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僕たちはウジ虫DJです

都内にいるのに学生の時は金がなくて社会人になって地方に行くと今度は時間がなくてフェスにもライブにも行けずなかなか海外アーティストを観れるというチャンスがなかった。
大体平日の東名阪なんて地方勢にとっては指をくわえるしかない。
もちろんそれでも観れた海外アーティストはいるけれど、念願叶ってようやく!となったのがZEPP仙台があった頃にラウドパークのアフターツアーでやって来たSlipknotだった。
2000年初期に「メタルか、否か」論が割りと近くでも起きていて、ニューメタルだラップコアだと揶揄されたりしていて個人的結論は“かっこよけりゃどうでもいい”派ということもあって大学の時に生粋のロン毛メタラーと胸ぐらの掴み合いまでしたことがある。
これでも軽音サークルに所属していた事があるのです。
ドラム経験者はどこでも重宝されます。
そこは結構アウトローな影も闇も深い空気感で、肌に合わないからすぐ辞めたけど。
「IOWA」が出るか出ないかの時、池袋PARCOにあるタワレコでレコメンドにあった「猟奇趣味的激烈音楽集団!」と黄色いポップにどろどろ血文字で書かれていたファーストアルバムのセルフタイトル「Slipknot」を怖いもの聴きたさでヘッドフォンをした。
1曲目の”Sic”で(正確には2曲目)、ダダッダ!ダダッダ!で始まってからのブラストビートと轟音に脳天をぶち抜かれて以来、数あるフェイバリットバンドの中でも群を抜いたひとつになっている。

サマーソニックの中でもラウド系揃いの暗黒フェスと呼ばれた2001年には貧乏学生で泣く泣く行けなかった。
「いやぁやっぱりノットはイカレててかっこいい」「前からコーリーの声好きなんだよね〜」と、行ったやつの自慢話を散々聞かされて「てめぇの口から“ス”の字も聞いたことねぇのにノットってなんだ!そもそもコリィだし!」と腹が立って思いっきりローキックをそいつの太ももに思いっきり入れて喧嘩になった。

ようやく観れたのが一番はじめに書いたライブ。
観れない期間が長い程、熱量は上がるものです。
この頃にはすっかり”マゴッツ”になっていた。
マゴッツはファンの俗称で「お前らは蛆虫だからな」という事で付けられたらしい。
仙台ではマシーンヘッドとの対バン。
なぜかマシーンヘッドは音響が悪くて耳鳴りが酷かったと記憶している。
ZEPPには数えきれないくらい何度も行っていたけれどラウドパークのセットそのままなので火がボウボウと大小がリズミカルに飛ぶ。そんなの観た事ない。
火気厳禁じゃないのか!と驚いたけれど、それよりも驚いたのはジョーイの180°回転ドラムソロ
有名なパフォーマンスのドラムソロだったけれど、直前で踵骨折をしていたのもあってもしかしたら観れないかも・・・なんてウワサが飛び交っていた。
そんな中でのライブというのもあっての見せ場だったからむちゃくちゃ興奮した。
世界で一番好きなドラマーは間違いなくジョーイだ。
海外バンド特有のメンバーチェンジがある中でもSlipknotは元々それが激しかったり、ドラッグの疑いでジョーイがいなくなった。多分2008年頃だったと思う。
本当は病気でドラムが叩けなくなってしまっていてことでとっくに和解もしているらしい。
ベースのポールグレイが亡くなったりもあったけれど、そんなジョーイも7月に亡くなった。
バンドマジックというものがあっていつか復帰してきていつかKnotfestで観れる事があったりしないかなぁなんてほんのり淡い期待もしていたけれど、もう叶わない。

