011

横断歩道を渡る
信号の色が外に漏れて
空気の粒子のひとつひとつが赤く染まっていた
いつの間にか信号は暗くなっていて
その中にいたはずの男が
いま目の前に立っている
おまえはもうどこにもいけない
と言って
元居た場所に戻っていく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?