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2020年マイベスト映画編②

前回は洋画邦画トップ2の計4作品でした。

それではランダムにいきます。

5.「ジョジョラビット」

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観終わったあとにはデビッドボーイのHeroesをボリューム大きめに聴きたくなります。というかそうだった。
第二次世界大戦の終わりかけのドイツが舞台。
空想上のヒトラーが友達っていう優しいジョジョが兵士になるために頑張るわけだけど、お母さん(スカーレットヨハンセン)と二人暮らしの自宅ではユダヤ人の女の子を匿ってたのが発覚からのおかしな共同生活。
少しずつ自分の信じていたものに違和感と気持ちの変化が現れて来て、さぁどうなるっていうヒューマンドラマ。
戦争映画はこれでいいの?と訴えかけるものが大多数でオーソドックスには残酷面がフューチャーされるけれど、子供視点でコミカルに少しだけファンタジーがあって別角度からの戦争映画として観れた。
下のサムネに出てるけどタイカ・ワイティティ監督が自ら滑稽なヒトラー役(ジョジョの空想)を演じてるわけで、ヒトラーを取り扱うものとしては尖ったものにならない感じがした。
モノによっては危ないわけで。
そんなジョジョの変わっていく本編ラスト。
これから世界が変わる時に「どうする?」っていう答えに胸がグッと高鳴りました。


6.「MOTHER」

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あとで知ったけど実際にあった祖父母殺人事件のケースが元になっているらしい。
実話系好きなのでよくその類いは観るけれどこれはヘビーすぎて俗に言う胸糞映画にカテゴライズします。
親子共依存の怖さとそれだけに留まらない不穏さがじわじわと押し寄せる感覚。
子供の頃から当たり前のように「外の世界を知りなさい」と教えられるけれど、がんじがらめだったらそれは呪いと同じわけで、支配される世界で生きる価値観はやはり親次第なんだろうなと思う。
エンディングでその答えが出るけれど驚愕してしまう。
自分が当たり前と思ってる世界とは違うところで生きている誰かが存在していることに気づいた時に胸が詰まってくる。
決して観なきゃよかった作品じゃなく観ておいた方がいいに挙げるのはそんな作品を大森監督が仕上げたこと、全ての出演俳優人に魅せられるから。
これを機に長澤まさみさんの見方が思いっきり変わってしまった2020年。
もちろん良い意味で。

7.「TENET」

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上から読んでも下から読んでもTENETというタイトルは前振りとしてクリストファーノーラン新作待ってた!
空間・時間軸や相対性理論がふんだんの綿密なストーリーは考察しまくりで大好物。
一度だけじゃ理解出来ないところが多々あるけれど、表面なぞった大筋のストーリーを楽しむだけでも全然問題ないからこれまた凄い。
現在と未来の戦争って言っていいものなのか。
時間逆行がテーマで科学的要素がてんこ盛り。
2回目の方が理解している分、初回よりも楽しめるという。
ノーラン作品観た後に今敏作品観たくなるのはオレだけですかね?
映画友達からあーでもないこーでもないとしばらくやり取りが続いたので、また近日中に観る事になりそうです。

8.「エジソンズゲーム」

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有名な直流交流の権利争いです。
エジソンとテスラのドロドロな戦争。
歴史上の人物ってなんでこんなに奇をてらうんでしょう。
どっちも「普通じゃない」から身に起きる出来事も尋常じゃないわけで。
エジソンが晩年に霊界と交信するのが目的で研究し出したりするのは有名な話だけれど、そのずっと手前の活きが良い時でさらにライバル同志の争いだからエスカレート具合も半端じゃない。
結局どっちが勝ったかは歴史が証明してるけれど。
何かを成し遂げるには異常なまでの何かが必要なんだろうなと思う。
双方の伝記(電気じゃなくて)はこれまでに読んだりしてきた。
作中には出てこないシーンなんだけれど、テスラのこんな写真見た事ないですか?

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交流電気の安全アピールで読書してる様子を見せつける写真。
個人的にこれが見たかった。

9.「ライドライクアガール」

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オーストラリアの女性騎手がメルボルンカップに出るまでの軌跡。
競馬をそんなに知らなくても熱くなれる。
日本で言うと12月最後のG1有馬記念に出るようなもので(規模は計れないけれどそれ以上)しかも史上初の女性騎手で優勝するという到底有り得ない事が実際に起きたストーリー。
実際に数は少ないけれど女性騎手がいるのも初めて知った。
家族をメインにしたヒューマン系なのでドラマチックなストーリーにラストまでの疾走感が凄く良い。
想像していた女性差別のような社会問題は然程なく障害として扱われる程度で、重くないから魅入ってしまった。
きっちり事実に基づいて危険なスポーツを描いてるので今年の有馬記念はしっかり見届けたいと思います。

あなたのオッズは何倍ですか?たぶんオレは大穴です。

10.「白い暴動」


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クラッシュは70'sパンクスとしてもちろん入門編だけど実際にこの頃にあった人種差別問題も付随して歴史的な知識はくっ付いて来る話で、そんな事があったんだって認知でしかなかった。
ドキュメンタリーとしても近年となんら変わりない問題で国は違えど根深いんだなと思う。
中には出てこないけれど、この最中に生まれた2tone SKAバンド「スペシャルズ」はやっぱりとんでもないアティチュードなんだなって改めて。
パンクロックの意味が深く分かる。
ラストのフェスシーンは熱くなること必至。
いつだったかロックに政治を持ち込むなという言葉が出てたけど、今となっては恥ずかしいんだろうなぁ。
大きく括ってロックの歴史はやっぱり熱い。

11.「9人の翻訳家」

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実際にあった問題をテーマに作られた至極のサスペンス。
全く知らなかったけれどダヴィンチコードが出版された時にあったのか。
出版社が翻訳家の了承を取った上で隔離して作業をさせるところから始まる事件。
本の流出を盾に身代金の要求していく密室サスペンス。
単なる犯人探しの作品じゃなく、伏線回収がいくつもやってくるどんでん返しで後半はモロに釘付け。
徐々に「えっ?!」が押し寄せてきます。
ちなみに2回目観た時に合点行く部分が多々出てきたので余裕があればオススメです。

次は12作目からスタートです。

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