見出し画像

袷袖(振り)の出来上がり2通り

投げ銭スタイルなので、最後まで読めます。
参考になると嬉しいです。

袷袖の縫い方は、1通りではありません。
袖口の合わせ方、袖下の縫い方、袖口布の付け方、振りの縫い方…
それらも様々あるので、何通りもあると思います。
どの縫い方がよくて、どの縫い方が悪いというものではないのですが
お直しがしやすい縫い方というのがあるのは確かです。

リサイクルの着物や、譲り受けた着物で
お直しする確率か高い場所と言うと
裄(袖幅、肩幅)だと思います。
身丈や身幅は、よほど合わないと言うことがなければ
着付けでなんとかして着ている方も多いかもしれませんね。
それに、全てお直しするとなると
高額になったり、縫い直した方がすっきりするので
お直しと言えば、やはり裄、と言うことになりますね。

その時に、袖幅をお直ししやすいのは
どういう振りの縫い方をしたものか、という話です。

よくみられる振りの出来上がりを紹介してみますね。

【その1】
振りの袖底の写真です。
こういう出来上がりになっています。

画像1


絵に描くとこんな感じ。
黒の方が胴裏で、オレンジが表。

画像2


開いてみると、こんな感じ

画像3

こちらの袖の作り方を簡単に言うと
1:袖口合わせをする
2:袖口下から袖底まで縫う(袖底の振り側10cmくらいは表裏別々に縫う)
3:前後の振りを続けて縫う
4:袖付をする

この縫い方の場合、袖幅の直し方は以下の手順になると思います。
1:袖付を解く
2:振りを解く
3:元の折り目を消す
4:袖幅の標をする
5:振りを前後続けて縫う
6:袖付をする


【その2】
振りの袖底の写真です。
こういう出来上がりになっています。

画像4


絵に描くとこんな感じ。
黒の方が胴裏で、緑が表。

画像5


開いてみると、こんな感じ。

画像6


こちらの振りの縫い方を簡単に言うと
(教わったことがないので予想です)
1:袖口合わせをする
2:袖口下を縫う
3:前の振り、後の振りを縫う
4:袖底を縫う
5:袖付をする

この縫い方の場合、袖幅の直し方は以下の手順になると思います。
1:袖付を解く
2:袖底を解く
3:振りを解く
4:元の折り目を消す
5:袖幅の標をする
6:前の振り、後の振りを縫う
7:袖底を縫う
8:袖付をする


以上のことから、お直し料金が何円〜何円と、下限上限のあるお店の場合
その1 の縫い方の袖幅直しの方が、少し安く設定されているかもしれません。
つまり、リサイクル着物を買う時に、その1 の仕立て方の振りなら
袖幅直しが、ちょっと安いかも〜ということです。


余談ですが、綺麗なお仕立ての場合
その1 の袖幅直しの場合でも
もっと早くできることもあるのです❗️
1:袖付を解く
2:振りの縫い目の外(または中)を縫う
3:元の振りの縫い目を解く
4:袖付のところで新しい袖幅に折る
5:袖付をする
6:元の折り目を消す
手数は同じなのですが、元の振りの縫い目から
お直しする寸法分だけ、外か中を縫えば良いのお直しが楽なのです。
まぁ、滅多にないのですけどね。
たいていは、表と裏の釣り合いがくるっているので
振りを解いてから、標を付け直す必要があるのです。

その1、その2の縫い方で、袖丈を直す時もそう。
釣り合いがくるっているのは、お直しもやりにくいです。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?