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マーケティングで”まず”重要なのは「想起」してもらうこと

まずは「想起」

toC、toB関わらず、見込みでも既存でも過去のお客様でも自社サービスを想起してもらうことが重要です。

ですが、想起といっても段階がありますし、意味も違ってきます。
これを理解していないといつまでたっても「Aという施策をしたけど効果がない!」と悩み続けます。

想起とブランドカテゴライゼーション

toCマーケティングに携わる方は、「ブランドカテゴライゼーション」をご存知かと思います。toBマーケというよりはtoCでは基本?でしょうか。

ブランドカテゴライゼーションは「脳の中にできた「あるカテゴリーに含まれるメンバーの全体は、消費者による知名度、情報量や種類、態度などにより分類」されているとする『理論』です。」

https://www.advertimes.com/20220913/article395125/

ちょっと難しいですが、「何々なら何々」と第一想起されるためには、以下の図のようにいくつかの段階があるということです。

https://www.advertimes.com/20220913/article395125/

ざっくりいうと、人は「知っているだけ」じゃ購買行動には移らないってことです。(詳しく知りたい方は引用させていただいているリンク先でご確認ください。アドタイ様わかりやすかったです)

1.知っている/知っていない

2.知っていて内容もなんとなく知っている/知っているけどよくわからない

3.知っていて好き/知っているけど購入するほどじゃない/知っていても好きじゃない

4.何々なら何々に選ばれる

5.買ってもらえる

人は意識せず、こんな思考の処理をしてモノを選定し購買しています。
(AIDMA、AISASのような購買プロセスにも関係してますね)

私にとっての第一想起の例は
「ファストフードならマクドナルド」「牛丼ならすき家」です。

ファストフードでロッテリアやシェイクシャックは知っているけど情報が少ないのでよくわからない。すき家は家族で行くからよく知っているけど吉野家やなか卯はほとんど行かないからわからない。

だから私にとってはマクドナルドとすき家がそれぞれ第一想起されます。

ロッテリアがどんなにCMとかで認知活動してもマクドナルドが第一想起されている限り、この牙城はなかなか崩せそうにないです。(ロッテリア様すみません)

BtoBマーケティングではどうなる?

BtoBの世界でも同じです。知っているけどよくわからない企業のサービスは導入しづらいです。

リスティング広告でLPに誘導できても、SEOでサービスサイトに誘導しても、いきなり「何々なら何々」と第一想起してもらえることはほぼありえません。

「リスティング広告出しても効果がない」
「セミナー企画しても集まらない」
「メルマガ配信しても開封してもらえない」

BtoBマーケティングお悩みあるあるです。

それってきちんと想起される活動を想定しての施策になってますか?
サービス提供側の事情でマーケティングしてませんか?
ってことです。

マーケティングで目指すことのひとつは?

「何々なら何々」と、想起されることが目指すことのひとつです。

私の過去の話になりますが、人事総務経理といった管理部門のアウトソーシングを提供している会社のマーケティング責任者をしていましたとき、活動のテーマはまさに「管理部門の課題解決なら”○○(会社名)”」でした。

「管理部門の方が悩んだら、まずは解決のタネになる情報を当社に見つけにきてほしいな」「そう思ってもらえるためにはどうしたらいいだろう?」

これがマーケティング活動の基本方針でした。

どんなに社名を知られていようが最終的に選ばれなければ意味がありません。マーケターは選ばれる活動をすべきなのです。

これも私の過去の話です。

10年くらい前ですが、アウトソーシング案件でコンペになり、グローバルで有名な会社と日本で名の知れた会社との3社での戦いとなりました。

営業担当いわく、「お客様担当者には提案内容のウケが良く、好評で受注確度が高い」と報告を受けていました。

が、結果はグローバルの会社が受注しました。

あとに営業から聞いた話ではありますが、選定理由は「決裁者が知っている会社だった」とのことです。うちの会社は「よく知らないから依頼できない」とのことでした・・・。

そのとき思ったのが、「なんて不条理なんだ!」というよりは、
「マーケターしての失格だな」でした。

どんなに良い提案をしても「知っていて安心感のある」会社が選ばれるんだなってことです。
担当営業にとっても全力で提案したのに自分の力とは関係ないところで失注するのは納得いかないところです。(本当に申し訳ない気持ちでした)

