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Lo-fi HipHopを作ってみたのでTipsや備忘録など

最近個人的に"モタるビート"がアツい。コード感のないガチガチのHipHopとかは正直わからないのだが、コード感のあるバックビート系は面白いと思う。そういう意味で最近はNeoSoulとかLofiHipHopとかをDigることも多いのだが、折角なので自分でも作ってみることにした。というわけで作った感想や気付いたこと等を書いていきます。DTMer向けです。
これが作ったやつ。

音色選び

LofiHipHopにはギターが入ることが多い(個人的感想)。が、自分はギターを弾けないし良い感じの音源も持っていないので、今回はピアノで代用。「適当にメロウなジャズっぽく弾いてビート乗っければそれっぽくなるでしょ」的な考えで作る。参考にしたのはRobert Glasperの"So Beautiful"。音源はThe Grandeurを使用。いつもお世話になっております。

ドラムについてはどんな音を選べば良いのかあまりわからなかったので適当に選んだ。アコースティック系よりはエレクトロ系かなあくらいの基準で決めた。

ベースはNative InstrumentsのMonarkを使用。他のヴァーチャルアナログシンセと比べたことはないのだけど、個人的に気に入っている。Trilianのウッドベースも試したけどアコースティック系は違うなと思いシンセ系に。

打ち込み

ピアノの打ち込みはMIDIキーボで。ミスタッチやタイミング等々はもちろん修正したけど、ボイシング(音の出し方)はほとんど弄っていない。この辺はジャズを割と真面目に勉強してきた知見が生きていると思う。

ドラムの打ち込みは苦労した。一つずつノートを置いていったのだが、やはり「モタり感」を出すにはもう少し勉強しないといけない。キックを早くしたり、スネアを遅らせたりして頑張ったけどどうだろう。

ベースはもっと難しい。MIDIキーボで適当に打ち込んだのだが今一正解がわからない。この辺は実際にベースやってる人の意見とかも聞きたいなあ。

ちなみに大体のLofiHipHopは8beatが多いのだが、今回はシャッフル(三連)ビートで作った。8beat系よりさらに体感テンポが遅くなってちょっと普通とは違うChill感が出たと思う。

コードワーク

Aについては特に言うことのない普通のコード進行。しいて言えばA一回目で
F-9 → GbM9 (V-9 → VIbM9) [0:10-]とやったところを二回目では
F-9 → G-9 (V-9 → VI-9) [0:40-]とやったくらいか。

Bのコードワークは、Eb-9 → F#-9 → A-9 → C-9 と、短三度上進行。かなり不安定なコード進行Noah Kellmanというコンポーザーのインスタで出てきて気になっていたので使ってみた。

ちなみに似たようなコード進行はPeter Erskineの"Push/Pull"でも出てくる。[0:22-]
こっちはE-7 → G-7 → Bb-7 → F#-7 → G-7 → Bb-7 → C#-9 → E-7 → B+/A で、四つ目だけ長三度下降している。

マスターチューニング

普通の曲はA=440Hzか442Hzで作るのだが、LofiHipHopはA=432Hzで作ったほうが良いというTipsがあるのでこれをもとにチューンを下げる。Kompleteはマスターチューニングにそのまま432Hzと打てばいいのだが、Monark(Reaktor)とFM8にはマスターチューニングの欄は見当たらない。Fineノブをいじれば良いのはわかるのだが、432HzにするためにはどのくらいFineを下げれば良いの……? というわけで調べたらNIのフォーラムがヒット。

in Absynth go to "Perform" then change the "Transpose" value to -0.320 that will change the overall tuning by -32 cents meaning A=432 Hz. In Reaktor you can change the "Tune" value to 47.68

Fineを-32にすれば良いらしい(下の画像はFM8のもの)。正しいかのチェックはしていないけど、耳で聴いて特に違和感はなかった。ちなみにチューナーを使ってゴリ押す方法も紹介されてた。432以外にしたい時とかはそのほうが確実かも。

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ピアノのダッキング

ピアノには強めのダッキングをかけたかったのだが、かけすぎるとメロディーも聞こえなくなってしまうことに気付いたので、低音と高音で別々にダッキング処理を行った

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持っているマルチバンドコンプの中にサイドチェイン対応のものがなかったので、仕方なくトラックを増やして対応。高音成分に浅めのサイドチェインコンプをかけることで、ダッキング感はそのままにメロディーが埋もれすぎることを防げた。

ちなみにNeutron Compressorはこの機能を持っているのだが、Attackを小さくできなかったので断念。Neutron EQのほうはリリースタイム等を細かくは決められなかったので断念。

iZotope Vinylを挿す

Vinylとは、レコードの質感を与えてくれるエフェクト。初めて使ったのだけれど良い感じになってビックリした。ただ全ての楽器を通してしまうと低音も高音も細くなってしまうので、色々試したが最終的にはピアノだけを通すことにした。当たり前だが挿す際はバストラックに一つだけ、の運用が鉄板だろう。

Vinyl自体にもピッチを下げる(狂わせる)機能があるのだが、すでにマスターピッチは下げているのでここはあまり弄らなかった。
余談だが、ピアノのReverbにはVinylを通していない。「サンプリングしたピアノの音源を弄りましたよ」感を出したかったため。

ラウドネス規格を意識したマスタリング

最終的にはYoutubeにも上げようと思っていたので、折角なのでYoutubeラウドネス規格を意識したマスタリングにしてみた。ただし曲調を考えるとガッツリ音圧を上げてしまってもいいのかもしれない。マスタリングにはOzone9を使用。

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今回はWLM Loudness Meterを使用。セッティングは調べても中々ヒットしなかったのでプリセットを適当に選択。EBU R-128 LUFS 18をもとに、short termの値が-12 ~ -14前後になるように調整。そしたらOzone9のMaximizerが下のようになった。

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水色がゲインリダクション。全然かかってねえじゃねえか!!! どうやらYoutubeのラウドネス規格に準拠することを意識するのであれば、Maximizerは不要ということらしい。

ちなみにYoutubeにあげた結果としては0.8db下げられるだけで済んだ。ある程度潰れた感を出すために、もう少し音圧を上げてもよかったかもしれない。

終わりに

以上の話を踏まえてもっかい聞くとより楽しめると思います。

ところで、ちゃんとLofiHipHop作るんならギターは絶対欲しい。ギター弾けるようになりてぇ……!!!

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