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いずこも少子化対策が悩ましい? マカピーな日々#0431

マカピーです。

ベトナム滞在中のアパートの隣の敷地はいわゆる名門中高校でした。

ベトナム戦争前はインドシナ貿易で財を成した外国人商館だった瀟洒な建物があり、かつてはホータイ(西湖)に面してボートでくり出すことも出来た構造が道路沿いに見て取れました。

首都ハノイは非常に都市化が進んでいて東京の下町のような混雑ぶりなんです。市街地の学校はビルだけで、ほとんど校庭が存在しない程でしたが、この学校は広い敷地に運動場もある緑豊かなキャンパスを持っていました。

かつて中国に科挙制度という文官(官僚)採用試験があったのはご存じの方も多いですが、その科挙制度は幸か不幸か日本にも導入されても根付くことがありませんでした。


中国の植民地に近かった朝鮮半島やベトナム(越南)はその影響が強くベトナムの古い記載は中国語で科挙制度が導入されていました。

そして地元で「文廟」とよばれる孔子廟は学問の神様として中国の孔子を祀り、更には1076年に大学(国子監:こくしかん)を併設してここで科挙試験(殿試)を実施していたのだそうです。日本より相当早いですよね!

なんと、598年に創設された本場中国の「科挙制度」が清朝末期1904年に廃止されたのに、ベトナムの方は1075年に導入して1919年まで中国よりも長く試験をしていたお国柄です。

いまでも大学受験前には受験生が必ずここをお参りして、科挙に合格したした人の碑を背中に乗せた亀の石像を撫でるのでピカピカしていました。日本でいえば学問の神様扱いの菅原道真公を祀った天満宮的存在なんですね。「お受験」ではベトナムの方が先輩なんです!


先に紹介した学校は、14世紀に国子監の教師を務めていた朱文安(チュウ・ヴァンアン)の名を冠した有名校でオーストラリアの大学とカリキュラムを作ったり青年海外協力隊の日本語教師にきてもらったり高レベルの教育を売り物にしていました。

マカピー妻もここの中学生に日本語を教えた時期があります。生徒の学習能力の高さもさることながら、送り迎えや学校の後の塾通いなど受験勉強対策など家族ぐるみで一生懸命の様子が良く分かりました。

ベトナム戦争後、ベトナム共産党による社会主義ながらドイモイ((刷新)政策を導入して市場が開放され急速に戦時経済から物質的に豊かになると、夫婦共働きで子供に高い教育を受けさせる事が社会風潮になり学歴社会に拍車がかかったようです。

ちなみにベトナムの同僚は「子供は二人まで」に制限しておかないと出世はあり得ないと言っていました。

さらに公務員だけでなく民間でも同じで、マカピーの仕事場の秘書さんは二人の娘さんがいました。その旦那さんは男子誕生を望んでいたのですが二人目が女の子と分かると、途端にそれまでの教育費を稼ぐための蓄財熱が消えたと言ってました。

教育費はベトナムでも相当悩ましい話で、少子化が進んでいる理由の筆頭です。秘書さんの大学の同級生も半分は結婚していないとも言っていたし、外国人と国際結婚する人も多いと言っていました。


一方で中国も少子化が進んでいるので、最近のニュースでは夫婦に3人まで子供を持つこと許可したとあります。かつての「一人っ子政策」の最中は「闇っ子」といって出生届が出せない無戸籍の子供が多くいた時代からみれば、真逆のような状態になっています。

果たして「一人っ子」で育った世代が、彼らの親が教育費に投資してくれたことと同じことを、自分の子供に出来るか?といったら相当ハードルが高かそうですね。

日本政府も同じような事を言ってますが、根本的な教育費問題がある限り効果が表れるには時間がかかりそうですね。

今回は気になった時事問題をマカピー的史観してみました!

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。若い世代の子育てを支援しよう!



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