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インド・チェンナイから経由便で一時退避しました。(準備編)

2021年5月2日に外務省からスポット情報「インド滞在中の皆様への注意喚起(インド国内の医療提供体制のひっ迫)」が発出され、在インド日本企業の駐在員の一時退避が一気に加速しました。

一方で、全インドの日本商工会組織および日本人会は5月8日に「規律ある退避」を呼びかける文書を出し、協力を呼び掛けています。

また、退避に際し、日本行のフライトに搭乗するには出発72時間以内に検体を採取した検査証明書が必要となります。

毎日40万人が新規感染し、4,000人もの方々が亡くなっていくこの国で、病院でPCR検査を受け、検査証明を一両日中に入手することが困難なことのように思えますが、在インド日本国大使館ならびに各領事館が検査機関を紹介、便宜を要請する文書を用意するなどして、サポートしています。

また、インド日本商工会の取り組みとして、インド在留邦人専用のPCR検査施設がハリヤナ州グルガオン(デリー近郊)に開設されました(5月13日受付開始、17日検査受診開始)。

このように刻一刻と日本への退避に関する状況が変化していますが、私は5月14日にインド・チェンナイを出発し、デリー経由で5月15日の早朝に帰国しましたので、その体験を以下に記します。

1.タイムライン

5月11日(火)
 18:00 PCR検査の検体採取@Billroth Hospital
5月12日(水)
 14:00 PCR検査の検体採取@MIOT International
 18:00 検査証明書受領@MIOT International
 19:00 検査証明書受領@Billroth Hospital
5月14日(木)
 08:50 チェンナイ空港出発(Indigo)
 11:30 デリー空港到着
 18:00 デリー空港出発(ANA)
5月15日(金)
 05:00 羽田空港到着
 06:00 書類確認、抗原検査検体採取、位置情報確認・ビデオ通話等の各アプリのインストールと説明完了、検査結果待ちの状態
 10:00 検査結果(陰性)判明
 10:30 入国、手荷物受取、税関
 11:00 政府指定施設行きバスに乗車
 12:00 政府指定施設到着、チェックイン

※5月10日以降インドから入国した場合、政府指定施設にて入国日翌日から起算して6日間隔離。その後14日目まで自主隔離。

2.フライト手配

退避の方針が決まると、まずはフライトを手配しました。
私が手配したフライトは以下の通りです。

5月14日(金)
・チェンナイ 08:50発、 デリー 11:50着(Indigo:6E 991
・デリー 18:00発、羽田 翌05:35着(ANA:NH838

国内線は1本後のIndigo便、Air India便も選択肢としてありました。
直前のフライトキャンセルに備え、敢えて早い時間帯にしました

実際、1本後のIndigo便はキャンセルとなっていました。
また、Air Indiaはフライトキャンセルが多いため避けた方が良いとの助言も参考にしました。

なお、Indigo便はデリー空港のターミナル3に到着し、ANA便は同じくターミナル3から出発します。
デリー空港でのターミナル移動を回避できる点も大きなメリットでした。

国際線もデリー19:30発のJAL便がありましたが、こちらも直前のフライトキャンセルに備え、敢えてより早い時間帯のANA便にしました。

3.PCR検査

日本入国にあたり検疫所へ「出国前72時間以内の検査証明書」の提示が必要です。「出国前72時間以内の検査証明書」が提示できない場合、検疫法に基づき、日本への上陸が認められないことになります。

検査証明書の様式は所定のフォーマットを使用するよう指示があり、所定のフォーマットに対応する医療機関がない場合には、任意のフォーマットの提出も妨げられませんが、「検査証明書へ記載すべき内容」が満たされている必要があります。

まずは最新の書式・検査条件を厚生労働省のウェブサイトで確認しました。

私の場合は、デリー出発の72時間前以内に検体を採取したPCR検査の陰性証明書が必要となります。

チェンナイ出発時刻を考えると62時間しかありません。経由便での帰国に際しては陰性証明書の取得にかかるタイムラインがよりタイトになりますので、注意が必要です。

私は以下2つのチェンナイ市内の病院での検査を手配しました。

(1)Billroth Hospital

職場の同僚(日本人駐在員)が以前PCR検査を受けたことがあり、その際は結果が即日判明したとのことでした。
従い、スピードを重視してこちらの病院を選びました。

改めて病院に確認したところ、ラボが施設内にあり、11日(火)の夕方に検体を採取した場合、12日(水)正午には結果が判明するとの由でした。
また、検査証明は紙(病院のフォーム)で病院にて受領することとなります。

残念ながら、検査の予約、日本所定フォームでの検査証明書作成のコミットメントは得られませんでした。
出たとこ勝負となりました。(もう慣れました)

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結果的には問題なく、以下のタイムラインで検体採取、陰性判明、検査証明書(病院のフォーム)受領を済ませることができました。

5月11日(火)
 18:00 PCR検査の検体採取
5月12日(水)
 12:00 PCR検査の陰性判明(WhatsAppで通知)
 19:00 検査証明書受領

日本所定のフォームについては、病院のフォームを受領後、医師を探し出し、捕まえ、直接作成を依頼し、何とか入手することができました。


(2)MIOT International

出たとこ勝負では心許ないので、「ジャパニーズヘルプデスク」を通じもう1件手配しました。

こちらのヘルプデスクは他の日本人駐在員も多く使用している様子で、私が検査5日前に問い合わせた段階で検査の予約がほぼ埋まっていました。

5月12日(水)
 13:30 病院受付
 14:30 PCR検査の検体採取、病院で待機(入院)
 18:00 検査証明書受領

問い合わせた時点で、上記タイムラインを提案され、検査の予約と、日本所定フォームでの検査証明書の発行のコミットメントを得ることができました。

実際、タイムライン通り無事に日本所定フォームの検査証明書を入手することができました。

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4.その他、事前準備

その他事前準備についても、最新情報を厚生労働省のホームページで確認することに努めました。

「検査証明書」の他、「誓約書」「質問票」「必要アプリの登録と利用」が求められています。

極端な話、「検査証明書」以外は日本着陸後に揃えることができます。

また、「検査証明書」はデリー空港で国際線チェックイン時に提示を求められましたが、「誓約書」「質問票」「必要アプリの登録と利用」は羽田空港に到着するまで確認されませんでした。

つまり、「検査証明書」さえ用意しておけば日本行きのフライトに搭乗できる状況でした。

しかし、私は事前に「誓約書」「質問票」「必要アプリの登録と利用」についても準備しておきました。

そうすることで羽田空港到着後、スムーズに各種手続きを進めることができ、より早く政府指定施設に移ることができます。

また、不測の事態に対しても柔軟に対応できる(気持ちの余裕が生まれる)ので、予め準備をしておくことをお勧めします。

ただし、位置情報確認・ビデオ通話等の各アプリは随時変更されている様子でしたので、事前に準備しておいたアプリが使えないということもあり得ます。

とにかく、随時最新情報を厚生労働省のホームページで確認することをお勧めします。


ちょっと長くなりましたので、これ以降の移動、羽田空港到着後の流れ、政府指定施設での隔離の様子などはまた改めてまとめます。

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