見出し画像

コンクリートのくぼみに座る


今月のバイト代10万超えた!恋人からAesopのハンドクリームもらった!スタバの新作飲みに行った!etc………….

嬉しい、たのしい、感情に強さなんてない。そう思う一方で、幼いころに感じていた様々な感情と比べてこれらは、すべてが弱い、何かが劣る。そう感じてしまうことが最近よくある。
愛読雑誌GINZA、仲野太賀君と西加奈子さんの対談企画のなかに、こんな一節がある。

西 基本、誰かに物差しを預けていない人。いわゆる〝お金を持ってる〟とかは、みんなが持っている物差しで、おもんないやん。それよりも〝何がええん、それ〟みたいな物差しを持っているほうが男女問わずグッとくる。

太賀 そこに誇りを持っているような。

西 うん。今、こういうお仕事をしていて、太賀さんに会えたりとか、憧れてた芸能人と会えたりもするけど、それを自分の目標にしてしまったら絶対しんどいと思う。このあいだ、〝誰々さんに会った!〟とミーハーな気持ちで帰っていて。家の近くに、誰かが固まる前に座ったのか、むにゃって凹んでるコンクリートがあって、ずっと座ってみたかったの。

太賀 あははは。

西 で、夜やし、酔っぱらってるのもあって座ってみたら、めっちゃぴったりでうれしいってなって…。〝芸能人に会った〟より〝このくぼみが好き〟というほうがうれしい人生のほうが豊かやし、強度があると思った。このことを忘れへんって思ったんよ。

太賀 ステキな1日ですね。

西 いつか、そういうくぼみのことを見逃してしまう夜がくるから、気づける自分でありたいなって。

いつか、そういうくぼみのことを見逃してしまう夜がくるから、気づける自分でありたい

ママチャリの後ろに乗せられた幼児が枝を嬉しそうに握ってた、
道端に落ちてた変なメモ、
犬をじゃなく犬に散歩されてるかのようなおじいさん、
汚い排水溝のふちに咲く花のきれいな紫色。

大人になって知っていることが増え、できることが増え、なのに同時に小さなことに気が付く喜びや輝きを失っている気がしてならない。これは少し前にツイートしたのだけれど、これに気が付けてよかった。

感情の成長と、それに伴う感情の簡素化について

西 加奈子さん、いい男って、なんですか? 俳優・太賀が聞くvol.2 | 【GINZA】東京発信の最新ファッション&カルチャー情報 | CULTURE (ginzamag.com)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?