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CuboRexが実現する未来

2021/05/02 Vision内容を修正・イメージイラストを追加

私達株式会社CuboRexは

・Value「不整地のパイオニア」として

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・Mission「不整地で使えるガチなレゴを作り不整地産業のあまねく課題へ挑む」ことによって

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・Vision「不整地産業において利用者自身が必要とするものを作り利用することが当たり前となった社会」

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の実現を目指し、事業を行っている。

本記事ではそんな私達が実現するCuboRexの未来について詳細を示していく。下記の映像は2021年3月時点まででCuboRexにて作成した製品やプロトタイプの一部である。

様々な不整地と作業機械

世界には農業や林業といった屋外環境で作業する業界があり、雪原地帯や多湿地帯など様々な環境が存在する。
その全てがきれいに舗装されているわけではない。デコボコやぬかるみ、傾斜など「不整地」が多い。多くの人々は不整地の上で働いている。

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有田のみかん農園 有田の農園の約7割以上が傾斜地に段畑として存在する

有田の傾斜地の段畑などの不整地環境では、あらゆるものに対し”物理的な移動”が求められる。
そうした場所ではブルドーザーやトラクターなど、様々な作業機械が稼働している。
本来、それぞれ異なる環境事業を営む人々を手助けする機械には、それぞれの機能が求められるが、既製品のブルドーザーやトラクターのバリエーションやカスタマイズには限りがある。

そのため現場で働く人の細かなニーズに100%応えられているわけではない。こういった状況では、現場の人が汎用の現行品を工夫して利用している。

もしそこで、現場で働く人々が「欲しい作業機械を自分で作る」ことができれば、機械システム側が今ある環境に対応し、小さな労力で大きな成果に貢献できるようになる。
それにより現場作業効率は多様な条件の中でより良いものや仕組みが生まれ、作業機械に関する新たなビジネスも立ち上がる。
我々はそうした社会を実現するためのプロダクト及び仕組みの開発と社会実装をしている。

様々な分野で広がる「欲しい物を自分で作る」文化

我々が日々使っているスマートフォンやPCはユーザー自身でカスタマイズしやすい設計になっている。人々はそのニーズに合わせて欲しいアプリをインストールするし、パーツの追加購入を行いPCのカスタマイズをする人もいる。

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さらにラズパイやArduino、3Dプリンタやレーザーカッターによって「欲しい物を自分で作る」ということすら、これまでの研究者やエンジニアから、より幅広い層に広がった。
関連する技術情報がインターネット上で集めやすくなったこともその後押しになっている。

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働く現場と「欲しい物を自分で作る」文化

一方で、農業現場などを中心とした屋外の不整地環境で使用する作業機械やシステムの領域においては「自分で作る」ことはまだまだハードルが高い。

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作業機械を作り出すには多くの部品が必要であり、それらは非常に高価だ。
設計のための情報もArduinoやラズパイほど流通していない。
我々がこれまでやってきたこととして不整地環境で活動する人達が「欲しい物を自分で作り試せる」ことを実現するために様々な試作品や製品をリリースしてきた。
・ねこ車電動化キット E-Cat kit(イーキャットキット)(以降 Ecat)

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・汎用クローラユニット CuGo(キューゴー)

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・小型農業用プラットフォーム CuFarm(キューファーム)

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この3つを紹介する。

ねこ車電動化キット E-Cat kit(以降 Ecat)
運搬作業をするためのねこ車(手押し一輪車)は農家や建築関連の事業者、一般家庭に普及している。しかしその扱いにはコツと多少の腕力が必要だ。私達が開発したEcatはねこ車を電動化しより扱いやすくるキットだ。

利用者には我々が開発したモーターを内蔵した車輪をねこ車のそれと取り替えてもらう。関連するモジュールをいくつかとりつけるだけでねこ車を電動化できる。

E-cat kitの取り付けは容易であり、車体の形状に関わらず実装できる特徴を持っている。
下記はそれぞれ違う形状や用途のねこ車や手押しの作業車にEcatを実装した事例である。

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このように農家さん自身が必要とする用途や状況にあわせて電動アシスト化するユニットシステムとして農家自身が実装し試し効果を体験することができる。

電動化をきっかけに、農家さん自身が自身が望む用途にあわせてさらにカスタマイズした事例もあり、自分達が目指す世界観はすでに実現されつつある。

汎用クローラユニット CuGo(キューゴー)
CuGoは畑やぬかるみ、雪原などの不整地を想定した汎用クローラユニットである。Ecatがモーターを内蔵したホイールタイプであるのに対し、CuGoはクローラ(キャタピラ)タイプのユニットである。

