2023/02/25 占星術文化のお話

(無断転載禁止)
自分の占術実技の磨きはそこそこに、占星術の文化と歴史にハマって東西をふらふらとしている私です。その近況を。

インド占星術の清水先生とチベットのサキャ僧院の話

少し前にスペースでお伺いした日本のインド占星術先駆者のおひとり、清水先生のお話は大変興味深かったです。お話の詳細は私がインド占星術にさほどは明るくないというのもあって、気になったところだけしか飲み込んでいないのですが、「インド占星術はまだ1%くらいしか現代では使用されていない」というお話。

その時にすぐ思い出したのが2003年に見つかったと噂の「サキャ僧院」のこと。これも今年2023年の最近になって、私がたまたま見かけたツイートで気づいたものです。ふじむらさんのツイートを引用させていただきますね。

一連のツイートを拝読すると、サキャ僧院の書物蔵について大体の概要がわかると思います。しかし最近まで私もこの話を知りませんでした。大体の古代文書の話はオカルト分野から迅速に出ますが、内容公開に乏しいせいか話としてはやや地味なのか私には新発見の情報。
西暦で1000年ほどの書物蔵なので、当然それより少し前時代のものが中心になるでしょう。これ、たかだか1000年ですがそのくらいの古い情報を辿るのも意外と侮れないものがあって、現物はわずか1000年前のものだったとしても、その書物を編集した情報がさらに1000年〜数千年ほど昔の古代の知恵の転記だったりもするわけで。諸々期待が大きい話です。

さて、そそのサキャ僧院がどこにあるのかと確認するとインドではなくて今は中国。Wikipedia サキャ寺)
アレッ?インド占星術から話に入ったのに国が違いました。今となっては中華人民共和国チベット自治区のシガツェ市サキャ県です。チョモランマ近くにあるチベット奥地の寺院の一つで、仏教サキャ派の総本山と覚えておけばいいと思います。場所が気になる方には、ハイ、グーグル地図

近いのですよ、インド北方と中国奥地とチベット文化の距離は。
もうこのへん国を跨いでいろんな歴史がありすぎて、インド奥地扱いだったり、中国だったり、ギリシャの続き文化だったりが入り乱れてるから、今確認できる情報もアルファベットだったり漢字だったりデーヴァナガリーだったりの地域。昔のお坊さんは知性の象徴でもあったわけですが、その理由もお察しですね。
自分は、サンスクリット語の「スートラ」=漢字の「経」の意ときいて漢字ハードルがやや下がりましたが、その反応は現代日本人が漢字とひらがなカタカナとアルファベットを使って毎日生活しているからで、そんな国で育った人ばかりではないのだから僧院の古い文献の解読だって時間もかかるでしょう…。
現在の翻訳は20%。上記ツイートにあるように分野として天文学の記載もありますが、当然、時代を考えると、その天文学はイコール占星術の話でもあるわけで。解読チームに占星術を読めている学者さんが何人かはいて欲しいという期待✨

この件でやはりチベットは奥深いと感じましたが、そもそもチベットは日本人にとっては特別な場所で。人類が大陸中心部から各地に広がる際、日本への伝播ルートとした経由地に南方ルートと北方ルートがありますが、チベット付近は南方ルートとして日本人と同系統遺伝子が色濃く残る地域です。
最近になって遺伝子追跡でその経緯がはっきりと判明しましたが、どうりで昔からチベットの部族の方々を写真や映像で見るたびに、うちのおばあちゃんにかなりそっくり…と思ってたことに納得しかなく。(同じような感想を持つ人は日本人に多いと思う)
北方ルートはキルギス・カザフスタンですね。中国ロシアよりのルート。キルギスでは土地に伝わる伝承として「日本人とキルギス人は兄弟、同じ部族の魚が好きな人が日本に渡った」という話があるそうで。これは意外と有名な話で何度か聞きますが、こちらのWEBでもキルギスコラムに登場しています。( おとなの週末web https://otonano-shumatsu.com/articles/261120
全部を解読し、もしそれが一般にも公開されることがあったなら、地球のこの2000年3000年の歴史の向こう側がもっともっと見えてくるのでしょうね。楽しみ。

また先のお話で、インド占星術の清水先生が「(これだけの資料がインド文化にあるのに)ギリシャから渡ってきたということはあり得ない。」と言及されていたのがとても印象的でした。
このへん曖昧なのです。西洋文化圏では西洋文化圏からの話をしますしインドはインド目線の発信をしますが、お互いの国境、時代による成熟がどこの場所と言い難い文化に対して相互に影響を与えて発展し続けてきたものなので、それぞれの言語での話になりやすいです。

宿曜経と矢野道雄先生の話

また、宿曜経もいまだにその大きな混乱にあります。
宿曜経といえば日本でもお馴染み真言宗の占いですが、この宿曜の話のカオスさと不確定要素をどう処理するかの迷いどころは、矢野道雄先生の著書で記されています。(全体的な天体位置が頭にないと矢野先生の本を読んでも意味不明だと思うので、西洋占星術素養+宿曜の情報ある方におすすめ
インド占星術を実占してきた清水先生の場合、当然インド側の情報を多く知るので、その答えに到達するのは当然に思えました。国の宗教哲学として占星術を守ってきた経緯がありますし、社会が生活で占星術を必要としてきた時代も長く、占星術の技術証拠が多く現存するのですから。
ヒンドゥー教にも西洋文化側にも中国にも「大宇宙と小宇宙は同じ」の哲学概念あります。古代から特にどこの国とはなしに、人類の文明中で教えとされたものである予感。西洋占星術で知られるエメラルドタブレットって割と最近の話で、それ以前から言われてきたのは東洋の方から情報としてあるのですね。私が知る限りではヒンドゥーの方が情報古いです。