その後は、お客様に認知+信頼や安心を感じてもらえるようなマーケティングをしました。
簡単にいうとサービス売りのマーケではなく、お客様の悩みを解決するマーケ活動です。

その活動の結果、指名でご依頼いただいたり、「○○さんは有名だからぜひコンペに参加してほしい」などお声がけいただけるようになりました。
10年前には考えられないほどの認知+信頼です。

手前味噌な話ですが、どんなに小さい領域でもお客様から「何々なら何々」って思ってもらえることがマーケティングの理想と言えます。ブランディングにも通じます。

認知+信頼のTIPS

BtoBマーケではなかなかマス広告をうつことができません。

ゆえに

・リスティング広告を打つ
・ビジネス展などのイベントに出展する
・Webメディアの記事広告などに出稿する(4マス広告よりは安い)
・アウトバウンドコールする

などの施策で顧客リストを集め、

メールマーケやセミナー、インサイドセールスなどで
お客様の興味度を高めていくのが定石です。

定石はマーケ機能がある会社ではどこでもやっていることです。
が、おそらく他社ではやっていない小技が以下になります。
(本当に小技ですw)

セールスメールや協業メールにも丁寧に返信する

基本鬱陶しいセールスメールは顧客になりえないので無視していないでしょうか。

1日多いときは数十通というセールスメールが来ることがあります。
ですが、私や私のチームでは見込みのお客様と同じように丁寧に対応するようにしていました。

なぜなら、メールをくださった方が、「あの会社丁寧だよ」とまわりに言ってくれるかもしせません。もしかしたら転職して買う側(未来のお客様)になるかもしれないからです。

サービス対象外のお客様にも丁寧に対応する

自社のサービスを積極的に売りたくない会社から問合せがあると雑に断ったり、SaaSビジネスだとテックタッチ(営業を介さないでWeb申込みで完結する)に誘導したくなりますが、私のチームはきちんと対応していました。(問い合わせ数が多ければ難しいですが・・・)

今はサービス提供対象外のお客様でも、業績を伸ばして将来的に”良いお客様”になってくれるかもしれません。また問合せくださった方が先述したように転職されてサービス提供対象会社の決裁者になるかもしれません。

社名を名乗らないような情報収集者にも丁寧に対応する

これも先述と同様の理由です。将来のお客様になるかもしれないので失礼のないように対応します。

今回挙げたTIPSは、「そんな偶然にいちいち稼働をかけらないよ」と思われるようなものです。

ですが、偶然はいろいろなことに気を使って丁寧に対応していればこそ、起こることです。何もしていないところに偶然すら起きません。

さらにサービス導入を決めるのは「人」です。こちらの稼働なんて関係ないのです。

その方が、問合せにおいて、自社の悩みや課題を勇気をもって吐露してくださっているのに、こちらの事情で雑な対応するのは個人的にはありえません。

私だったら一生その会社のサービスは導入しませんし、マーケ仲間にも拡散します。結構、問合せ担当や協業担当で失礼な方は多いです。

マーケティングをやっていると、直接お客様に接することが多くありません。数値や効率、投資対効果、KPIなどデータで見れるものに注目してしまいます。

しかしながらサービス導入を決定しているのは人です。デジタル情報を重視してリアルな人を大事にできないとマーケターとしては大成できないと思います。顧客理解なんてできません。

かなり脱線しました。最後に軌道修正します。

「想起」してもらうのも人です。人は、「AをしたらB」という確実に予想できる動きをしません。AをしてBにいたるプロセスをしっかり考え、どうやったらBという行動を起こしてくれるを考えることがマーケターの腕の見せ所です!(ひとりで大変な場合はChatGPTの協力を得るとか 笑 ※ChatGPTはいろいろな意味でマーケティングや広告に影響を与えると思います)


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