017

手首から滴る血液で地図を描く
その上を歩きながら
病院まで
地図を継ぎ足していく
血がいつまでも止まらなくて
心配になったあたりで
病院が現れた
患者は気味悪がって
ぼくに近寄ろうとしない
ナースは不審がっていたけど
意を決してぼくを捕まえた
すみません
それは一体だれの手首なんでしょうか
わかりません
血が止まらないんです
ナースはこうしているいまも
その血を浴び続けて真っ赤な顔をしている
彼女も描かれた地図の一部だったのに
ぼくを捕まえてくれた

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