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キレイにコケて ブレイクダンス

今から40年+1週間前の6月5日、慎吾ちゃんの3枚目のシングル『そこの彼女』がリリースされました。

ハートの感ピューター ひらめかせてくれ ふたり逢えたのは 
運命なんだと
   風見慎吾 『そこの彼女』 1984年 作詞:荒木とよひさ

For Life Records 1984

私、1984年の年間ベストテンは100位まで余裕で口ずさめる、いや200位ぐらいまでいけるんじゃないかというほど芸能歌謡どっぷりだったのですが、なんと! この曲の記憶が無いのです。

このナンバーを歌うとき、僕はコスチュームを4着作った。しかし、テレビに出たのは一度だけだった。寒い。 風見慎吾 「特売」 1985年

テレビ、つまり歌番組に出たのは「夜のヒットスタジオ」だけのようですね。映像も残っています。

そこの彼女 5分でいいから お茶に付き合えよ 話を聞いてよ それだけ
『そこの彼女』  

前の2曲は「さわやか振られ男子」の路線でしたが、この曲ではナンパ男。慎吾ちゃんは「どっちがより多く街の女の子の電話番号をゲットできるか、友人とナンパ合戦をしたことがある」と言っていたから、これはもしかして実体験を元にした歌詞だったのかも。ちなみに合戦では負けたそうです。

「 “踊りがいまいち決まってないな” って笑ってくれるんならそれでいい。それに踊りを見せるための歌じゃないし。」
風見慎吾 インタビュー 新曲『そこの彼女』 Oricon 1984

この曲ではマイケル・ジャクソンの振りを取り入れています。でも、踊りで勝負する気持ちはさらさらありませんでした。自身の強みは「お笑い」だと思っていたからです。

「1枚目がヒットして、2枚目もまあまあヒットして、3枚目でキレイにコケて」 風見慎吾 BP  New Year 1985年

しかし、この曲で慎吾ちゃんはランキング番組に出られず、なんとかしなければと思うようになりました。ちょうどこのころ、夏のコンサートに向けて本格的にブレイクダンスに磨きをかけていたところでした。

「ボク日本のマイケルジャクソンって言われてるんですよ。ブレイクダンスも得意です。」   風見慎吾  「夜のナンパ術」  myojyo   shueisha  1984

もしこの曲がヒットしていたら、次の4曲目は番組側に言われるがままバラードの曲を歌っていたかもしれませんね。この曲の不発を機に、慎吾ちゃんは半年後ダンスで勝負を仕掛けるのです。