『ノルニルの館』『Dear Ghost』

『ノルニルの館』『Dear Ghost』花野木あや( @ayami076 )を読みましたという話。※敬称略

感想をTwitterに載せようとおもったのですが、核心部分に触れそうだったので、noteに投稿します。未読で触れたくないなとおもった方はご注意ください。

これは、花野木さんの同人誌の感想です。

関西の方のイベントに参加されていらっしゃったり、期間限定で通販をされていたりしてらっしゃいます。


『ノルニルの館』あらすじ

数年ぶりに里帰りをした静は祖母の屋敷の前で一人の少女と出会う。雨に濡れる少女は、まるで大正時代の女学生のような格好をしていた。雨と金木犀のかおりとともに訪れる彼女の正体は……

『Dear Ghost』あらすじ

妖精とともに暮らす少女は、ときおり青白い影を持つ幽霊と出会うことがある。それはきまって、妖精がいないとき。幽霊のことを知りたいと少女が願ったことで、止まっていた時が動き出す…


どちらの作品もやわらかな文章で綴られた繊細な物語だとおもいました。手製本の装丁も、小説もとてもうつくしくて! 大好きだなあと読みながらにこにこしてしまいました。

『ノルニルの館』は、雨と金木犀が繰り返し出てくるモチーフなのですが、金木犀の季節になったら読み返すと、読み終えてすぐに決めました。雨の夜にあたたかいお茶と一緒に。

わたしの一番の好きなポイントは、静と詩子が手紙でやりとりをするところです。かわいい!


『Dear Ghost』は、妖精たちの屋敷なので不思議なことが当たり前に起こる場所なのですが、個人的に好きなのが絵画のなかの人物たちが生き生きと動くところ。主人公の良き相談相手になるのが、絵画のなかにいる伯爵というのが、堪らないなあとおもいます。そういうの大好きです。


2作品を続けて拝読したのですが、読み終えたときに『不思議な国の少女たち』ショーニン・マグワイア(東京創元社,2018年)を思い出しました。

http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488567026 )

これは、不思議な国に行って戻ってきた少女たちの物語なのですが、『ノルニルの館』は残ることを選んだ物語で、『Dear Ghost』は戻ることを選んだ物語だなあと。

どちらを選んでも、少女たちにとって大きな決断で、でも決して後悔なんてしない!という力強さで飛び込んでゆく姿がとても素敵だとおもいました。少女たちの強さですね。


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