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染五郎の大凧宙乗りが圧巻‼️二月花形歌舞伎「博多座」

歌舞伎(二月花形歌舞伎)(一応ネタバレありです)

福岡市の博多座2月は毎年恒例の歌舞伎公演で、今回は松本幸四郎と市川染五郎が2枚看板の親子競演です。今や團十郎(旧海老蔵)を凌ぐ「歌舞伎界のプリンス」と言われる市川染五郎ですが、私も様々なメディアで見ながら注目していました。

実は実家の姉が染五郎のファンで、華があり若いながら色気もある久しぶりの逸材と褒めており、今回博多座に初登場するので観に行きたいと話していました。それで正月に帰省した際、ネット予約して2月9日金曜日午後4時からの公演に2人で行くことにしました。

実は個人的に歌舞伎を観るのは2回目で最初も博多座でしたが、その時は尾上菊之助と中村芝翫が2枚看板でした。演目は4つあったと思いますが、最初がいわゆる正統派の古典的が歌舞伎の演目であり、台詞も当時のもので正直あまり理解できなかった記憶があります(音声ガイドも借りませんでしたから)。ただ最後は人情ものでユーモアもあり、台詞も現代語に近い物でしたので、これは面白く楽しめました。

今回は江戸川乱歩原作の新作歌舞伎「江戸宵闇妖鈎爪(えどのやみあやしのかぎづめ)で、副題が「明智小五郎と人間豹 市川染五郎大凧にて宙乗り相勤め申し候」とあります。
江戸の街に舞台を置き換え、同心の明智小五郎と殺人鬼の人間豹の対決を描くもので、一応サスペンスなのでストーリーもわかりやすく、台詞も現代調になっています。地方公演らしい博多ネタも台詞に盛り込まれて、会場を盛り上げていました。

サスペンスでハラハラし、立ち回りのスペクタクルでドキドキでしたが、圧巻は何といってもラストの人間豹(染五郎)の大凧宙乗りでした。ワイヤーで吊り上がられた客席上部の空間に漂う大凧に乗った姿だけでも凄かったですが、小五郎が発したピストルの弾が命中して、大凧から落ち空中を舞いながら吠える場面は圧巻でした!
ワイヤーに吊るされて、最後は最上部の3階席まで飛んでいきました。これだけでも1万5000円の入場料を払って観た甲斐があったと姉と2人で話しましたが、まさに圧巻のラストでした。

2つ目の演目「鵜の殿様(うのとのさま)」は、がらりと雰囲気を変えた内容で、殿様と太郎冠者が鵜と鵜飼に扮して、鵜の首に巻き付けた縄を操る鵜飼の動きに合わせて、パントマイムのように舞台全体をコミカルに動き回るもの。殿様と太郎冠者、3人の腰元の色鮮やかで華やかない衣装も舞台に華を添えていたと思います。

日本の古典芸能である歌舞伎もどんどん進化して、その素晴らしさ、エンタテインメント性を改めて実感した楽しくて有意義な観劇でした。

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