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袷長着の襟の付け方は様々なのよ。

投げ銭スタイルなので、最後まで読めます。
参考になると嬉しいです。

袷の襟の付け方は、おそらく5パターンくらいあると思います。
(細かく分けるともっとあるかも)
和裁をやっている人なら、見分けられるけど
縫い方を知らないお客様からしたらおそらくわからないと思います。
出来上がりが綺麗なら、まずは、良しということで
その5パターンを書いてみます。

パターン1(一番手間がかかるお仕立て)
工程1:表襟をつける
工程2:裏襟をつける
工程3:襟の中綴じをする
工程4:襟おさめをする
工程5:かけ襟をかける
工程6:かけ襟おさめをする

パターン2(最近はこのお仕立てがほとんどだと思います)
工程1:表襟をつける
工程2:かけ襟をかける
工程3:裏襟をつける
工程4:襟の中綴じをする
工程5:襟おさめをする

パターン3
工程1:表襟とかけ襟を一緒につける
工程2:裏襟をつける
工程3:襟の中綴じをする
工程4:襟おさめをする

パターン4
工程1:襟の中綴じをする
工程2:表襟と裏襟を一緒につける
工程3:掛襟をかける
工程4:襟おさめをする

パターン5(一番工程の少ない仕立て方)
工程1:襟の中綴じをする
工程2:かけ襟、表襟、裏襟を一緒につける
工程3:襟おさめをする

以上のように、工程が少ないほど、早く縫えます。
早縫いだからといって簡単というわけではなく、それにも技術は必要です。
出来上がりの見た目は分からなくても
お仕立て代が高いのにはこういう理由があるということです。
手間がかかっているということですね。

しかし、手間がかかっていないのに、見た目で分からないからと
パターン5のお仕立てをして、パターン1の料金をとるのは最悪なことです。
なので、ある程度、見極める目も重要になってくるかもしれません。
見極める目というのは、呉服屋さんにもあった方が良いです。
手間がかかっている仕立てか、そうでないかで
職人に払うお仕立て代も変えるべきだと思います。

それから、お直しとかメンテナンスのことを考えると
パターン1のお仕立てが良いと私は思います。
かけ襟だけ外して洗うことも可能です。
とはいえ、今は、そうすることは滅多にないので
私も、パターン1からパターン2の仕立て方に変えています。

パターン1や2は、お直しがやりやすいのです。
やりやすいということは、お直し代は安くすむということ。
お直し代に幅があるのは、最初の仕立て方の違いによるものです。
リサイクルの長着を買うときに
そういうところまで見ることができるとお得ですね。
実は、袖の縫い方や胴裏と八掛の接ぎ方にも、胴裏脇の縫い方にも
お直しがしやすい縫い方というのがあります。
これについても、また書きたいと思っています。

安いお仕立てでかまわないとか、お直しの予定がないから工程5で良い場合は
工程5のお仕立てをしている和裁士さんを探してみてください。
ただし、工程5のお仕立てをしている和裁士さんが
確実に安いとは限らないのですけど…

私は、後々の和裁士さんのことも考えつつ
手間を惜しまずお仕立てしていこうと思っています。

ちなみに、写真のリサイクル長着の襟は
パターン4の襟の付け方です。
見た目では分かりませんよね。


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