見出し画像

銀ちゃんといっしょ 5

ごんさんぽ 2

ごん太の散歩は20分から一時間
井戸端会議が始まれば30分は超過
そんな時ごん太は静かに座って私を見ています

私は会う人 会う人に挨拶をします
初めは俯いて知らんぷりだった人が
だんだんと笑顔になり
挨拶の声が大きくなり
しまいには気候の話どころか
孫の話までするようになります

怖がりのごん太も
その頃にはしっぽをあげて
怖がる事なく甘えてみせたりできるようになります

自転車を押して歩く男性に道を尋ねられました
自転車でも危なくない道を説明して
〝お気をつけて〟と見送って……

実は数回目なんです

初めて声をかけられた時は
ごん太の事を愛しそうにながめて
犬を飼っていた事
死んでしまった事
そんな話をひとしきりした後
道を尋ねられました

〝丁寧に教えてくれてありがとう〟
そう言って去って行く後ろ姿を見て
道を尋ねたかった訳じゃないのかな?と
漠然と感じました

それから何度か散歩コースの別の所で顔を合わせ
やはり道を尋ねられます

毎回初めて話すように聞かれた道を説明し
〝お気をつけて〟と言うと
毎回同じ静かな笑みを浮かべて
〝丁寧に教えてくれてありがとう〟と
立ち去ります

何かを感じていただけたらお願いいたします! いただいたサポートは他の方々のサポートへと繋げたいと思います。