で倒れて「死」を覚悟するところまで行ったそうですが、幸運にも早期発見の軽症ですんだものの一時的には痺れが残り、字を書く事が出来なくなったそうですが、リハビリも真剣にやって日常生活に戻ることが出来たとの事です。

マカピーはその記事に添付された日本の仏教の系統図がそれぞれの派の開祖と有名なお寺さんとのセットでまとめられて、とても分かりやすかったのでした。

マカピーは特に自分の信教を意識したことも無く、無宗派に近いのでしょうけど実家が天台宗で、その宗派の流れが分かってうれしかったのです。

その図を見ながら中学生1年生の夏、マカピーは天台宗の中高生を集めた研修会があり参加させてもらったことを思い出しました。


その3年前に兄が彼の親友だったシンちゃんと参加したのを覚えていました。同地区から二人参加できるというので半分観光旅行気分で行って見ることにしました。

夏休みを利用しての3泊ほどの研修は、開祖の最澄が開山したという比叡山延暦寺の合宿所で全国から中高生300名ほど集まったのでした。

その頃、三歳年上のシンちゃんはグンマの郷里から、本格的に僧侶になる比叡山高校に進学していていました。そしてその高校からも参加者がいましたが、マカピーも含め参加者の多くは坊主頭で、どれがお寺の息子か区別はつきませんでした。

(その中に野球部所属高校生がいましたが、それから数年後にグンマ前橋高校の松本投手の前に完全試合で敗れるのがこの比叡山高校でした)

研修では、開祖最澄の教えである「一隅を照らす」意味などを学習し、食事での作法、周辺を清める事 そして座禅も体験しました。

何といっても、朝の霊気が感じられる荘厳な空間をもつ根本中堂内での座禅は印象深いものでした。


それから時は流れ、マカピーが20歳代後半で青年海外協力隊(JOCV)に参加することになり12月開始の派遣前研修に3次隊として研修所のある駒ケ根で3か月余りすごしました。

さて、この研修中には、静岡県の禅寺での「禅」研修があったのでした。日本の心を学ぶという目的があったのかも知れません。

この禅寺は長らく協力隊の派遣前研修プログラムを受け入れ、マカピー達のような連中の扱いに慣れていたようです。

それでもともかく一番寒い時期に禅会場の窓を閉めていると研修指導する僧侶が叱咤するのでした。

僧:「あんた達のような不真面目な候補生は見たことがない。他のグループではこんなテイタラクは無かった。寒くても窓を開け放ち、すがすがしい気持ちで座禅しようという態度が感じられない!直ぐに窓を全開にしなさい!」

さらに座禅では結跏趺坐(けっかふざ)が正式ですが、ほとんどの人は関節が硬くてこれが出来ません。マカピーもしかたなく片足だけ組む、半跏趺坐(はんかふざ)をするのですがこれでも相当辛いのでした。

中学生での比叡山で研修した時とはちがい、半眼にして何も考えず・・・どころの話ではなく痛みとの戦いの苦痛の時間となりました。

姿勢が乱れたり、寝入ってしまった人には静かに巡回する僧から平たい警策という板状の棒で両肩をビシッ、ビシッと打ち据えられます

でも、マカピー達は、いつしか関節の痛みを紛らわすために挙手して自ら警策を受けるという「涙のリクエスト」を繰り返していていたものですから、更なる指導坊さんの不評を買っていたようです。

ところで、この座禅には、研修管理として職員が混ざって参加していましたが、その一人の女性Yさんは風邪気味だったのか、ジャージの下に厚手の防寒着を着込んでいたらしいのです。

その彼女が警策を受けた時に、いつものビシッ、ビシッという音が「パフ、パプ」という気のぬけた音に変化したので、その周囲から忍び笑いが全体に広がったのでした。

この事態に指導坊主は怒り狂ったのです。

僧:「静かに!何を笑っているのですか!それに貴女は真面目にやるつもりがあるのですか?警策用のパットを外してきなさい!」

僧:「まったくこの3次隊ほど酷いグループはない!こんな態度ならもう研修しなくてもよろしい、帰ってもらいたい!」

たまたま職員でありながら、座禅に参加した彼女は何も言えず顔を真っ赤にうつ向いていました。

禅寺の僧はそれが生業(なりわい)で裸足、素食、勤行の毎日でしょうけど、一般人にこんな態度でどうするのだろう?

マカピーはマレイシアに派遣されてから1年ほどして、「禅」研修が廃止されたと聞きました。その理由というのが、半跏趺坐(はんかふざ)さえもできない女性隊員候補生が、とうとう無理がたたり病院に担ぎ込まれる事態となった際にも、指導坊さんが「ふがいない」となじったので男性隊員候補生がその僧を殴ってしまったのだそうです。

暴力は良くないです。

それでもマカピーは当時の様子を思い出しながら、教えてくれた後輩隊員に「そりゃ無理もないね」と伝えると意外な答えが返ってきました。

後輩:「イヤー、もう彼はヒーローになったそうです。特に座禅がなくなって一番喜んでいたのは引率する職員だったそうですよ!」

マカピーはあの警策の「パフパフ」と忍び笑いが思い出されたのでした。

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。やっぱり座禅は「禅宗」の方が厳しいのかな?









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