【読書感想】選ばれる努力をしてきたか、ということに気付かされた本
「私はなぜ選ばれてしまうのか」
このことに疑問を持ち、これに関する本を探していたときに目に留まったのがこの本。
あの日、選ばれなかった君へ
私はなぜ選ばれてしまうのか。ここには選ばれたくないのにという私自身の思いが含まれている。
選ばれたくないのに
約30年にわたって勤務した企業で、選ばれたくないのに選ばれてしまうことが多かった。
最初は営業からスタッフ職(基幹システムのインストラクター)への職種変更。
営業として丸16年経過したある時「4月から◯◯課への異動が決まった。システムサポートをしてもらう。」全く想像していなかったのでショックを受けたことだけよく覚えている。言われた場所、景色、内容、その時の上司の表情はよく覚えている。私はなんと答えたのか。今でも思い出せない。
最初に思ったのは「この仕事でどうやったら生き延びられるか」なんとも悲壮な思いだった。
準備期間が1ヶ月あったので、システム稼働に向けて想定されるトラブルを事前に抑えた。困った時には誰にどう繋ぐのか。それを頭において動いた。
稼働し始めると問い合わせの内線電話がなり続け対応に追われる日々。それでもその日のうちに回答する目標を90%と定め、仕事が滞らないよう努めた。
そしてまた選ばれる…
年に一度行われる新春フェア。
その企画・運営の主幹を任されたのだ、スタッフ4年目のこと。
スタッフになって毎年運営側にいた。異動当時は他の人が担当していたのだが、人事異動で他部署へ。
まさか、私にその役割が回ってくるとは。
上司から「君に任せたい」と言われたが「大変申し訳ないのですがお断りします」と、即答。
その時は「そうか」と引き下がってくれたように感じていたが、そうはいかなかった。しばらくして「やってみないか」と、再打診。結局その任を受け、4年にわたり担当することになった。
それ以降も新しい仕事が発生するたびに役割を担ってきた、選ばれてしまったのだ。
選ばれたかったのに…
人材開発の仕事に就きたかった。
スタッフになったときに、新人営業教育を担当したことがあった。
まっさらな状態から社会人と学生の違いを学び、会社の仕組みを学び、営業のやり方を覚えていく。みなキラキラした目で、キラキラした表情で様々なことを覚えていく。どんな営業に、どんな人財に育っていくのだろう。
40代なかば。異動によって周囲にいる元部長、元課長が一般社員と同じように働いている姿を間近に見ることが増えた。頼りになる存在だし、経験豊富、おまけに人脈も豊か。働いている姿と過去の経験にギャップを感じ、もっと活かせる方法があるのでは。そんなことを考えていたのだ。でも、どうやって?私を一人前のスタッフに育ててくれた方は「社長に言ってみたら?」いやいや…当時の社長は距離が遠く、そんなこと言い出せない。尻込みしてしまったのだ。そして「私なんて」という自信のなさ、こんなこと言い出したらどう思われるだろう、という他人の目を気にした私。
結局、言い出せないまま人事は発令され、私が選ばれることはなかった。
選ばれる・選ばれないは続くのだ
企業に所属する、フリーになる。
いずれも結局のところ「選ばれる・選ばれない」は続くのだ。
大切なことは、
見つけてもらうための努力をしているか
選ばれたかったのに、のエピソード。
振り返ると、私は見つけてもらうための努力、選んでもらうための努力をしていたのか。仮に努力していたのであれば、見つけてもらうための努力はどうか。自分から手を挙げるのはちょっと力が足りないのではないか…そんなことを思っていてはやりたい仕事が目の前に来るわけがない。
選んでもらってきたのは、私自身が仕事に真摯に向き合ってきたから。できる限りの力を注いできたから。だから目の前にいた上司の目に留まり選ばれてきたのだ。それは様々な仕事をこれでもか、というくらい任されてきた私が一番よくわかっている。
やりたいと思った仕事に選ばれなかったのは「私」を知ってもらうことができていなかったから。組織が大きくなっていたのに、振る舞い方を変えなかった。どうすればあのポジションに行けるのか、戦略が足らなかった。見つかりに行く努力が足らなかった、いや、見つかりに行く努力をしていなかったのだ。
それに気づかせてくれた本だった。
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