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2024年6月のムード

最近ハマっているアルバムの感想と、好きな曲について書きます。


Randy Goodrum - Fool's Paradise

少し前に自分の中でJeff Porcaroブームが起こりまして、その際に購入したアルバムです。ポーカロのドラムはもちろん最高なのですが(なにがいいって、音が綺麗なんですよね)、とにかく曲がいい! いわゆるAORに分類されるようなスタイルの音楽で、82年作ではあるもののしっとりした(キラキラしていない)音作りで、そこも好きなポイントです。

★好きな曲

 One More Fool

 Jeff Porcaroがすごくいい仕事してます。ハイハット中心に、スネアもバスドラもいい音で綺麗に鳴っていて気持ちいいですね。エレピのバッキングをメインに据え、歌はコーラスとともにじわじわと熱を帯び、熱くなりすぎることなくグルーヴしていきます。

 Savin' It Up

 胸キュンイントロ……! これまたJeff Porcaroのプレイが見事です。この曲はとにかく歌が立っててよいです。サビ部分には部屋の窓を開けた時のような風通しのよさを感じます。

 One Step Ahead Of The Bad News

 このアルバムが好きな理由の半分はJeff Porcaroのドラムが気持ちいいから、な気がしてきました。ほんとうに綺麗で気持ちいいプレイをしますよね、彼は……ハイハットが特にシャープな響きで気持ちいいなと思います。


The Sundays - Blind

The Sundaysは10年ほど前にジャニスでCD(1st)を借りて、すこし聴いてそのままだったのですが最近ようやく魅力に気付きました。The Sundays最高ですよ。
何がいいって、まず歌ですよね。ミステリアスで、憂いを帯びたHarriet Wheelerのヴォーカルは一度ハマったら抜け出せません……そしてギター! メランコリックなコードのアルペジオ中心のプレイスタイルは実に個性的で、曲に華を添えています。

★好きな曲

 Goodbye

 すこしダークな雰囲気で始まる本曲。0:14でシンバルとともに視界が開け、歌の入りとともに一気に空高くまで昇っていくような爽快感があります。
  ギターのアレンジが良いですね。アルペジオはもちろん、カッティングのフレーズだったり感想のノイジーな音色だったり……曲の世界を伝えるために、細かいところまで考え抜いている感じがします。

 More

 The Sundaysらしい雰囲気を纏った曲。これまたギターが良いんですよ……Bメロ(?)の歪んだギターが好きです。歌を引き立てつつ自らも主張するフレージングが見事です。それにしても良い音色……

 Love

 明るいムードの曲です。ネオアコ的ともいえるアコースティックギターと、エレキギターの開放的なサウンドがなんとも魅力的! ギターの話ばかりですが、Harriet Wheelerの歌がよく伸びるところも大好きです。低めの声も高い声も美しく(倍音の出方が良いんだと思います)、目を閉じて聴くと至福のひとときを過ごせます。

John Scofield - Combo 66

 先日彼の来日公演を観て、ライブの編成と近いメンバーで録音された本作がマイブームになりました(ds ビル・スチュワート、b ヴィンセンテ・アーチャー、p ジェラルド・クレイトン)。ライブで生で聴いたJohn Scofieldのギターと近いサウンドが聴けるので興奮度が非常に高いです。彼のギターはなんとなくダーティで『大都会の路地裏の暗闇に潜む何か』を思わせるワクワク感があります(伝わる……?)。とにかくスリリングで刺激的なんです。

★好きな曲

 Can't Dance

 テーマの部分のギターのフレーズが好きです。ちょっと切ない感じがします。音色がまたセクシーで良いですね。テーマに続くフレーズもヘンテコで楽しいなと感じます。

 Icons At The Fair

 ゴキゲンなトラック(?)です。John Scofieldのねじれたギターを堪能できるところが好きです! こういうフレーズが来たから、次はこうなるかな……? という予想を裏切りつつも気持ちいいツボをとことん突いてくるプレイは流石です。彼のギターはメロディアスとは言い難いけれどもすごくキャッチーなんですよね。

 Dang Swing

 本作で最もスリリングだと感じる曲。途中ギターだけになるところがあって、そこがクールでたまらなく気持ちいいんです。ピアノソロもまた良いです! 大空に飛び立つような清々しい開放感があります。

Toninho Horta - Toninho Horta

最近ブラジルの音楽(MPB)にハマっていて、その中で特に好きなアルバムがこのToninho Hortaの2ndです。ミナス・ジェライス州で生まれたミュージシャンの作品はどれも素晴らしく良いですね。複雑で繊細なコードの運びに胸が張り裂けそうな感覚を覚えます。はじめは使われている和音が難しく感じて真価がわからなかったのですが、繰り返し聴くうちに虜になってしまいました。

★好きな曲

 Aqui, Oh!