この辺は西洋の占星術師も、特に古典の占星術師さんなら臨場感を持って興味深く感じるところでしょうし、ギリシャエジプトの他にインド、アラビア、中国を巻き込んで何か出るたびに現在進行形で更新されていくと思うので、古い方にもどんどん話が新しくなっていくのだろうと思います。私も楽しみにしています。

矢野先生の話で気になった点は南インドの話。以前カースト制度について調べた時、何度も「ドラヴィダ人」という名前を読んだ記憶がありますが、インドは北方がコーカソイドで、南方が彫りの浅いアジア人に近い顔立ちの別民族で構成されている国だということをご存知ですか?言われてみれば…という感じだと思います。
インドの首都がニューデリーで、あの場所にあるのですから、国のリード権を握るのはやはり宗教や文化の発達メインを担ってきた北インドの方。立地として大陸中心部に近いから成り行きとしては当然です。
しかし現地民が南インドに追われ南下した歴史があり、昔からの文化は意外と南インドにあるようなのですね。それが矢野先生の本にも書いてありました。高度技法は南インドの占星術師が持ってると。( ・∇・)おぉ!
えっ、じゃあ北インドの有名僧院て…?って思う。
「人」を辿って技術現存している場所と、「書物」「文化」として記録が残されている場所が分離してき…た?この辺はもう実際に近い距離からインド文化に触れた方にしかわからないでしょう。
この辺はあとで改めて民族文化と歴史に立ち入る必要を感じました。

掛川先生の密教姓名学の吉凶の話

最近は密教姓名学を読んでいました。掛川東海金先生の著書です。
普通の画数占いにプラスして考える項目が記載されており、自分の名付けに必要だから見ていたのですが、これ買ってみてよかったです、面白いです。モダン西洋占星術から入ると、吉凶をはっきり明言する東洋の占断結果の出し方って特殊に感じるので、その根拠は何か?というあたりを興味深く思うのですね。
本の中で、音も文字も全エネルギーを菩薩対応させているのを知って、色々納得いきました。十干十二支の循環と同じで、AとBを掛け合わせるとだいたいこんな機能とか解釈セオリーみたいなのがあります。そこでA単体だけなら気にしないけどAとBが結びつく循環はハイリスク、Cはどれとくっついてもリスクないなどが十干十二支のように機械的にある程度出せます。
それが吉凶のソースなのですが、ここで重要なのは「誰にとっては」という命の方を考慮されていないところ。
西洋的にいうなら、牡羊座は火星からのリスクが強いと出るゾーン。しかし元々火星の住人だと火星の凶意が出ても本人が行動消化する側面があるので、ただの凶意にはなりにくいみたいなものに近いですね。
その考え方は他の中国占術にも共通で、例えば四柱推命で大運と年運の掛け合わせによっては長期何しても低調みたいに出る場所ありますが、実際にはそこまでは酷くない。
規則性をもって一定ルールで各菩薩相性で別星巡りを吉凶定義していくと、特定の音続き、特定字数、特定行動で吉凶判断が出て、ある音を使ってあると他より偏ってハイリスクばかりみたいに情報が出てしまうわけです。
(基本的に刺激が強めゾーンをリスクカウント=凶定義にしがち。)

私が東洋占術について語彙を知らなすぎるので、うまく説明できていませんが…
まぁそんなわけなので、西洋占星術は汎用性高い情報をふんわり加工させがちですが、東洋の場合はなぜか汎用性を高くすると菩薩がらみでやたらしんどくなりがちなので、お寺でひいたおみくじは凶がやたらと出るけどまぁ気にしなくてもいいかもね?という話でもあり…

占術の磨き&カスタマイズ方法として。
ひたすら結果照合する検証は早いし量をこなせば見えてくるので、特定のやり方の有無を自分で選択しやすいですが、それだけでスッキリしないパートがもし占い方にあったなら、その仕組みを一回解体してまた戻すと納得のいく形で再構築しやすいと思います。
また東洋畑で何かと先生と弟子の関係で濃度上がりやすく、自己流アレンジをしづらいのは、実天体を使用しない点と、宗教的配慮によるカスタマイズしづらさ(菩薩対応された時点で信仰になり定義再検討をしづらい)に原因がありますが、定義の再検討と数値的な計算に立ち戻ることができると一つの発想の自由を得るように思いました。

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鑑定案内をここでほぼしていなかったのでたまにリンクを。フル鑑定は西洋占星術モダン(心理主軸)で読みます。そこに少し東洋とタロット混ざります。
一見、星の玄人感がある方も、学習時には自分ごとではないから結果に耐えられるけれど、自分の不安真っ只中には難しいです。こちらは当て込み以上に未来デリカシーを添えたガイドに注力させていただいています。よろしくどうぞ。


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