Maa2のダンス遍歴(58)~慣れないうちから一人で国外遠征はやめとけ~

【一行でわかるあらすじ】

模擬ケチャin栃木


年が明け、2020年に。

韓国で最も盛り上がると言われているイベントのうちの一つ、holiday in waackingに参加するため、韓国へ。

この後コロナ禍が訪れるので、
これが最後の海外になる。

国外のイベントに行くときは今までであれば他に日本人がいたので、気楽に過ごせていたのだが、今回の旅は完全に一人であった。

韓国でiphoneが使えない状態で一人で放置された経験もあり、泣きそうになったこともあるが、今回は常に涙目になること確実であった。

そんなこんなで今回は梨泰院(イテウォン)というところに宿をとった。

近日の胸が痛くなるニュースもあり、これを書いている現在はこの町の名前を知っているが、この当時は「なんかよくわからないが、宿が安くてアクセスも悪くないところ」という感じであった。

とりあえずこの時は3泊くらい?の予定ですべて同じ宿をとっていた。

3泊5千円。
やすすぎ。

気持ち良すぎだろ

当日入国して梨泰院の町に。この時点で夕方であった。とりあえず宿を探す。

街はすごくにぎわっている。にぎわっているというか、思ったより町がギラギラしている。

ホテルに向かうために大通りから横道に入り、坂を上がる。
街の様子がどんどん変わっていく。

コンビニにいる悪そうな若者たち、きらびやかな建物、ネオンサインだらけの街並み。常に店から音楽が聞こえ、人々の声もずっと続いている。

すごく六本木っぽい雰囲気を感じたし、六本木の中でも治安が悪そうな通りにいる感覚である。バーニラ!バニラ求人!と聞こえないところだけが唯一の違いであった。
これやばいところに宿とったかも?と思いながらホテルの方向に進む。

通りを一本外れると、急に街並みが変わった。

急に人通りもがなくなり、ゴミ置き場にはゴミが散乱している。

ぽつんぽつんと置かれた街灯だけが、まだ道が続いていることを教えてくれていたが、とにかく恐怖を感じた。

街灯の数も少なく、道を照らすオレンジの淡い光は、隣の街灯に届ききっておらず、異様な雰囲気だったし、先ほどまでのやかましい街並みには何層かのフィルターがかかったように遠い世界の音に聞こえた。

山口県や室蘭などの田舎に住んでいた経験があってよかったと心底思った。

高校からの帰り道で田んぼの横やあぜ道を通るのが当たり前だったころ、墓場の横に地蔵を祀っている社があり、そこをいつも全速力で駆け抜けていたのだが、そこを毎日通っていた経験が生きた。ここ梨泰院よりも、接戦で山口県の社のほうが怖いからセーフ。

宿まで、ほぼ競歩で急いで進むと2分ほどであった。精神的にはもっと長かったが、近いのか。助かった。

宿につくと、マジで受付のお兄さんたちはこんな感じであった。

タトゥーに偏見あるとかないとか
そういう話ではなく怖かった

韓国の人なら日本語喋れるのでは?と思っていたが、スタッフらしき人は欧米系(という言い方適しているのかわからないが)の人たちであった。
服装も悪そう。

壁には一面にグラフィティが何度も重ね塗りされているような感じで、クラブの控室のように落書きも無限にされていた。

重低音の響く音楽をかけながらお兄さんたちが英語で話しかけてくる。

山口県の通学路より怖いかもしれない場所で3泊過ごすと思うとなかなか心が重かったが、受付のお兄さんたちは見た目に反して優しかった。

あ、これもしかして意外となんとかなる?と思い、部屋まで案内してもらうことに。

「道覚えてね」と言われた。いやいや、部屋くらい覚えられるだろ。

そう思いながらついて行く。
ハイハイ、覚えればいいんですよね?

まず受付から出て、別の扉に入る。そして廊下を渡って、バルコニーの上り階段を上り、3つあるうちの2つ目の扉に。その時セキュリティの都合上警報ついてるのでパスワードを間違えないこと。そして…

お、お、お、おまえこれ。

ドラクエの魔王の城のセキュリティやないかい。
途中にめちゃくちゃ強い装備の入った宝箱でも置いといてくれ。

世界の半分もくれ

とりあえず部屋につき、荷物を置いた。今日は韓国の人たちに連絡してもレッスンなどで忙しいようで、晩御飯の約束をした。

とりあえず今は取り急ぎこのへんで飯でも食いに行くか。
はい、この扉を出て、階段おりて、パスワードをいれる。なんだっけ、パスワード。

あ。

「フィーヨ!フィーヨ!フィーヨ!」

うまく文字にできないが、アルソックが飛んできそうな音がした。
吉田沙保里の代わりにスタッフのお兄さんが現れ、非常に気まずかった。
長い数日間が始まる。

次回「海外一人生活」

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