 のっけから凄まじく良い曲! ギターがとにかく独創的で巧みです。濁っているようでスッキリ爽やかな積みのコードが多用されているのですが、これは自分には到底使いこなせない……すごいです。魔法的な力を感じます。

本人によるギタープレイ動画! ギター1本ではありますが、非常に豊かな響きです。



 Prato Feito

 リードギターはおそらくパット・メセニーによるもの。透明でミステリアス(と僕は感じます)なフレージングがトニーニョ・オルタのバッキングとよく噛み合っていて心地良いです。比較的長尺の曲ではありますが、ずっとサビみたいな高揚感があり、ソングライティング能力の高さだったり、プレイヤーとしてのレベルの高さを感じさせてくれます。

 Manoel, O Audaz

 やわらかな新緑が太陽の光に透けて、さらさらと揺れているようなやさしい曲、と思います。まだたくさん聴けているわけではないのですが、今まで出会ってきた曲の中でもトップレベルに素晴らしい曲だと感じています(5本の指に入ってもおかしくないほどに……)
イントロの一発目のコードが強烈です。一瞬にして目の前の景色が変わってしまうような力があります。そして、とにかく歌がいいです!! 張り詰めた緊張がじわじわと解けてゆくような感じがします。
この曲の最も素晴らしいポイントは曲の中盤から始まるパットメセニーによるギターソロだと思います。どのフレーズにも一切妥協・無駄がないように思えるほど素晴らしいソロです。常にクライマックスのような切なさを帯びたプレイ、ぜひ聴いてみてください。


Jaye P. Morgan - Jaye P. Morgan

 スウィートさがたまらない本作。こちらもJeff Porcaroが演奏しているアルバムを探していた時に見つけました。Jaye P. Morganによる歌唱もすばらしいのですが、演奏陣もかなり豪華で凄まじいです。先日車に乗っている時に流したのですが、すごくマッチしていました。家で聴くより車で聴くほうがハッピーになれるタイプのアルバムですね。

★好きな曲

 Here Is Where Your Love Belongs

 TOTOのDavid HungateとJeff Porcaroがリズム・セクションを務める曲。グルーヴの安定感と腰に来る感じが素晴らしいです。音の隙間の使い方がすごく巧みです。一瞬音が途切れるとピリッと緊張が走りますが、次の瞬間には抜群の安定感で演奏が戻ってくる。そのスリルと安心のバランス感が気持ちいいんです。

 Let's Get Together

 この曲でもDavid HungateとJeff Porcaroの演奏が聴けます(別に彼らがプレイしているからフェイバリットに挙げているわけではなく、たまたまです)。この曲、ハイハットの切れ味が鋭くて好きです。一流のプレイヤーの生み出すノリって本当に良いですよね。でっかいスピーカーで爆音で、踊りながら聴きたいです。

 You're All I Need To Get By

 このアルバム、全体的に音作りがゴージャスで気持ちよくて好きなんですが、この曲は特に良い感じです。女声・男声のツイン・ヴォーカルの高揚感が凄まじいです。そこにハッピーなストリングスとハイテンションなサックスが加わるのでもう気分は最高潮です。


Lo Borges - Nuvem Cigana

砂漠で故郷を想う時の音楽だと勝手に感じています……(なんじゃそりゃ)
メロディの良さだったり、アレンジの妙(ビザールな質感のギターがポイント!)が光っています。なんとなく、Mac DemarcoのSalad Daysを思い出すような、ほんのりサイケデリックな単音のギターフレーズが好きです。

★好きな曲

 A Força Do Vento

 なんとなく、ひどく懐かしい感覚がするのは僕だけでしょうか。歌声がすごく良いですね。遠い記憶を辿って、心の中を旅しているような感じがします。ストリングスが郷愁を誘うような音色で美しいです。

 Nuvem Cigana

 イントロのフレーズが死後の世界で鳴っている音楽のように感じられて好きです。歌のメロディがすごく良いです!!! 他ではなかなか聴けない独特なメロディなんですが、これがものすごい儚さを帯びていて、消えてしまいたくなります。

 Ritatá

 イントロのシンセサイザーの音色がすごくノスタルジックでグッとくる一曲。遠くの世界へ飛ばされるような心地がします。間奏もまたなぜだか懐かしくて、聴いていると胸がキュッとなります。

 

おわり

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