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(価格が)「高い」という概念に対して

概要

継続的に製品を販売するようになってよく耳にすることが多くなったのが(金額が)「高い」と言われることだ。今回その「高い」を掘り下げていく。

背景

私自身対象製品や対象サービスをみて咄嗟に(値段が)”高いな”と思うことは多々ある。また最近だと和歌山で猫車電動化キット E-Cat kit(下記URL参照)を販売していく中で営業先の方々に多く言われたのが「(製品の価格)高い」という言葉だ。一度でも営業をしたことがあれば経験があることだろう。またこれを読んでいる方自身も製品やサービスに対して上記のようなことを思ったり言ったことは人生に数度はあると思う。

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目的

今回その「高い」と感じた内容には本来複数の要因からなっており、それらを私自身や他の人も混同して捉えてしまっている前提で、要因を掘り下げる。そしてそれぞれがどういった状況で発生するのか切り分ける。その上で自身が受けての場合において対象製品に対してどういった要因で”高い”と感じるのか自身が明確に理解し、その内容を正確に必要に応じて提供側に伝えれるようになる。また製品の提供側として相手が”高い”と感じる場合、その要因を分解し、相手に製品の有する提供価値や提供方法、提供情報を適切に変化させれるようにする。これにより製品が有する対象者への提供価値の最大化、導入ハードルの低下、を目的とする。

本記事の内容を示す上で弊社が本年度10月より和歌山を中心に販売しているE-Cat kit(Ecat)での実例をもとに示していく。

逆説として”安い”や”何も思わない”などもあると思うが今回は最初に”高い”と感じることを前提に絞って掘り下げていく。

高いの分類

実際に営業先から金額が「高い」といわれる時はどういった理由があるだろうか?また自身が金額が高いと思う時はどういったときや要因があるだろうか?実際の事例を元に要因を分解していく。下記の内容は自身の実体験が多いが仮設も含んでいる。今後の活動の中で下記要因を意識して相手に対して掘り下げを行い要因を実体化させていく。

要因の分解方法としては相手(または自分)が”高い”と言った時に「高いと思った理由を教えてほしいです」と問いかけて聞き出すこととする。

①コストパフォーマンスでの比較
対象製品と既存のやり方と比較して十分なコストパフォーマンスを感じない状態のときに高いと感じる。

今までのやり方に比べて新製品を導入してまで利用したいとは思えないときに用いることが多い。

Ecatの実例で言えば私達が現在Ecatを販売している対象者の多くは和歌山の柑橘農家さんである。そういった中で柑橘農家さんの多くは収穫作業や肥料の運搬において人が直接運搬する他、

下図のようなクローラ運搬車と比較される方も多い。そういった時に既存のやり方を変える為のコスト(チェンジコストと言われることもある)とそれの導入にかかる費用を払うほどのメリットを感じない。そういったときに人は"高い"と感じる。

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②自身のリソースとの比較
自身が対象製品にかけることが可能なお金が足りていない状態に高いと感じる。

今自身がだせる金額的に対象製品を購入できないときに高いと思うことがある。例えばスーパーマーケットやコンビニなどで買いたいものはあるけれど自身のもつお金がたりなくて諦めたことは何度もある。

③必要リソースを獲得するための労力との比較
自身が対象製品を導入するにあたって必要なリソースを獲得するための労力をかけるだけの価値を感じないときに高いと感じる。

②と関係のある内容だが、たとえ必要とするタイミングにおいてリソースがたりなくても労力を払えばリソースを獲得することはいくらでも可能である。僕の実例で言えばポケットに小銭だけいれてコインランドリーにいったはいいものの近くのコンビニで食べ物を買うだけのお金がなくて家にとりにもどったことがある。この場合、食料という製品を獲得するための”リソース”が足りなかったために一度家に戻ってリソースを獲得して食料を獲得するという”労力”をかけた。

またEcatの事例で言えば最近コロナ関係でできた農業支援のための経営継続補助金がある。弊社のEcat導入を考えている農家の方のうちそれなりの数が経営継続補助金を用いてEcat導入を考えており、弊社から申請に必要な見積書を発行した。これはEcatという”製品”の獲得にむけて経営継続補助金の申請をするという”労力”をかけることで”必要リソース”を獲得しようとした結果である。

④競合品との比較
対象製品と比較的近い製品と比べて割高に感じたときに高いと感じる。

人はこれまでの知見の中である程度認知している分類の製品の場合、それらを基準として対象製品の金額を見積もる。そしてそれより金額が高いと”高い”と感じる。

Ecatの場合でいえば上述のクローラ運搬車の他、マキタ社がだしている電動猫車と比較されることが多い。開発者目線ではコンセプト含めかなり違うものではあるが利用者目線だとわかりやすい比較対象物なのだと感じる。そうしたときにマキタやその他の電動猫車は車体とバッテリーを含めた金額となるため、それらと比較した場合においてEcatの動力システムだけだと割高と思われるケースがあるようだ。

