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羽織2枚を繰り回し

リサイクル着物を楽しむユーザーさんさんが増えました。
裄不足で、苦慮されている方も少なからずいると思います。

和裁技能士さんや和裁士さんにお直しを依頼することで
希望の裄にお直しできることもあれば
縫い代不足で希望通りにならないこともあります。
特に羽織やコートは、長着よりも裄が必要なので
裄が思うように出せないということがよくあります。

そういう時には、袖に接ぎを入れることもあります
共布があれば共布で接ぎますが
リサイクル着物だとそれも難しいです。

となると、全く違う布を接ぐ、ということもできます。

数年前のものなのですが
今回は裄不足の2枚の羽織を使って
希望の寸法にお仕立てした羽織を紹介します。

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提案した接ぎの入れ方は9パターン
下にちょこっと見えているのが後ろから見た場合です。

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お選びいただいたのが、左下のものでした。
出来上がったものがこちら↓

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そして、残りも無駄にせず半幅帯に。

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捨てるのは簡単なことです。
お仕立て直しや繰り回しというものは
今の時代、かなりお金もかかります。
それでも、こうやってご依頼いただけるというに
和裁技能士として頭の下がる思いです。
何より、絞りの職人さん、染めの職人さんの技術を残し
お蚕さんの命を無駄にしないことにつながります。
こういうことを伝えていく努力も必要な時代になったと感じています。
あらためて、ご依頼いただいたお客様に感謝いたします。

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