困難な状況で信じたい力がある

今の状況だからこそ、普段はあまり意識しない力を感じるようになる。
危機的な状況の中にも、ポジティブな要素はあるものだ。

集まれなくたって、家にいたって、ぼくらは音楽でつながれる。
SNSでは少し熱をおびて、アーティストを中心にみんな盛り上がっている。
実際、音楽がもたらしてくれる精神的やすらぎは疑いようのないものである。
音楽の力ってすごい。

笑いも同様だ。芸人さんが中心になり、SNSでつながって、盛り上がっている。
おもしろいものを見て笑う。それだけで、沈んでいた心も軽くなる。
ユーモアこそ困難な状況に必要なものなのかもしれない。
笑いの力ってすごい。

休業せざるを得なくなった料理人が、給食がなくなって困っている子供たちのために
料理をつくる。おいしい料理が人と人をつなぐ。
つらい時でも、おいしい料理をお腹いっぱい食べることができれば、しあわせな気持ちが戻ってくる。
料理の力ってすごい。

ドイツでは、創造的活動を行うアーティストが生命維持に必要だと言われたらしい。
まったくもってその通り。芸術は人間の精神的な部分を下支えしてくれる。
芸術の力ってすごい。

そんなことに気づいたところで、これらは全部小さなことだ。枝葉末節だ。
もっともっと大きな力があるだろう。もっともっと根源的な力があるだろう。

全て、人間の力だ。

人間の力がすごいのだ。

音楽によって心を動かすことを覚えた。
社会の中で、ユーモアによってつながることを覚えた。
生きるために、美食を追い求めるよう進化してきた。
芸術を生み出し、それを享受できる感受性を育てた。

全部、人間のしたことだ。
長い長い年月をかけ、人間が育ててきた力だ。
それが今、私達に勇気や希望をあたえてくれている。

人類が地球上で繁栄し、とてつもない時間が流れた。
その中には様々な危機があった。
それを乗り越えて、私達はここにいる。

人間の力を信じよう。
この困難も耐えて乗り越えることがきっとできる。

ひとりひとりが持っているものだから。