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⑤価値不明
対象製品の用途や価値が自身にとって不明な状態のときに高いと感じる。

テレビでのバラエティ等(例、年末の格付けチェック)で高額な絵画や楽器、飲食物をみたときにその金額を”高い”と感じる。これらについて対象者自身に明確な価値基準があるわけではない。つまり価値が不明かつそれを獲得する上で②や③の状況下にある場合において”高い”と感じる。

⑥とりあえず高いと言ってみる習慣
安く購入するためにとりあえず高いと言ってみる習慣や状態。

これについてはほしい製品をより安く購入するための努力が習慣化したものと感じる。特に関西地方において強い習慣のようである。

⑦きりのいい金額
対象製品が中途半端な金額であった場合に、きりのいい数字に落とし込もうとする状態。

Ecatは現在11万6000円(税抜)で販売している。これに対して10万円をきってほしいとの要望はよくある。そういった経験から人は自分にとって納得しやすい金額をもとめる傾向にあると感じる。

以上が寺嶋が経験した主な要因であlる。読者の方は自身の体験と照らし合わせて”高い”と思った時に対して要因を分類してみてほしい。もしここに書いた以外の要因がある場合はぜひコメントにて記載してほしい。

各状態への返答・提案パターン

今後相手への期待値の調整や導入へのハードルを下げるために各パターンに対する返答及び提案を記載する。これらの返答や提案によって相手の対象製品への捉え方がどう変化をしたか記録していく。

これらの記録から相手に製品の有する提供価値や提供方法、提供情報を適切に変化させれるようにする。これにより製品が有する対象者への提供価値の最大化、導入ハードルの低下、を目的とする。

記録の方法については特に本記述では明記せず記録者の任意とする。

①コストパフォーマンスでの比較
対象製品と既存のやり方と比較して十分なコストパフォーマンスを感じない状態のときに高いと感じる。

この場合下記の2つを実施する。

・比較対象を聞く。その上で比較対象の詳細を記録する
・相手に対して対象製品を正確に理解してもらうために相手の作業内容に対する貢献箇所において比較対象との貢献度合いの差分を説明する。
・実際に製品を対象者の利用環境で使ってもらう。(デモンストレーション)

②自身のリソースとの比較
自身が対象製品にかけることが可能なお金が足りていない状態に高いと感じる。

この場合下記の2つを実施する。

・レンタルやリースなど相手が今用意できるリソースでの提供方法を提案する。
・いくらなら購入するかをといかける(根拠もきく)

③必要リソースを獲得するための労力との比較
自身が対象製品を導入するにあたって必要なリソースを獲得するための労力をかけるだけの価値を感じないときに高いと感じる。

この場合下記の2つを実施する。

・①で述べたデモなどを行い相手における製品の価値を鮮明にさせ労力を払う欲求を向上させる。
・その人にとって身近かつ効果が大きな導入補助制度を紹介する(補助金など)

④競合品との比較
対象製品と比較的近い製品と比べて割高に感じたときに高いと感じる。

この場合下記を実施する。

・①と同様の対処を実施する

⑤価値不明
対象製品の用途や価値が自身にとって不明な状態のときに高いと感じる。

この場合下記を実施する。

・①と同様に対象者にデモを実施する。
・対象者の事業内容及び人的関連性のある人達に営業を実施し、導入してもらうことによって対象者が価値を身近に感じやすくする。

⑥とりあえず高いと言ってみる習慣
安く購入するためにとりあえず高いと言ってみる習慣や状態。

この場合下記を実施する。

・②と③で述べたことを実施する
・とりあえずその対象者に対して「ではあなたが私達から直接購入する際は値上げしますね」といってみる。

⑦きりのいい金額
対象製品が中途半端な金額であった場合に、きりのいい数字に落とし込もうとする状態。

この場合下記を実施する。

・②で述べた希望金額と理由をきく

今後にむけて

今後は目的の項でも述べたとおり、自身が受けての場合において対象製品に対してどういった要因で”高い”と感じるのか自身が明確に理解し、その内容を正確に必要に応じて提供側に伝えれるようになることを意識していく。

また製品の提供側として相手が”高い”といった、感じた場合、その要因を分解し、相手に製品の有する提供価値や提供方法、提供情報を適切に変化させれるようにする。これにより製品が有する対象者への提供価値の最大化、導入ハードルの低下、を目的とする。

読者の皆様へ

今回本記事を読んでくれた方はぜひ製品が"高い"と感じたエピソードや提供側として"高い"と言われたときの状況などコメントなどで教えていただけるありがたいです。

また本記事そのものへの指摘も歓迎です。よろしくおねがいします

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