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味方であり敵であるM&Aアドバイザー|ニュース解説プレミアム Vol.19

以前限定記事でM&Aに関わる各プレイヤー(買い手、売り手、アドバイザー)による悪質な行いをとりあげました。

今回もまた注意喚起に意味をこめて記事にします。
セカンドオピニオンの依頼があった方からの相談事項をもとにしています。本人の承諾はありますが、内容は大幅に修正しています。



スタートアップA社のオーナー兼経営者であるBさんは1年内の会社売却を希望しており、M&A仲介会社C社と契約をしていました。
この段階で私に相談がありました。
この時点では具体的な相談内容はありませんでしたが、Bさんのニーズとしては、「M&Aは経験がなく、C社の提案が妥当なものかわからず不安なため、第三者である専門家の意見もききながらM&Aを進めたい」というものでした。

そして買い手候補探索中に、このような提案がC社からあったそうです。
「資金をもう少し確保して経営に集中できるように、銀行借入をした方がいい」

一般的な仲介会社であれば買い手探しや、いくらで売れるかにしか興味がないので、その他の会社経営については興味を示さないことが多いです。
そのため一般的にはこのようなアドバイスは珍しいのですが、Bさんから話を聞いたときになぜこのようなことを言ったのかすぐにピンときました。


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