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リアルポートレート2019 総括 〜 喧嘩の後に気付いたこと 〜

2019年10月29日(火)~11月4日(月)
市民ギャラリー矢田

僕にとっての二年ぶり3回目のリアポが終わりました。今年は何を展示するかをとても迷いましたが、『しゃぼん玉』というタイトルで出展しました。
今までの僕と高田世莉菜(以降、”せりきち”)が出展してきたイメージとは  かなり異なっていたので、驚いた方も多かったかと思います。
在廊中にここまで詳しく話してなかったことなんですが、この『しゃぼん玉』という写真群を撮ろうと思った経緯から書いてみようと思います。

実は昨年の2018年の夏の終わりに僕は”せりきち”と大きな喧嘩をしました。
もう撮影コンビは解消しよう、もう2度と撮影はしないようにしようということになりました。
それが決まり、今までの想い出として過去の展示用のブック達を眺めていた時に僕はハッと気が付いたのです。

僕の撮影する”せりきち”はクールなイメージがとても強く、実際にレンズを向けた瞬間にスイッチが入ってしまいます。しかし、実際に”せりきち”に会ったことのある方は分かると思いますが、実物の”せりきち”はクールには程遠く、天真爛漫な可愛い感じの女性なのです。

何に気が付いたかというと。。。。。
その天真爛漫な”せりきち”の素の笑顔を2年半もコンビを組んできて殆ど撮影していないことを。。。。
これは僕にとっては痛恨の一撃でした。
何で今まで撮らなかったんだろうか?と。
ここまで長く撮影してきた撮り手としては怠慢ではないかと。

その後、何故か仲直り出来たのですが、とにかく”せりきち”の素の笑顔を撮りたいと強く思いました。

人がいない夕方の海で撮りたかったので夏が終わるのを待って、昨年の2018年10月に撮影しました。”せりきち”のいつものスイッチをOFFにして、カメラ型のシャボン玉製造機をONにして、レンズ交換の時間が惜しいので16-35mmF2.8の広角ズームレンズ1本でフィルターにへばり付いたシャボン玉を拭きもせず、約2時間ノンストップで はしゃいでる”せりきち”を必死に撮りました。

撮影後、僕は手応えを感じたのですが、”せりきち”は「はしゃいでた自然体の自分が上手く写ってる自信がない。」と随分と浮かない顔をしていました。

しかし、”せりきち”の予想は外れます。数日後に現像した写真を送った時、”せりきち”は生まれて初めて自分の写ってる写真を見て泣いたそうです。

BOOKしゃぼん玉

この1年間これらの写真はずっと温存してました。
2年ぶりにリアポに出ることになり、展示のコンペはこれで一区切りにしたいとの”せりきち”の言葉もあり、何を出そうか随分迷いましたが、最後になるかもしれないのであれば1番大切にしているこの作品群で勝負したい、素でも美しく可愛い”せりきち”を皆んなに見てもらいたいって思ったのです。

その結果、150を超える写真家の中から、3回の出展で3度目となった「リアルポートレート優秀賞」と「人気投票八位」を受賞することが出来ました!
僕らのとても大切な写真達を評価して頂いたことは大きな喜びですし、ポーズを決めない素の表情を認めてもらったことは”せりきち”にとっても自信になったことと思います。
また、”せりきち”がモデル賞を2つ、”せりきち”を展示した”チームせりきち”の他の3人の写真家も全員が何らかの受賞をし、最高な結果になりました。こんなに楽しい夜は久しぶりでした。

リアルポートレート2019賞状

最後になりましたが、ご来場くださった皆様、ハセオさんをはじめ運営の皆さんと審査員の方々、一緒に展示した写真家の皆様、”チームせりきち”のメンバー、そして、リアポに向けて凄まじい気迫で一昨年の悔し涙を嬉し涙に変えた”せりきち”に最大限の感謝を!

チームせりきち

《補足》
ある意味、伝説になっている”せりきち”の一昨年の悔し涙についてですが、その時、”せりきち”を展示したのは僕一人でした。
でもね。僕はその時も優秀賞をもらったんですよ。
それでも、「賞が何故1位でないのか!」と会場の一番後ろでずっと悔し涙を流してたんですよ。

どんだけ!(笑)

しゃぼん玉Stetment
展示しゃぼん玉
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180928大洗57
180928大洗109

参考文献:高田世莉菜という怪物 HASEOさん


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