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私はお酒が飲めない

 アレルギーだから。そんな私が『また乾杯しよう』のお題で書くのもな。って思いつつ書いてみる。

 最初に書いたように私はアルコールのアレルギー。両親も兄弟も飲める。亡くなった祖父母も飲んでいた。血は繋がっていないけど夫もお酒が大好きだ。

 私はというと飲むのはもちろん肌に触れるものもアルコールが入っていると使えない。

 アレルギーの癖に美容意識は高くない。よく考えずに日焼け止めを塗り、デコルテが湿疹だらけになったりもした。その失敗を機に成分表示を真剣に見るようになったからドラッグストアで化粧水など見ているときはだいたい美容のアドバイザーさん?に声をかけられる。意識高い人だと思われているんだろうな。

 そんなアルコールを避ける生活をしているから乾杯はいつもお茶かジュースか。そして外食後はドライバーとして昔から大活躍。なんなら3往復して家族と親戚を送り届けたりもする。

 そんなドライバーな私は飲めないが居酒屋は大好きだ。のんべえだらけの環境で育ったからおつまみみたいなメニューが大好きなのだ。だから飲めたらいいのにと40になった今でも思っている。

 のんべえ家族の中でも特に7年前に亡くなった父はお酒が大好きだった。湯呑みに日本酒をなみなみ注いで「こぼれるよー」と言う子どもの頃の私に『表面張力』の話をしていた。

 教師だった父。家にはよく職場の方が遊びに来て賑やかに飲んでいた。部活の大会後は地元の焼き鳥屋で相手校の先生たちと飲むのが定番だった。私もちゃっかりお供していた。

 癌が見つかり、亡くなるまで7か月。病院からの一時帰宅ではビールを少し飲むのを楽しみにしていた。葬儀のときはお棺の中がお酒でいっぱいだった。仏壇にはお供えにいただいたビールや焼酎の蝋燭があった。あの蝋燭たち、匂いはお酒だったんだろうか。

 天国とか死後の世界の存在を信じているようないないような私だが、都合良く考えていることがある。身体が亡くなってからならお酒飲めるんじゃない?って。だって湿疹が出ることもましてや中毒症状を起こすこともないんだから。

 現在私は夫と2人暮らしだ。私と言うドライバーがいるから夫は外食したら必ずと言っていいほど飲む。酒好きの気のいい夫を父はお気に入りだった。そして三兄弟の真ん中で唯一の女の私を父は溺愛してくれたと思う。

 クリスマスや誕生日のお祝い夫はワインを買い、私はワインみたいなボトルのちょっといいぶどうジュースを買う。父が一緒にいてもワインは飲まないだろうなぁ。また表面張力で湯呑みから溢れるほどの日本酒を飲むんだろうな。形に拘らないで好きなものを飲むのが楽しいんだと思う。父は日本酒で、母と夫はワインを半分こ。私はどうしようか。昔アレルギーが発覚する前に飲んだだけだから甘いカクテルしか飲めないな。

 でも湿疹も倒れる心配もないんだから父と日本酒飲んじゃおう。美味しいかは分からないけどね。

 

 

 


 

 



#また乾杯しよう

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