[情報工学] 物流管理とSCM
技術士(情報工学)の過去問にフィジカルインターネットの出題があった。設問には、ER図を書け!とあったが、そもそもの物流への理解が不十分に感じ、購入した本。
約5時間ほどで読み終えた。
物流の果たすべき役割
当初、「物流って、そりゃ、荷物を運ぶことだろ!」で終了?と思いましそれは、当方が世間知らずなだけ🤭。でも、それこそが物流なのかもしれません。
例えば、Amazonで、コーギーのダイ君におもちゃを探してみると、品物の値段は 1,299円。送料無料!
そう、消費者(荷主)が真っ先に気にするのは「品物」。物流(この場合は宅配)は、真っ先には意識されない。
物流の果たすべき役割とは、意識されずに荷物をお届けすることかもしれません。
業界による違い
次に荷主の業界による違いについて。大雑把に以下のような特徴がある。
食品業界:温度管理、賞味期限管理が必須
建築業界:出荷元や搬入先での待ち時間が長くなりがち
自動車業界:完成車メーカを中心とした効率的な物流網
医薬品業界:厳しい規制対応、品質管理の要求がある
小売業界:物流網を事業者の販売戦略に合わせて構築する必要がある
それぞれの業界(荷主)の事情で求められる条件が変わってくるのは当然といえば当然。でも、こうやって業界横断的な視点(物流に求められる要望)を持っておくと、システム設計に役立ちそうだ。
3PL(Thrid Party Logistics)について
第3者物流業者と訳せば良いのだろうか?荷主は自社でトラックを手配せず、物流の専門事業者、つまり3PLに、物流業務自体を委託する。
この3PLについて、本書では、国際物流と合わせて語られていた。
物流網を拡大し、海外にも進出!となると、自社で全てを賄おうとするよりも、専門事業者に委託した方が有利に働くのかもしれない。
情報工学的な視点では、国際物流となると、前述の業界別の視点の他に以下の要素が加わる点に注意が必要と感じた。下の箇条書きは、本書のp178の表から当方が要点を拾い出したもの。
文化的な距離(言語、宗教、社会規範)
⇒ パッケージやラベルの表記、品物の管理、運送業者の労働基準など政治的な距離(決済通貨、主に隣国や旧宗主国との関係)
物理的な距離(アクセスの容易さ、気候の違い)
経済的な距離(現地インフラ、市場規模など)
マテハン機器の進化
マテハン機器とは、マテリアルハンドリング機器(Material Handling Equipment)の略。和訳は資材運搬装置になるだろうか。要は、倉庫の中で活躍するフォークリフトとかで、動画を見てしまった方が理解は早い。
近年はロボットによる無人化が模索されてる段階。
情報工学的な視点では、WMS (= Warehouse Management System、倉庫管理システム)。物流との関係は深いものの、今回の読書動機であるフィジカルインターネットの設計とは少し離れるため、動画を楽しむ程度の理解とさせてもらった。
まとめ
物流について大学で講義できますか?と問われると少々辛いが、業界別あるいは国際物流で求められる要素、物品の流れについてはある程度のイメージを得ることはできた。
最期のWMSも面白そうで、これだけでも十分な学習テーマになりそうであるが、今回はここまでにしようと思う。
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