見出し画像

マチェンドラナートも中止だったって マカピーな日々#0429

マカピーです。

PCを開けていると、Messengerがネパールのラジュ(仮名)さんが通話を希望とありましたので、直ぐにビデオ通話をしました。

ネパールには沢山の民族が混在しています。カトマンズ盆地のネワール人は殆ど日本人と見間違うほどで、ネパールの他の民族よりも色白です。

ラジュ:「こんにちわ!マカピーさん、お久しぶりですね」

マ:「こちらこそ、ラジュさんご家族も皆さん無事ですか?」

最初はマカピー妻が独身時代に彼と知り合っていたのでした。マカピーは家族の住んでいた動物園側でなくパタン王宮に近い旧市街に住んでいましたが、事前に知らせずに訪ねて行くと、偶然向こうからラジュさん自身が来たんです!

ラジュ:「ああ、○○(マカピー妻の名前)さん、こんにちは。どこへ行くんですか?」

マカピー妻:「どこって、ラジュさんの家に決まってるでしょ!いやだ、前回会ってからもう5年以上経っているのに、こうして道ばたで偶然に会っても全然驚かないんだもの!」

ラジュ:「ハハハ、そうですか?じゃあ家に行きましょう。場所を覚えていましたか?」

マカピー妻:「そりゃ、あの時いろいろとお世話になったもの。あ、そうそう、こちら私の旦那のマカピー。私結婚して子供も来ているんです。こちらラジュさん」

マ:「初めまして、ラジュさん。突然訪問して大丈夫ですか?ラジュさんも何か用事でこちらに来たんでしょう?」

ラジュ:「マカピーさんですね。よろしくお願いいたします。なにも問題ないですから、さあ家に行きましょう」

ラジュさんは、こんな感じで実に自然な日本語での会話ができる方でした。

彼の本職は真鍮製の仏像を作る仏師ですが、日本語能力を生かして頼まれると日本人グループの旅行ガイドをしたり、ネワール族が作るタンカと呼ばれる仏画を売ったり、時々は日本に行って小物などを売ったりしていたのでした。(マカピーのnoteの表紙の細密画はそのネワール・タンカの図柄です

亡くなった彼のお父さんは、旧市街に面した土間で金細工をしていた方でした。彼には兄と弟がいましたがその家を引き継いでいたので、家族で遊びに行かせてもらいました。

伝統的なネワール様式の家屋は主に日干しレンガでできていて、天井や梁そして門扉などが木製で屋上まで4階ほどある細長い構造で階段ばかりで部屋数は多くありませんでした。家族の食事は最上階で可愛いリスみたいな奥さんのルパとはお似合いの夫婦で幼い娘が二人いました。

カトマンズ盆地に限らず、各地ではどこかで必ずヒンズー教関係の祭事は行わる土地柄ですが、農繁期に入る前のマチェンドラナート祭りは京都などの山鉾の原型ともいわれて、まさしく「動くお寺」でした。

(2011年から2012年までのネパールのお祭りの例。パタンのラト(赤)マチェンドラナートが5月にありますね)

毎年山車を組み立てます大きな木製の4つの車輪の上に神様の祠を作りその上に尖塔のように木を寄せ上げて水に漬けた籐(トウ)で縛り上げ、そこに常緑樹の葉を挿すのでした。

画像1

この山車を大綱で引くのですが相当な重さに加えて道路も日干しレンガ敷ですから凸凹していてみんなで力を合わせても少ししか進みません。

その時の掛け声がちょうど日本語で「ワッセ、ワッセ」と言ってるように聞こえます。市街地に入ると両側の家が軒を連ねてている狭い場所にくると尖塔が大きく揺れるので周囲の家々の瓦屋根を吹き飛ばしてしまうんです。

おそらく壊れる事も承知であり、この山車が定期的に通る事で道路や周辺の整備をする昔からの知恵が働いていたのかも知れません。

巡行を終えるには幾日もかかるのですが、一日引き終えた後のマチェンドラナートは一つの寺院として付近の人が参拝に訪れ夜も明かりがともされていました。

もちろん、山車は重心が高く不安定です。

毎回皆が力を合わせて組み上げるマチェンドラナートの山鉾は毎回その質が違うので、傾きがでても修正することなく引き続けると、運悪く倒れることもあります。

画像2


そして、倒れると「凶兆」と言われます。

マカピーが滞在中、マチェンドラナートの山鉾が倒れた年にはベンガル湾で発生したサイクロンがヒマラヤ地方に影響して大量の降雪があり雪崩が発生して日本人を含む大勢の登山客が死亡する事故が発生しました。

そして転倒し動かせなくなると、その場で山車を解体して組み立て直しをして綱引きを再開するのだそうです。(1週間以上かかります)

ラジュさん宅ではマチェンドラナートが通過する際に屋上に出てその尖塔にあるヒバやトウヒなどの針葉樹の葉をサッと手にしてそれを仏壇にお供えしてからみんなで夕食を取りました。もちろん、美味しい自家製ロキシ(米焼酎)が振舞われお祝いしたのでした。

マ:「ラジュさん、今年のマチェンドラナートはどうでしたか?」

ラジュ:「今年も去年もコロナで出来なかったんですよ」

マ:「そうでしたか、日本も昨年から花火大会も夏祭りも全部中止になっちゃっているから同じですね。でもオリンピックはやるっていてってますけど。早くコロナが収まるといいですね」

ラジュ:「ほんとにそうですね。数日前はカトマンズも感染者数が8000人を超えるほど酷い状態になっています。インドで出稼ぎしていたネパール人がコロナで仕事がなくなって帰国したから一気に増えたと言われてます

マ:「ワクチン接種もしてるんですか?」

ラジュ:「以前はインド製のワクチンがあったのですが、今は殆どが中国製です。ボクは肝臓の病気で入院していたから、ワクチン接種していいのかちょっと心配なんです」

マ:「それは入院先の先生に尋ねた方が良いかも知れませんね。日本はファイザー製が多いらしいです。でも年齢順での接種だから、マカピー達は来年になるのかなあ。ネパールより人口が多いから順番が回ってくるまで時間がかかりそう」

ラジュ:「こちらでは一日のうちに少しの間だけ買い物に出ていいけど、後はずっと家にいるんです。警察官に見つかると500ルピーの罰金を払うことになっちゃうんですよ」

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。オリンピックって祭典ですよね!



もしもサポートいただければとても嬉しいです。そのサポートは感謝のバトンタッチとして使わせていただきます!