コロナショックの直前に売却できた理由|ニュース解説プレミアム Vol.10
前回の限定記事で書いた通り、景気悪化のタイミングなど経営環境が悪化する瞬間というのはわからないことが多いです。
事業がうまくいっている時、まだまだこれから成長すると考えている時に売却を検討するしかありません。
今回はそれを実行できたケースについて、少し内容を変えて書きます。
コロナショック直前で成立したM&A
2020年2月、あるM&A案件がクロージングしました。
売り手企業A社は一般的に景気の影響を受けやすいとされる事業領域です。
A社の100%株主かつ経営者のBさんは、今回売却したことを知人などに話すと、良くこのギリギリのタイミングで売ったな、絶妙な判断だったな、などと言われるそうです。
それではAさんが今回の環境悪化を予測していたかというと、もちろんそんなことはありません。
A社は事業の成長余地があり、Bさんは経営者としてもまだまだコミットしていきたいと考えていたので、必ずしも売却しなければいけない理由はありませんでした。多くの経営者ならこのタイミングで売却を考えることすらないでしょう。
事実、Bさんも絶対に今売りたいとは考えていませんでした。