銀ちゃんといっしょ 82

ごんさんぽ 12 毛糸玉

久しぶりに編み物を始めた
楽しい

でも私はいつも

そこそこやって
そこそこ出来てきたら
嫌になってきて
めんどくさくなってきて
完成する事なく
やめる

もしくは
全部ホロホロホロと
ほどいて
毛糸玉を作り
その糸で違うものを編み始める

そしてまた

そこそこやって
そこそこ出来てきたら
嫌になってきて
めんどくさくなってきて
完成する事なく
やめる

この繰り返し

そうして
編みかけだったり
ほどいて毛糸玉になってたりするものが
編み針と一緒に
レジ袋に入れられて
放置

そんな膨らんだレジ袋がいくつか

ある時みつけては
〝なんだこれは？〟と開ける
見なかった事にして
放置

それがあるのに
また買ってしまった

少しずつ編む感覚を思い出しながら
珍しく編み図なんか見たりして

でも
ヤバい…

もう〝遊び〟を忘れて寝てばかりのカン太が
珍しく寄って来て
子どもの頃のような眼差しで
糸をじっと見てる
ちょっと手を出しては
首をかしげる

次に栗丸とまきちゃん
この二匹は遠慮しない
手で
口で
興味津々

肝心のところで引っ張ってくれる
少しほどける
編む

また引っ張る
ほどける
編む

もう猫部屋へ帰ってもらおうか

でも
やっぱり猫に毛糸は似合う

可愛い

真剣な眼差しも手の動きも
たまらなく愛しい