ジョーイが脱退したあとは別バンドの方でドラミングテクに魅了されていた。
そこにサポート入るの?!(例えばKORN、SYSTEM OF A DOWNとか)なんていうニュースはずっと事欠かなかったって事はやっぱりそういうドラマーだったって証拠なはず。
好きなミュージシャンに死なないでなんて言えないけれど、こればっかりはどうしても慣れない。
誰かがなくなった時によく出る「R.I.P」Rest In Peace(安らかに眠れ)の略式だけれども”Rest In Power”という言葉を知った。
ほんとに良い言葉だなと思った。

オリンピックも始まってしまって(?)なんやかんや終わってしまった。
未だに止む事なく続々とネガティブな話題が飛び交う。
後出しじゃんけんで物事を語るのも違うけれど、正直な気持ちとしてはオリンピック自体の開催は諸々の条件ありで賛成だった。
ただ、開催が決まって以降の納得いかないニュースを深堀すればするほどなめてんのかと思えてきてしまう。
終わってみたら大きな隠れ蓑にして大事なことを隠蔽している問題さえ露呈している。
切り出しの表面なぞったような釣りタイトルよりも黒過ぎて陰鬱な気持ちと怒りが込み上げる。
そんなのもあってここ最近はSNSを見るのが嫌になってしまって、少し距離を置いている。
それでも選手の活躍ぶりには心動かされるものが本当にあってテレビの前で一喜一憂していた。
毎度この時間にやってくれたらいいのにと思ったけれど、東京開催だったからゴールデンタイムで観れてたんだよね。忘れてたわ。
パラリンピックが終わった頃にも同じ感動で余韻があるんだろけれども明朗になっていない部分が山ほどあるので追及が始まるでしょう。きっと有耶無耶に終わらせるんだろうけれど。
ただ、追求は絶対に始めて欲しい。
時代が時代なら戦犯で切腹ものでしょう。

8月は何度目かの正直で1年半振りにライブハウスでイベントをする。
企画をもらって出しては流れての繰り返し。
今度こそは・・・と毎回思う分、やっぱりバラシになった時は結構へこむ。
ほんとの事を言うともう出来ないでしょと折れていた期間もある。
音楽が好きなだけの普通の社会人がどこまでやれるのか音楽を信じて走ってきたけれど。
有吉反省会にも出ていた葛西純選手の映画「狂猿」での言葉を借りるなら“プロレスED”ならぬ“DJ ED”だ。
映画を観ている最中にも「あぁ!分かるー!!」となったのはここだけの話。
コロナ禍はエンターテインメントで気持ち的に助けられて、それが好きなのにやってることが出来ないもどかしさが本当に強い。
DJやったらいいのにと言われるけれど、純粋に今までやってきたことと同レベルの楽しさじゃないとやれないなというのが理由のひとつ。それと近しいアイデアがない。
それと大きい理由がもうひとつ。
ひとりじゃ出来ないのです!
ひとりでできるもんなのはDIYだけです。
やりたい事だけ湧いてきてノートに書き留めてはストックしている。

いつだったかYoutube配信でKen Yokoyama生ライブがあった。
ニューアルバム発売でのライブだったけれど、普段のライブでやらない曲がいくつもあって物凄く良かった。
最後の曲はカバー曲”You Are My Sunshine”だった。

なんでイベントやってたんだろうとふと思うことがあった。
イチ客としてフロアの楽しさも知っているから上から見る光景が好き。
何が好きってひとりひとりが楽しんでいる顔を見るとその気持ちが十分わかるから伝わったっていう気持ちで、その光景が毎回忘れられないくらいでやっているんだと思う。
その曲であぁそっかと改めて思ったと同時に早く戻りたいなって気持ちが余計強くなった。

2021年7月鑑賞作品
【新作】
ゴジラVSコング
バケモン
ブラックウィドウ
ライトハウス
犬部

【旧作・配信】
トゥモローウォー
ハードキル
ストレイ・ドッグ
ステイ・ホーム
ウィッチサマー
ロックダウン
フロッグ
スプートニク
ANNA /アナ
ザ・グラッジ
ゼイラム
ゾンビの中心で、愛をさけぶ
フェイクガール

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