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【特別・長編】成立したばかりのM&Aを振り返るZOOM座談会|Vol.324

今回は特別編!M&A BANKが関わっていたあるディールについて、関係者の視点から振り返ります。
ゲストには相手側のアドバイザーを務めた、ブルームキャピタル宮崎さんが登場です!

■宮崎淳平 株式会社ブルームキャピタル 代表取締役社長
ライブドアグループ、株式会社セプテーニ・ホールディングス、株式会社社楽にてM&Aアドバイザリー業に従事。その他にもプライベートエクイティ投資案件、資金調達案件、及びファンド組成・運営を多数経験。2012年にブルームキャピタルを創業。同社は会社売却に特化した日本随一のファームとして知られている。『会社売却とバイアウト実務のすべて』著者。


#324  【特別・長編】成立したばかりのM&Aを振り返るZOOM座談会

実はあの案件、M&A BANKが関わってました!

7月31日に開示された、ポート社によるドアーズ社買収
売り手側にブルームキャピタル宮崎さん、買い手側にM&A BANKがついていた

クロージング3日前までブレイク寸前だった?
最後は契約書の内容(主に表明保障)でせめぎ合い
表明保証が発動されると、売り手は不利になりすぎる との主張から
しかし、最後は双方がクロージングに向かって手を取り合った

大きな規模のM&Aではよくあることだそうで、宮崎さんはクロージング直前、夜中3時まで起きていることが多いとか。
今回争点となった表明保証は、会社を所有し業績を回復させられる買い手に比べ、売り手は会社を手放しているうえ、手元に残る金額も減ってしまうため、売り手は厳しい条件を避けたかったそう。

「不安に思っていることは正直に・ダイレクトに伝える」がカギ
契約内容についての交渉の際は、不安に思っていることを隠さずに伝えることが大事
意図や理由を隠すとかえって相手を不安にさせる
それまでに信用し合える関係を築いておけば、気持ちよく譲歩しやすい

売り手側アドバイザーに特化している宮崎さんは、契約締結1週間くらい前の段階からはいつも「本音をすべて伝えるように」とアドバイスするそうです。
最初から言ってしまうと交渉戦略としてはよくない結果になることもありますが、最終的には論理的なこと・感情的なこと、いずれも気になっていることは正直に伝えることで、わだかまりのない成約を実現すとか。
今回の場合、売り手である西原さんは最後、「愛が足りない」とも伝えたそうです。

ケンカするより、信頼してもらうことを心がける
売り手側アドバイザーの宮崎さんは、相手側と喧嘩したり威圧したりはしないそう
「どうすれば買い手がこの会社を買収後もうまく成長させられるか」を考えるのが大事
本来は買い手がやるべきことを手伝うなどした気遣いは相手にちゃんと伝わる
信頼関係を築けると、お互いスムーズに譲歩できるようになる


今回のディールのポイントは?

利益が出ている業界No,1の売り手は強気で交渉できる
小さい会社は買ってもインパクトが大きくなく、自分で作れると思われることも
その点、大きな価値を持つ会社は買い手も価値をいかしやすい
強みを本当にいかしてくれる買い手を探すことが大事

買い手に損をさせることはすべきでないが、魅力を不当にディスカウントされないようには進めるべき。そのノウハウを持つアドバイザーを頼ること。
たとえば、もともと今の交渉相手よりも高いオファーがあった場合、その事実をきちんと伝えることで価値を感じてもらうこともひとつの工夫です。

リスク・争点となることは交渉前にできるだけ解決を
売り手・買い手で評価や捉え方が異なり、条件が定まらなくなる
事前にある程度解決しておくことが望ましい
リスクを考慮する前の基準となる価格を売り手・買い手で一致させることも大事

成功するM&Aに当てはまる条件が揃っていた
条件①ビジネスデューデリの量が財務・法務よりも大幅に多いこと
条件②買い手の社長が最初から最後まで深く見たディールであること
買い手社長、春日さんはいずれにも当てはまった

安定企業とは違い、さらに成長が見込める案件のM&Aでは「トップが本気で取り組んでいること」が成功の重要な要件となるそうです。リジョブを買収した時のじげん平尾さんも同じだったとか。
春日さんはその点を満たしていたうえ、買い手を嫌な気持ちにさせないヒューマンスキルも持っていました。

ZOOMでもM&Aはできる⁈
コロナの影響で、成約まで売り手と買い手は2回くらいしか会っていない
サポートの島袋に至っては、成約時はシンガポールにいた
もし会えなかったとしてもおそらく成約は可能だった




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