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#9 未完成交響曲

日本一周を終えて、今はベッドの上。

30日間という期間で、日本一周を試みた。
車中泊ではないのか。足にブレーキがないのか。窓にビニールシートを貼らなくていいのか。道の駅を探さなくていいのか。寒くて起きないのか。

明らかに今は昨日までの生活よりも心地がいいはずなのに、なにか物足りない気がする?

車中泊だけでない。MaxValuの電子レンジを借りたり、温泉雑誌で行ける温泉を探したり、しまいには3日くらいは平気で同じ服を着たり、そんな異常で確約のない日々を送ってきた。

間違いなく、初めの1週間はストレスフルであった。

大学一年生のときに戻ったように。コンフォート領域から出て、新しいことが山奥の乾風のようにチクチクと突き刺さってくるのである。

毎日異なる場所に移動して、見聞を広め、情報量が混沌としていて、脳の整理が追いつかなかった。

ただ、それに慣れるのである。順応するのである。異常が通常に変わって、日常になったのである。

だから今、ベットの上が異常であったりもする笑

この変遷が、今回の旅の紛れもない収穫の一つであると思う。

あとは、自分って意外と弱いです。

これも大学四年生にして、慣れた環境に居続けてるナマケモノに突きつけられた現状だ。

自分のできないところを指摘されたり、言い方がキツかったり、食が不安定だとイライラしたり、未熟な部分があることに改めて気づけた。

この感覚は久しぶりで、成長とともに自己形成されて固まりつつある土台を見つめ直すのは簡単なことではなくて面倒で、恐怖であり苦痛だった。

しかし旅の相棒という家族でもなく彼女でもない、仲間のような人間と過ごすことで新たな弱みを発見することができた。

彼とだからできたのかもしれない。彼が僕におすすめした未完成交響曲の歌詞には、

「未完成なんだみんな!生きる限り日々努力して、その度に七転び八起き」
「大切なのは自分が自分であること」

とある。

未完成ではあるのは、当たり前だが、それをどう改善していくかは忘れてはならないだろう。

そして新しく自分を更新していく中で、自分の譲れない部分が出てきて、それを自分の中で折り合いをつけ整理していくことは慣れておくべきだろう。

この旅で、なにが得られたのか、そして今後何かに活かせるかは、綺麗さっぱり分かるわけないが、それを今後知ることができそうなのはワクワクする。

最後に、
日本一周をして、日本は案外小さいなって。

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