ユニットそのものがレゴブロックのような組立可能なフレーム構造を持っていることも大きな特徴だ。これによりカスタマイズ性を高め、より早い時間で実装と検証をすることができる。下記の事例は茨城のキャベツ農家での事例であり大型の農業機械であるホイールローダーを使用して収穫作業を実施している状況からおよそ二時間で無人で小型のクローラで走行できることを検証実験で示すことができた。

現在は企業や国の研究機関や大学、高専の研究室における不整地作業ロボットの研究や教育資材としての用途が多い。下記の事例は仙台高専の園田研究室で行われている地中レーダーを用いた地中探査ロボットの実験映像である。

利用者はカスタマイズ性の高いCuGoを利用することで、我々がサポートすることなく本来数ヶ月かかる開発を利用者自身で数日からで行うことができた。

2021年現在CuGoは研究開発における検証レベルの性能だ。今後の継続的な実用化にむけて購入利用者と共に不整地における産業現場で継続利用できるレベルに向けた開発を進めている。

小型農業用プラットフォーム CuFarm(キューファーム)
CuFarmは農業用途に特化した農業用の小型プラットフォームである。悪路を走行する車両として圧倒的に低い車体と拡張性の高さ、そして初期機能を絞ることによる低価格が特徴だ。ユーザーは購入後、実現したい用途にあわせてカスタムパーツやソフトウェアの追加実装によって機能を拡張していく。

これまで紹介した製品が普及することで、これまでメーカーが開発した「完成品」としての不整地作業機械を使うことが当たり前だった状況から、事業を効率的に、より楽しめるようにするためにユーザー自身が農業機械やシステムを構築することになるだろう。


「欲しい物を自分で作りはじめた」農業事業者

日本各地の農家を回る中で、自身の農作業の効率化を目指して常に創意工夫をされている多くの農家さんと出会った。

和歌山県日高にある瀧本農園(みかん、マンゴー)
これまで訪問させていただいた中で、最もご自身で機械化、効率化をされている方だ。倉庫には鉄工所顔まけの工場設備が存在し、機械部品の制作やシステム構築ができる設備が整っている。

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こちらの会社では、オフィスの近くでりんご農園やぶどう農園を運営しつつ、そこで必要とされるセンサーネットワークやロボットシステムを開発販売している。

このように、不整地環境における産業活動を効率化、高収益化、低コスト化させ、さらに楽しめるものにするために、作業機械のユーザー自身が必要とするものを自分達自身の手で生み出すことができるよう貢献していきたい。

「欲しい物を自分で作る」文化がメーカーに与える影響


様々な現場で働く人が「欲しい物を自分で作る」ことになると、各現場の作業効率を向上させる様々な作業機械やシステムが生まれるだろう。
しかしそれだけでなく、メーカーのサポート体制やビジネスモデルにも影響があると考えている。

これまで農機具や産業機械が壊れた場合は、販売店やメーカーに修理をお願いする必要があったが、「欲しい物を自分で作る」文化が普及するにつれ利用者自身で故障箇所の特定と修理作業を行うことが当たり前になるだろう。

Ecatを例に説明すると、Ecatは下記の画像で示される4つのセットのみで構成される(右端のポーチには2つの部品が入っている)。

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これらをねこ車に取り付ける過程で、利用者は何をどこに取り付けたかを把握することになる。

すると仮に故障しても利用者側である程度故障箇所が特定できる。そこで利用者は販売店から故障したユニットを購入するか、メーカーや販売店に故障箇所の動画や画像を送付することで修理に適切な交換ユニットを提供してもらい修理をスムースに行うことができる。

これまで修理作業は専門職の手で行われてきたが、Ecatのようなユニット化により「欲しい物を自分で作る」文化の普及が進むと、同時に利用者側での修理も容易になり、販売店やメーカーがアフターサポートに割くリソースの削減につながる。それは最終的に製品価格の低下(もしくは利益向上)につながるだろう。

これまで製品を提供していたメーカーやベンダーもお客から修理箇所を聞き出すために費やしていたコストを軽減することが可能となり、より顧客の要望を聞き、それを実現していくためにリソースを割くことができる

そういったユーザー自身によるカスタムや修理、メーカーへの要望が可能となるように現在弊社では各製品ごとにコミュニティを運営し、顧客への発信や意見や事例の収集を行っている

またハードウェア開発そのものや用途の開拓を行う上で必要となるコミュニティの運営も行っている。

ユーザー自身の手によるアップデート

私達が目指す「不整地におけるガチなレゴ」の特徴的なポイントとして、ハードウェアシステムのモジュール化によるユーザー自身による容易なアップデートがある。例えば購入した農機具を使ったけど作業内容に合わなかった。こういったことは農業に限らずよくある現象だ。

