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Maa2のダンス遍歴(36)~韓国反省会~

【一行でわかるあらすじ】
韓国でゲストショーを踊り、ゲストバトラーとして踊り、予選落ちた。

韓国での失態と衝撃の事実に俺は震えていた。
まず失態についてである。
前回の動画を見てもらえれば分かる通り、小池が作った海外フリ間違え伝説を大幅に更新したからだ。

ラストにショーをやらせてもらって、さらにラストに近い締めの部分、ンロクがやるワッキンゴジャンプという全てのクソ技の原点のような技を披露するパートがあった。
余談だがこの技は0.1秒受け身を取るのが遅れると骨折するシステムらしい。(本人談)
ハンターハンターの技やな。まるで。


念能力”四十歳大飛翔(ワッキンゴジャンプ)”
無理!!
着地できる
無事で!?
出来る!?

骨折


そのタイミングで投げると死ぬほど盛り上がる玉、通称「しんご玉」を投げたのだ。
際に俺のしんご玉は予想以上に飛んでしまい、天井近くにあるスピーカーに思いっきり引っかかりそうになった。

あっ…

って思ってたら次のフリである竜巻旋風脚が出なかった。失格ですわ。プロゲーマー失格。

もう一つ。衝撃の事実である。
俺たち!男がワックする!メンズワックジャパン!
というチームであったが、海外に出るたびに何故か毎回「マンズワック」とイベント側からサイレント改名をされていた。

初めはンロクが毎回スペルをミスっているのでは?と全員が思っていたが、流石に毎回こうなるのはおかしい。

いろいろ調べてみた結果、どうやら「メンズワック」と言う言葉は英語としてそもそもなんかおかしいらしい。
別にチーム名なんだから文法どうでもええやろがいとも思うが、変に意味が通るからなのか毎回訂正をくらっていた。

ダンスのわからない友達に大阪のうますぎる二人組のロックダンサーの動画を見せたときに
「かっこいい!どっちがHiltyさんでどっちがBoschさんなの?」と毎回聞かれるあの現象に似た恐怖を感じていた。


いろいろ調べてみると

MENS=男性用の
Man's=男の

という具合に微妙にニュアンスが違うらしい。

ンロクは激怒した。ンロクには英語がわからぬ。
ンロクは日本の中年男性である。
笛を吹き、羊と遊んで暮らしてきた。
けれども、チーム名に関しては人一倍敏感であった。
太宰ンロク 著『走れンロク』より

俺たちは騙されていたのだ。
派手な衣装にネクタイを締め、オシャレな雰囲気を出せるよう頑張り、道具を使い盛り上げていたつもりだったが、
その実我々は「男のワック」というシンプル極まりない名前で踊っていた。いや、踊らされていたのだ。

すごい男、スーパーマン。
アンパン男、アンパンマン。
男のワック、マンズワック。

シンプルイズベストという便利な言葉があるのは知っている。
だが韓国でのショー本番の数十分前に知らされたこの事実。
そんな言葉は頭の引き出しの奥底からは出てきてくれなかった。

俺たちはGATSBYの策略に嵌められたのだ。
メンズワックスという言葉が溢れかえる令和の日本、普通に暮らしていれば何も変な単語には聞こえない。
現代の日本人の口はメンズワックスと発音しやすい口に改造されている。
メンズワック。マンズワック。メンズワック。メンズワック。自然とメンズワックの口になる。
GATSBYという巨大な存在。整髪料界隈の釈迦と言っても過言ではない。
俺たちはGATSBYの手のひらで踊る孫悟空であった。

この事実に一番ショックを受けていたのはンロクであった。
本番始まる数分前まで
「マンジュ…ワッキュ…」とうなされていた。

もうええ!マンズワックでええからいくぞ!
俺たちは切り替えた。
覚悟の量で無理矢理切り替えた。
そんなことなどなかったかのような雰囲気で本番を迎え、俺はしんご玉の圧に負け、竜巻旋風脚を出せなかった。

冒頭で軽く触れて終わるはずが、長くなってしまった。
前回と同じ引きだがこれにて韓国編は終わる。

世の中では今でもメンズワックだとかメンズワッカーだとかそういう言葉が溢れている。
やめとけ。
悪いことは言わない。やめとけ。
このチーム名の俺が言うんだから聞いてくれ。
GATSBYの手先なのか、お前たちは。
俺たちとGATSBYの永い戦いは続く。

次回「ワッキュシティ」

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