BtoBマーケティングは普通のマーケティングと何が違う？

私はBtoBマーケターです。なんだそれ？と思う人が多いかもしれません。
BtoBとは、Business to Businessの略になります。いわゆる法人間でのマーケティングになります。対して一般的にイメージされるマーケティング、つまりBtoCマーケティングは、Business to Consumerが略となります。では、世間で言われるマーケティングとBtoBマーケティングは何が違うのでしょうか？

BtoBマーケティングとは

基本は同じです。「ほしい」「必要だ」と考えているお客さんに対して自社の商品やサービスの情報を適切に伝え、買ってもらう活動であることはBtoBもBtoCも同じです。

大きく違うのは次の2点かなと思っています。

・対象となるユーザーの母数
・購買までのプロセス

対象となるユーザーの数の違い

BtoCマーケティングは数十万人、数百万人を対象にすることが多いと思います。一方、BtoBマーケティングは対象となる母数が少なく、極端な話、数千人なんてこともあります。

Webからの問合せや交換した名刺、ビジネスイベントやセミナーで収集したデータが生命線なのです。

購買までのプロセスの違い

BtoCマーケティングはわりと個人の感情に訴求し、その場で買ってもらうようなマーケティングが多いかと思います。

一方、BtoBマーケティングは“商品を探す人”“選定する人”“決定する人”が違うことが多く、購買までの流れもセミナー、商談、コンペ、社内稟議といったいくつも工程を経て、やっと購買になります。時間もとてもかかります。

BtoCマーケティングでも家や車といった高額商品は家族で検討することも多いのでBtoBマーケティングに近いですね。

BtoBマーケティングは営業とセットが多い

BtoBマーケティングはお客様側で複数の人が関わり、それぞれの考えがあるため、一直線に購買まで進むことはまれです。非常に根気のいる活動になります。

また、マーケティングだけでは購買につながることはなく、基本的に営業マンがお客様を誘導し、最終的に受注に向けた活動をします。いわゆるクロージングと言われる活動です。

本来はBtoBにおいてはマーケティングと営業はセットであるべきなのですが、よく営業とマーケティングは対立すると言われています。

営業部門からみれば「全然見込みのない案件ばかりパスしやがって」「イベントやセミナーに駆り出されて迷惑だ」と思っています。
一方マーケティング部門は「有名な会社をパスしてるのに何で追わないんだ」と思っています。

双方の理解不足が理由なのですが、このような対立がよく起こります。

先に書いたとおり、本来はBtoBでは、お客への接点において上流工程がマーケティングで下流工程が営業とそれぞれの役割を担っているのです。

まだまだBtoBでは営業マンがお客様にお会いし提案することが求められています。（コロナの影響で徐々に変わりつつありますが）

また、いまやお客様の商品選定おいて90％がWebで事前に調べ、60％が問合せする前に依頼する会社をある程度決めている（世界有数のリサーチ会社ガートナー社調べ）と言われています。マーケティングを疎かにしていれば、営業マンが動いた時点で他社に比べて大きく劣勢になっている可能性が高いのです。

かたやマーケティングで上流だけでしっかり顧客の動向をキャッチしたとしても、いざ受注にむけた活動の場合、営業マンの人柄や提案力、サポートといった要素で決まることも多く、どちらか一方だけでは完結しません。
大きな取引になればなるほど営業マンの存在が大きくなります。

BtoBマーケティングが面白いのはこの点です。マーケティングと営業をセットで商談成立までの道筋を考えていくのはとても面白いのです。

BtoBマーケティングは地味？

BtoCマーケティングはマーケット調査や大量のデータを集計分析してターゲットを選定し、マス広告やSNS、Web広告を駆使して売上に貢献する、ダイナミックでワクワクできる活動かもしれません。（すみません。経験したことがないので想像です）

一方でBtoBマーケティングはWebサイト制作やweb広告、セミナーやイベントをこなしつつ、しかも母数が少ないのでOne to Oneマーケティングのようにひとりひとりを大切に扱います。こういうのもなんですが、地味で（売上という）成果がすぐ出にくい活動です。

とはいえ、ひとりひとりのお客様の状況を把握しやすくダイナミックではないですが、デジタルなWebとリアルな営業マンを組み合わせながら活動できる点はわりと面白いマーケティングだったりします。

ある意味、BtoBマーケティングはスルメのような味わいがあるマーケティングです。（イメージつきますかね？？）