弊社の E-Cat kitであればお高い駆動システムが独立したモジュールとなっているので手軽に他のものに付け替えて試すことができる。

写真は手前から計3回車体をいれかえた福岡でみかん農園をされているEcatユーザーのサカタさんだ。最終的に車体の更新の末、みかん収穫における期待値をこえる作業を実施することができた。

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こういった最初は相性の問題でうまくいかなくてもモジュール化によるアップデートが可能であり、事例を積み重ねることによってユーザー自身の手によって多様な環境や用途においても必要な期待値を満たすことができる。

また私達自身はユニットそのものの継続的なアップデートも行っている。モジュール自体の大型アップデートだけでなく各部品のアップデートパーツも開発状況にあわせてユーザーに提供することによって、ユーザー自身はプロダクトの継続的なアップデートを可能としている。

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現在アップデートのパーツは下記で販売している

私達はこういったユーザーと直接接し、コミュニティを運営していく中でユーザーの皆様を一方的に「開発仲間」として捉え、接している。私達CuboRexもユーザーの試行錯誤や工夫、課題の顕在化から学びを得てよりよい製品づくりにいかしていきたいと常に考えていることである。これらの思いは僕たちが不整地におけるガチなレゴの社会実装を実現した先に「欲しい者が欲しい物を生み出し試す」ことが当たり前な社会をめざしているからである。

ここまでは産業に関わる事例が多かったが”不整地”での生活に関わる事例も掲載しておく。下記は雪国での通学通勤手段の実現を目指し開発したものだ。

今後に向けて(2021年度)

私達は現在「組織としての収益の向上」と「不整地で使えるガチなレゴの社会実装と普及」を目指し事業を行っている。その上で2021年度のCuboRexの事業目標について2020年の成果と比較して述べる。

・E-Cat kitの全国展開
2020年和歌山にあるJA組織の協力のもとねこ車電動化キットE-Cat kitを和歌山地域で社会実装した。ベンチャー事業者がJA組織と直接契約し農業資材や機材を直接取り引きした事例としては日本で初めての事例であり2020年時点では日本唯一の事例でもある。

2021年はシステムの弱点箇所をアップデートし全国での社会実装を実現する.

・クローラユニットシステムの実用化
2020年において初期検証や教育用途での能力水準だったクローラユニットCuGo V1とV2だが 2020年にV3になりモジュールとしての完成度が高まり不整地での継続的な実験に耐えることができる水準の性能になった。これによりより実際の用途に近い実験条件で継続的な実験ができるようになった。

2021年には一部業界での継続的な実用化にたえることができるモジュールにし実利用としての社会実装を実現する。

・ユーザーコミュニティの充実
2020年においてE-Cat kitとCuGoにおいてコミュニティを立ち上げた。現在、ある程度ユーザー間による成果や課題の提示とそれに対するアドバイスがユーザー間で行われている。しかしまだメーカーであるCuboRexからの発信がコンテンツとして大部分をしめている。

2021年には各コミュニティの参加者を2000人を超え、ユーザーや興味のある方同士での課題や成果の提示、アドバイス等がコンテンツの主軸にしていく。

・ロボットサービスとしての実用化
2020年はCuGo及びEcatをそれぞれ動力ユニットとして売り切りモデルで社会実装を実現した。

2021年はこれまで培った各種技術や多数訪問し実体験した現場経験をもとに売り切りだけではない継続的なサービスモデルを構築し、β版の社会実装を実現する。これにより組織としての収益性の向上をはかる。

2021/07/31 追記
すでに人が苦役とする不整地環境でのロボットサービスの実用化にむけた取り組みは開始している。以下では大企業の農薬メーカーと共同で開発した農薬散布ロボットの事例を紹介する。その他にも共同開発の都合上公開できない複数のプロジェクトが存在する。

・売上2020年は過去最高額となる売上数千万円を達成した。

2021年は売上2億円を達成する(収益性の向上)。

最後に(2021/05/02 内容修正)

改めて私達CuboRexは「不整地のパイオニアとして欲しい者が欲しい物を生み出し試せる」社会を実現していくために「不整地で使えるガチなレゴ」の社会実装をめざし、今後も事業を進めていく。

2030年には不整地環境における作業機械を含めたシステム群が、現場にてユーザー自身やセラーの手によって現場で求められる条件にあわせてレゴを組み合わせるようにように作り上げ、稼働させることが当たり前となった世界を実現する。

ここまで読んでくれた皆様ありがとう。今後も私達は求める未来を作っていくので興味のある方はぜひ声をかけてほしい。

採用も随時おこなっている。適切な採用掲示がない場合問い合わせから打診してみてほしい

株式会社CuboRex 代表取締役CEO 寺嶋 瑞仁 

追記

現在こちらに記載した内容を一枚の絵または1分以内の動画で表現できる方を募集中なのでもし心当たりのある方がいましたらコメントにて連絡ください。


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